あちこちで地震が起きていますが、あなたがお住いのところは大丈夫ですか。
さて、地震が起きた時に最も怖いのが怪我をすることです。
転倒したり、落下物の下敷きになったりして怪我をしないように、例えば小学校では「机の下に入る」や「ダンゴムシのポーズ」などを教え、姿勢を低くして頭を守る行動を教えています。
迅速に動けない方でも、姿勢を低くすることはできる人が多いと思いますので、できる範囲で姿勢を低くすること、そしてそれも無理なら周りの丈夫なものにしがみつくなどして、揺れで体がひっくり返らないようにしておきましょう。
ところで、こういった防御姿勢ができていても、頭上から防御力以上の落下物が落ちてくると怪我をしますので、防御姿勢をとる前には周囲の安全確認をしっかりとしておきましょう。
例えば、瓦やブロック塀、自販機のある周りにいたら、そこからは離れることや、駅やデパートなど吊り天井のところでは、できるだけ柱や壁などしっかりした部分に近づくなど、落下物から身を守る場所を選ぶようにします。
また、職場や家などでは、そもそも落下物ができるだけ発生しないように、棚は低めにすることや、高いところに重たいものを置かないなどの対処をすることが大切です。
周囲の安全確認と自分の防御姿勢をとることを一瞬で判断して行動するのは難しいですから、なんでもないときから周囲の安全確認をするくせをつけておくといいですね。
ともあれ、地震の揺れで怪我をしないように、事前の対策をしっかりととるようにしてください。
タグ: 地震だけでは人は死なない
地震が起きた後
石川県珠洲市を中心とする地域の地震が頻発しているようで、現地の方は落ち着かないと思います。
規模の大きな地震の場合、発生後数日~数か月は揺れが断続しておきますので、怪我をしないように十分気を付けてください。
おうちのお片付けのときには、なるべく高いところに荷物を片付けないようにすることや、壊れやすいものはなるべく低いところに置く、寝るところには家具や落下物になりそうなものは置かないなど、怪我をしないことに注意してください。
また、被災家屋の応急判定がされていると思いますが、貼られた張り紙の色が赤だけでなく、黄色のおうちも続く揺れに耐えられないことがありますので、十分に気を付けてください。
それと、家と家の周りの点検も必要です。
揺れが何度も起きると、柱や屋根にも損傷が起きることがあります。特に屋根は損傷すると雨漏りが発生し、そうなると家自体にも悪い影響が出ます。雨漏りしないようにしっかりと点検をし、損傷があるなら手当をしておきましょう。
家の周りでは、亀裂などの変化に気を付けてください。庭や家の基礎が上がったり下がったり動いたりしている場合には、続く揺れで思わぬダメージが発生することがありますので、早めに業者さんに点検してもらうようにしてください。
地震だけであれば、現在の日本の建築基準にあっていれば大きな損害は起きにくいです。慌てずに、落ち着いて状況を確認して、自分の安全確保を第一に行動するようにしてください。
家具の固定はしていますか
地震のときに身を守る上で怖いのは、落下物によるケガです。
職場や外出中であれば吊り天井や照明、家であれば、照明や家具が問題となってきます。
職場や出掛けた先での対応は自分ではどうにもできない部分も多いですが、家であればある程度は自分の思うように作業ができると思いますので、照明と家具の固定はすぐにでもやっておきましょう。
借家の場合には家具の固定は難しいと言われますが、要するに家具が転倒するのを防ぐ作業をすればいいので、壁や天井に工具を使って固定をしなくても、家具が動き出さないように天井一杯まで段ボール箱などを詰めておけばいいのです。
家具が倒れるときには、動き出すスペースと倒れるスペースがいります。家具と天井の間に空の段ボール箱でいいので詰めておけば、家具が動き出すことを抑えられるので、家具が転倒する確率をかなり減らすことができます。
また、わざと壁に向けて少しだけ傾斜させておく方法もあります。ほんの少しの傾斜でも、地震のときには家具は転がりやすい方向に力が向きますから、人がいる側では無く壁側に家具がぶつかるようになり安全が確保できます。
突っ張り棒やチェーンなどでしっかりと固定しておけば安全ですが、もしそれができなくてもいろいろな方法で家具を動きにくくすることはできますから、家具を置くときにはそういったことを考えて配置してほしいと思います。
それから、家具の転倒方向に出入口を置かないことも重要です。出入口前に家具が倒れてしまうと、避難のときに扉が開かなくなったり、移動がしにくくなったりしますので、家具の方向はしっかりと考えておきましょう。
家具が倒れてくると、それだけで大けがをしてしまうことが予測されますが、ちょっとした準備でそれを防ぐことは可能です。
できないからしないのではなく、できないなかで何ができるのかを考えて、できる範囲でしっかりと備えておくようにしましょう。
地震で人が死ぬ理由
日本は地震大国であり、大地震が起きると何らかの犠牲者がほぼ確実に発生しますが、その犠牲者はどんな理由で犠牲になったのでしょうか。
地震で多くの人が犠牲になると言っても、実は地震の揺れそのもので死ぬ人は殆どいません。心臓が悪い方がびっくりした拍子に心臓が止まってしまうくらいでしょう。
問題になるのは地震の揺れでは無く、揺れにより発生する建物倒壊や崖崩れ、または地震が原因となる津波や火事で、これらが人的な被害を引き起こします。
東日本大震災では判明している多くの人の死因は溺死ですし、熊本地震では圧死、阪神大震災では圧死と発生した火災が死因の多くを占めていました。
逆に考えると、溺死、圧死、焼死を防ぐことができれば多くの人は犠牲にならなくて済むと言うことです。
溺死を防ぐためには、発生した津波から逃げることが必要で、できるだけ高いところに避難しろということになります。
圧死は、建物やブロック塀、自動販売機の倒壊を防いだり、家具の固定を勧めることで圧死の原因を減らすことができます。
焼死は、身近に消火器を置いたり、感震ブレーカーなどを装備することで不用意に発生する火災を小規模または未然に防ぐようにすれば、大規模火災を押さえられますから犠牲者が出なくて済みます。
そう考えると、対策をきちんととれば地震もさほど怖いものでは無いということに気づけると思います。
地震が発生することは止められませんし、精度の高い予報をすることも現時点では難しいですが、地震が起きても被害を最小限に食い止めることはできると思います。
あなたが地震で死なないために、地震が原因で発生するさまざまな死亡原因の元を無くしておくことが必要となるのではないでしょうか。