水にかかわる災害の時に、逃げられる水位の話が必ず出てきます。
膝までなら大丈夫という人、15cmまでなら歩けるという人、水が出たら歩くなという人、ちょっと調べただけでもさまざまです。
自分の体験から考えると、せいぜいくるぶしくらいまで。それ以上浸かると足下をすくわれるかなと考えています。
自分のくるぶしということで計ってみたら、10cmくらいでした。
ただ、これは成人男性の場合ということになるので、女性や子どもだと当然その深さは変わります。
自力で歩いて避難できる年齢だと5~6歳以上になると思いますが、これくらいの年齢の子どもだと、くるぶしまでというとせいぜい5cmくらい。体重が軽いので、実際のところ5cmでも流れがあったら流されてしまうでしょう。
こうなってくると、水が出たら歩くなというのが一番正しいような気がします。
「水の中を避難するときには複数名で、ロープを繋いで、棒で足下を確認しながら避難する」と書かれた本もあるようですが、体は絶対にロープで繋いではいけません。流れのある深みに誰かが落ちた場合、ロープに繋がれた人が水の勢いでみんな溺れてしまう事態が起きうるからで、繋がれたロープのおかげで助かるなどということはまずありません。
複数名で、棒で足下を確認しながら移動するのが正解ではないかと思います。
そして、避難所までの道のりと避難するときにはまりそうな溝やマンホールといったものを平常時にチェックし、頭にたたき込んでおきましょう。
さて、水が流れていない状態で足下がしっかりとしているのであれば、膝くらいまでは水に浸かっても大丈夫そうですが、この場合には足を守るために運動靴かマリンシューズを必ず着用することが必要です。よく使われる長靴は、中に水が入ると重たくて歩けなくなります。
そして、水の中を避難するときには換えの靴と靴下、そして足を拭くためのタオルは必ず用意してください。避難完了後に足が濡れたままでは避難所に収容してもらえません。
ともあれ、短時間で地域が水没するような事態にでもならない限りは、水が溢れる前に避難所へ避難を完了することが大事だと思います。