ちょっと大げさな書き方になってしまいましたが、今回は非常用持ち出し袋に入れるコンパクトな救急ボックスに入れておいた方がいいものの一つとして、ワセリンをご紹介したいと思います。
ワセリンにもさまざまなタイプがあるようですが、今回は日本薬局方に記載されている白色ワセリンで考えてみたいと思います。
薬ですので、側面には効能効果が書かれています。「手足のヒビ、アカギレ、皮膚のあれ、その他皮膚の保護」が効果効能、そして使い方である用量用法は「そのまま患部に薄く塗ってください」とあります。
皮膚のあれ、ということなので、最近よく聞くマスクかぶれ対策にも使うことができます。ポイントは、マスク使用後にできるだけ早くしっかりと石けんで顔を洗ってから塗っておくこと。保湿効果があるので、カサカサになったお肌を守ってくれるようです。ただ、塗ったままマスクをつけるとべたべたになって貼り付いて困ったことになるので、マスクをつける前にも顔をしっかりと石けんで洗うことに注意してください。
べたべたで思い出しましたが、花粉の舞う時期に鼻の穴の入り口に薄く塗っておくと花粉症が軽くなる気がします。たぶん花粉がワセリンのべたべたにくっつくからだと思うのですが、今シーズンは新型コロナウイルスのおかげで一番欲しい時期にマスクが手に入らなかったので、一時これでしのいでいました。
また、ワセリンは皮膚を保護する作用があるので、ちょっとした傷ややけどの時に塗っておいても保護効果が期待できます。ワセリンの効果は乾燥させないことなので、これを塗ってから絆創膏を貼ると、ハイドロコロイド絆創膏のような働きもしてくれます。ワセリンを塗った上でラップを巻くとよりよいようですが、あくまでも緊急時の対応と考えておけばいいと思います。
肌への刺激が少ないので、唇が切れたときにもリップクリーム代わりに塗っておくこともできますし、避難所等で乾燥していたら、薄くのばして肌に塗ってやることで肌の乾燥を防ぐこともできます。特に乳幼児や高齢者はそのあたりも考えて準備しておくことをお勧めします。
他にも、成分がほぼ油なので、緊急時には芯を差し込めばロウソクの代わりに使うこともできますし、脱脂綿やティッシュペーパーに浸せば着火剤としても使えます。
値段も安く、保管期限も長いので、防災アイテムとしても及第点。
あなたの救急箱に、ぜひワセリンも加えてやってください。
余談ですが、効果効能に書いていないことを試す場合には、あくまでも自己責任でお願いします。著者はいろいろとやってみましたが、あくまでも個人の感想であることと、まねてトラブルが発生しても責任は負いかねることをここに明記しておきます。