災害が続くと、さまざまなところに募金の窓口が開設されますが、窓口の数が多すぎてどこへ募金すればいいのか悩むことも多くなってきました。
東日本大震災のような大きな災害が起きると、街頭募金がめったやたらと増えて募金する人が募金疲れしてしまうようなことも起きたりします。
また、募金した人の思いと募金が使われる目的が違っていたりすると、募金した人の違和感が発生したりすることも起きます。
そこで、今回は募金の窓口とその性質について考えてみたいと思います。
【本日のお品書き】
1.募金とはなんぞや?
2.募金の方法と募金先
3.思いと募金する先を一致させるためには
1.募金とはなんぞや?
募金とは「浄財」、平たく言うと「お金の寄付」です。
いろいろと大変な思いをしている人たちを助けたいけれど、一人でできる寄付金の金額はしれています。ですが、さまざまな人たちの寄付を集めればまとまったお金となって人助けができるため、共同募金会などの大きな公益法人は常時「募金」という形でお金を集めています。
災害が起きると、あちこちの組織や団体がその災害限定の募金が立ち上げられることがあります。
被災地で必要なものは時間や状況の経過によってめまぐるしく変わっていくため、物資を送るよりも募金として現金で届く方がより現地のニーズに合った対応が可能になることが多いです。
被災地で物資が欠乏するのは、殆どの場合物資の輸送手段に問題が発生しているためなので、自分たちでの直接持ち込み以外の場合には、物資よりも義援金の方がいいと私自身は考えています。
2.募金の方法と募金先
募金の方法は大きく分けると「募金箱による街頭募金」「寄付口座に振り込む」にわかれます。
街頭募金はお手軽ですが、やっている団体や個人がいただいた募金をきちんと届けてくれるのかという疑問は残ります。街頭募金に募金するときには、集まった募金をどこへ届けるのかについて、募金する前に確認した方がいいかもしれません。
街頭募金の届け先は、共同募金会か日本赤十字社になることが多いです。
これらの団体は集まった募金をきちんと届けてくれるという信頼と実績があり、手続きも簡単なため、さまざまな募金が集まりやすくなっています。
寄付口座への振り込みは、振り込み手続きをするという手間はかかりますが、間違いなく自分の思う募金先に募金ができるというメリットがあります。最近では被災自治体による「ふるさと納税」やNPOによる「クラウドファンディング」でも災害への募金が設定されることが増えてきており、より思いに即した対象に募金することが可能になってきています。また、募金する先によっては確定申告時の税額控除が受けられるようなものもあります。
また、AMAZONでは「欲しいものリスト」というシステムを準備しています。
これは東日本大震災や熊本地震のような大規模災害時、物流回復後に運用されるもので、避難所から出された「欲しいものリスト」の中の品目を支援者が購入すると、該当商品が避難所に届くようになっており、避難所のニーズと支援物資が一致しやすいという利点があります。
大きな災害時にはそちらを確認してみるのもいいと思います。
3.思いと募金する先を一致させるためには
募金する人にはさまざまな思いがあります。そして募金を届けるところにもやはり思いがあります。
募金を届けるところがどのようなことを考えているのかは、それぞれのホームページを確認してみるとよくわかります。
一般的には大きい組織は全体に広く浅く、特定のことを目的とする組織は狭く深く支援を行います。
あなたが何のためにその募金をするのかを一度考えてもらって、あなたの思いに沿った組織や団体に募金し、効率的に募金が使われるように考えていただければと思います。