現代の生活になくてはならない存在になった携帯電話。実際のところは電話と言うよりも「通話のできる情報端末」という言い方の方が正しい気がしますが、持っていると、何かにつけて頼りにしてしまいます。
災害時に問題となるのは、この携帯電話が使えなくなること。発災時には通信規制で、そして一日経つと電源がなくなった基地局が停止して使えなくなってしまいます。現在の携帯基地局は、一応停電後24時間程度は耐えられる設備を持っているところが多いようですし、各通信会社も通信回線を維持するためにさまざまな対策をしています。ただ、発電機にしても蓄電池にしても、燃料や電源が投入されなければ燃料切れを起こして使えなくなってしまいます。
以前北海道胆振東部地震では広域的なブラックアウトの発生により発電所の発電が停止して大規模な停電となり、その結果として携帯電話基地局も機能停止することになりました。携帯各社はさまざまな対応を考えて手を打ってはいますが、なかなか自立した電源で基地局を続けて運用できる方法は難しいようです。
ところで、基地局が停止したときには、電話関係ではなくSNSなどのパケット通信サービスも停止します。つまり情報が入ってこなくなることになります。これはテレビやラジオの電波塔も同じことで、電気がこなくなったら、これらも機能停止してしまい、デジタル化されたテレビやFMなどは受信ができなくなります。この状態で電波を拾って情報を得ようとすると、アマチュア無線、AMラジオ、そして短波放送ということになりますが、いずれかの情報収集の手段は用意しているでしょうか。
災害対応や状況判断を安全確実に行うためには、情報を入手することが不可欠です。そのため、自分がどうやったら正確な情報を得ることができるのかについて考え、あなたの災害対応セットにその機材を加えておいてほしいと思います。