地域で防災計画を作ると、必ずと言っていいほどつまずくのがさまざまな理由で自力での避難が難しい人、いわゆる要支援者の存在です。
「自力での避難が難しい=自分避難ができない」という考え方になり、「地域の誰かが避難所へ避難させる」という方法を考えることになります。
ただ、その要支援者は「自分の力では避難ができない」かもしれませんが、ひょっとすると「自力で避難できないわけではない」かもしれません。
というのも、例えば訪問介護やヘルパーが来てくれている状態で発災したときには、そういった人達が支援してくれるかもしれないからです。
また、状況によってはあらかじめ家族や知り合いが支援することになっているかもしれません。
判断をするのに必要なのは情報です。その人がどのような人でどのような支援を受け、どんな支援が必要なのかということを関係者間で整理しておかないと、無用な混乱が起こることになります。
要支援者は平常時にはさまざまな職種連携によって在宅生活を維持する仕組みができています。その仕組みの中に防災計画も入れてもらうようにするのです。
民生委員や担当のケアマネージャーなどの理解がないと難しいことではありますが、これができていないと要支援者の避難計画を作ることがかなり難しくなります。
関係者を巻き込むことで避難先や安否確認がスムーズにできるようになり、福祉避難所への移転も速やかに行えるようになります。
要支援者の命を守り命を繋ぐために、常時と非常時の連携もしっかりと考えておきましょう。