当研究所のS研究員が防災キャンプに参加した感想で二つの感想を言っていました。
一つは「新聞紙食器だとテンションが下がる」ということ。
そしてもう一つは「防災食では量が足りない」というものでした。
災害時にはいかに自分の気力を維持できるかが結構重要な問題としてあるのですが、気力維持の源の一つである食事で気力を維持するために必要なことについてちょっと考えさせられました。
今回は非常食でどうやって満足度を上げるかということについて考えてみたいと思います。
1.食器類を考える
防災訓練だと、新聞紙食器の作り方とそれを使っての試食というのはかなりよくある内容です。
新聞紙食器は、そのままでは湿気で新聞紙が濡れて用をなさなくなるので、内部にビニール袋を入れて食器として使用します。
でも、ビニール袋から食事を取るというのは、普段経験がないことですし、気分が上がるようなことでもありません。
そこで考えたのは、やはり食器類はきちんと準備しておくということです。プラスチックの食器類+ラップであれば、新聞紙+ビニール袋よりも貧しさは格段に減りますから、非常用持ち出し袋には食器とラップを加えておくとよさそうです。
新聞紙食器+ラップにならないのは、新聞紙食器はラップの引っ張り強度に耐えられないからです。そのため自立するビニール袋が重宝されています。
ちなみに被災時には水道が使えなくなるという前提で、食器類にラップやビニール袋をつけることで洗い物を出さず、ゴミを減らすという働きを狙っています。
お湯を沸かすことやコップのことも考えると、アウトドア用のコッヘルを準備するのもありかもしれません。
2.量の問題を考える
自分が食べる量というのは案外と把握していないものですが、普段自分がどれくらいの量を食べているのかを知ることは、非常食を準備する上では非常に重要なことになります。
よくあるアルファ米は1食が230gから300gになるのですが、小食な人には多いですし、食べる人には物足りない量です。
最近のコロナ渦ではあくまでも自分の非常食は自分で準備し、自分で食べるという設定になっていますので、、結果的に余る人と足りない人が発生することになります。また、余る人の場合には、ジップロックなど密閉できる容器に分けて作ればいいですし、足りない人は大盛り設定のあるアルファ米もあります。
非常食ではあまり考えられていないみたいですが、副菜をつけることで満足感も栄養バランスも取ることができたりもしますので、缶詰やフリーズドライの汁物などを準備しておくとよさそうです。
重量物をあまり持てない人でも、ふりかけくらいはあるといいと思います。
非常食は文字通り非常時に食べるものと言うことで、カロリーがあって食べられればいいというイメージになりがちですが、食事で満足することは気力の維持に非常に重要です。
軍隊の携行食がわざわざバラエティーに富んでいる理由は、食べる楽しみを知っているから。
非常事態に使う非常食だからといって、普段食べ慣れない美味しくないものをわざわざ準備するのではなく、自分が知っていて自分がおいしいと感じる非常食を準備しておきたいですね。