非常用持ち出し袋を作るときに見落としがちで、市販品の非常用持ち出し袋に入っていることが殆どないものの一つが「歯磨きセット」です。
歯ブラシと歯磨き粉、それにうがい用コップをひっくるめて歯磨きセットと呼んでいますが、あなたの非常用持ち出し袋にはこの歯磨きセットが入っていますか。
実は、被災後の生活では口の中の衛生環境を維持できるかどうかで病気にかかる率がまったく違うことがわかっています。特に高齢者の方の場合は、歯磨きは絶対にしないといけません。
口の中はさまざまな雑菌の温床になっており、それを歯磨きしてうがいで流すことで一定以上の数を増やせないようにしています。
でも、災害が起きて歯磨きができない状態になると、口の中にさまざまな雑菌が繁殖し、特に高齢者ではその雑菌が肺炎を起こしたりすることが非常に多くなります。
避難生活で体調を維持するためには、口の中の環境を維持することが必須なのです。
歯ブラシが無ければ、口をゆすぐ洗口液や歯磨きシート、ティッシュペーパーなどでも構いませんので、口の中の汚れを落とす習慣だけは忘れないようにしてください。
災害後の避難生活では、さまざまな理由から免疫が弱ってきます。そうすると、身体のあちこちにいる雑菌が一斉に悪さをしようと活動を始めます。その中でも、口は内臓に直結している部分ですので、口の衛生を死守することが元気に災害後を過ごすことの絶対条件です。
入れ歯の方の場合には、入れ歯洗浄剤なども非常用持ち出し袋に入れておいて、口の中の衛生環境をできる限り守るようにしてくださいね。