災害時に、その災害がいつまで続くのかがわからないのは非常に不安なものです。災害後において受け身でいることは非常につらいことです。
例えば大規模な台風が通過している地域では、テレビやラジオなどをつけっぱなしにして、いつ頃その場所が台風の勢力圏を抜けるのかを気にしているのではないでしょうか。
情報収集する手段を持たず、ひたすらじっとしているところを想像してみてください。なんともいえない不安に襲われているのではないでしょうか。
それでも、災害はいつか終わりが必ずあるからじっとしていることができます。
でも、もし災害でいつまで続くのかわからない状態になっているとしたら、人の行動はどう変わるでしょうか。
例えば、現在新型コロナウイルス感染症対策として外出自粛が呼びかけられています。一応期限は設定されていますが、これはいつまで続くのか、具体的な期日は誰にも予測できていません。
春先に初めて非常事態宣言が出されたとき、いつまで続くのだろうかという言い表せない不安が多くの人の心の中に居続けたのではないでしょうか。
その後、夏に終息したと判断され、政府は経済活性化としてGoToキャンペーンを導入しましたが、これによって「もう待たなくても大丈夫」という安心感が発生しました。
現在また非常事態宣言が出されて外出自粛が呼びかけられても反応が鈍いのは、再び期限がわからないままに待つ事への不安が大きいと思います。
おまけにこの感染症、感染していても発症しないケースもかなりあり、それが事態をさらにややこしくしています。
「コロナ疲れ」と言われていますが、待つことに疲れてしまって耐えられなった結果が現在の蔓延状態を生み出しているのではないかと感じています。
繰り返しになりますが、先の見えない待ちは非常に不安ですし、その不安は疲労を生み出します。
くたびれきってしまうと、同じ疲労を味わうのがいやな人達は言うことを聞かなくなります。
そうならないためにも、しっかりとした目処をあらかじめ明確にしておくことが大切なのではないかという気がしています。