洪水時の避難レベルと避難方法

 水害では避難レベルによって避難行動が変わってきます。
 今更ながらではありますが、今回は避難レベルと避難方法の確認をしてみたいと思いますので、おさらいという意味でご確認いただければと思います。

・レベル1

 災害の危険性があるかもしれないという状況なので、いつもよりも情報をこまめに集めるようにします。


・レベル2

 災害が発生するかもしれません。非常用持ち出し袋の中身の確認や買い足し、備蓄の確認などを行っておきましょう。
 天気がまだ安定している状態なら、一度避難先までの道順を確認してもいいと思います。

 レベル1、2については通常「レベル」という呼び方はされません。
 内閣府防災が定義しているのは気象庁が出す情報でレベル1を早期注意情報、レベル2を大雨・洪水・高潮注意報としていますが、避難準備する側としては、レベル1で注意報、レベル2で警報のイメージで捉えてもらえばいいと思います。

・レベル3 高齢者等避難

 高齢者や身体の不自由な人を始め、避難準備ができた人からあらかじめ決めている避難先に避難を開始します。
 基本は水平避難で、危険区域からあらかじめ決めていた避難先への避難となります。

・レベル4 避難指示

 災害の恐れが高くなっているので、危険地域に住んでいる人は可能な限り早く避難を開始します。
 場所によっては内水氾濫や堤防越水が起きていることもありますので、状況を見て避難先に逃げるか、近所の高い建物に避難するか、あるいは自宅で二階以上に避難するかを判断してください。

・レベル5 緊急安全確保

 これが発令されると、基本的に地域のどこかで災害が発生したと考えてください。
 洪水の場合は、避難所に避難するのは止めて自宅のなるべく高い場所へ移動し、あとは運を天に任せます。

 ポスターなどではレベル4で浸水の可能性のある地域の人は全員避難するように書かれてはいますが、できればレベル3発令後は避難準備のできた人からすぐに避難開始することをお勧めします。
 そして、避難先は複数考えておいて、一つの避難先に入れなくても他の避難先に入れるように考えておいてください。
 あなたの命を守るのはあなたです。
 自治体の避難情報がなかったとしても、身の危険を感じたら、可能な限り早く安全確保をするようにしてくださいね。

大雨の警報基準をおさらいしよう

 梅雨に入るのを待ちかねていたように県内では激しい雨が降るようになってきました。一部の地域では「大雨警戒レベル3」が発表されたところもありましたが、一口にレベルと言っても何をしたらいいのかピンと来ない方もいらっしゃると思います。
今回は現在の警戒レベルと以前の警戒名称、そしてそれにより住民が期待されている行動についておさらいをしてみることにします。

報道発表がレベル表示だけになったので、この警戒レベル表が頭に入っていないと訳がわからなくなる。

1.レベル1

 これはあまり意識しないと思いますし、報道発表などでもレベル1はでてこないと思っていいと思います。
 気象庁が大きな災害が起きそうだと判断したときに発表する「早期注意情報」がレベル1の基準となっています。
 これが発表されたら、家の周りのお片付けや雨樋、溝などが詰まっていないか確認し、できれば掃除をしておくといいでしょう。
 また、非常用持ち出し袋や備蓄品のチェックを行って、足りないものがあれば買い足したり交換したりするようにしてください。

2.レベル2

 気象庁発表の大雨注意報や洪水注意報がこれに当たります。
 避難経路の確認や避難所開設の時期の確認、避難に必要な資機材や車の燃料などを確認しておきましょう。
 また、大雨警報や洪水警報が発表されると、レベル3が発表されるかもしれないことを念頭に置くようにしてください。

3.レベル3

 以前の「避難準備・高齢者等避難開始」に該当します。避難準備とは言いますが、自宅や避難経路が崖崩れや水没の危険がある場所にあるようなら、準備ができ次第安全だと思われる場所に避難を開始してください。
 また、高齢者や要支援者など避難に時間がかかったり避難先に特定の資機材が必要な人は準備が完了次第安全な場所へ避難します。

4.レベル4

 以前の「避難勧告」「避難指示(緊急)」です。これが出るともうどこかで災害が発生していると考えても問題ありません。
 安全な場所への避難が難しくなっている場合には、自宅で上層階に避難する垂直避難を検討しましょう。可能な限り安全な場所へ避難してほしいという情報です。

5.レベル5

 「災害発生情報」で、これがもし発表されるとしたら、もう大規模な災害が発生していると考えて間違いありません。
 自分の周囲を確認し、現時点よりも安全が確保できる方法で、自分が生き残ることを最優先に行動しなくてはなりません。

 こうやってみると、レベル3とレベル4が重要な意味を持つと考えてよさそうです。
 レベル3とレベル4の違いははっきりとしないのですが、もしも避難所があなたや自治会の判断で開設できるのであれば、レベル3が出る前に避難所の開設をしておくことをお勧めします。また、逃げ込む場所が空けられていないと避難してきた人が途方にくれることになりますので、もし自分たちで開設が決められない場所が避難先になっているときには、避難所の開設時期について自分たちで明確に確認しておくことをお勧めします。
 これからの時期、大雨や大風が起こる可能性は高いです。
 気象庁や自治体が発表する警戒レベルを意識して、早めに行動するようにしておいてくださいね。