口腔ケアに気をつけよう

 災害時に案外と気にされることがないのが口の中のケアですが、何もしないと後でさまざまな悪影響が出てきます。
 今回は口の中のケアについて考えてみたいと思います。

1.口の中を健康に保つには

 口の中を衛生的に保つ方法は、まず「歯をきれいにすること」。そして「口の中が乾かないようにすること」です。口にはさまざまな菌が住んでいますので、それらを増えすぎる前に排除することが口の中を健康的に保つ方法になります。

2.口の中がきれいでなくなるとどうなるの?

 普段でもそうなのですが、何もしないと歯に雑菌の塊である歯垢ができます。この歯垢は虫歯や歯周病といった歯に直接ダメージを与えるものだけでなく、さまざまな全身性疾患を引き起こす元になってしまうことがあります。健康な人であれば体内の免疫システムで体に影響がでないのですが、栄養状態が悪く精神的にも不安定になっている状態は免疫システムも低下しますので、普段元気な人でも病気になってしまうことが起こります。

3.ではどうするか?

歯ブラシがあれば、食後にしっかりと磨き口をゆすいで菌をはき出すことで、口の中の衛生環境を維持することができます。使用後の歯ブラシは、ティッシュペーパーなどで拭って衛生的に保つようにしてください。また、歯ブラシが無い場合には、歯磨き用ペーパー、少し湿らせたティッシュペーパーやガーゼなどで歯垢をこそげ取るように拭き取ります。マウスウォッシュがあれば、拭き取った後にそれで口をゆすぐとより効果的です。

4.まとめ

 災害が起きると食事と排便は意識しますが、案外と歯磨きをすることを忘れているものですし、支援物資として歯ブラシが届くのは割と遅くになると思われますので、自分の衛生環境を守るためには歯ブラシを非常用持ち出し袋や非常用備蓄品にセットしておく必要があります。
 また、普段から食後は歯磨きをする癖をつけておき歯ブラシを鞄に忍ばせておけば、災害の時にも歯ブラシが手元にあるという状況が作り出せるかもしれません。
 口の健康状態が自分の健康状態を決めるといっても大げさではないと思いますので、避難するセットの中に歯ブラシを加えるようにしてくださいね。
 ここで気をつけておいて欲しいのが、口をゆすぐ水が確保できないときには歯磨き粉は使用しないということ。歯磨き粉を使って歯磨きすると、歯磨き粉なしで歯を磨くときよりもかなり多く水を使用しますので、状況に応じて歯磨きの方法を使い分けるようにしてください。