ペットをつれて避難しなさいという国の方針で、避難所へペットと一緒に避難する同行避難と、避難所でもペットと一緒に過ごすことができる同伴避難の制度が導入されました。
賛否についてはいろいろとあるみたいですが、ペットがいるから逃げない、逃げられないという人が多いことを考えると、とりあえずペットと一緒に避難しろというのは正しいことなのではないかと思っています。
ところで、ペットと一緒に過ごすことができる同伴避難の場合には大きな問題にはなりにくいのですが、ペットと一緒に避難だけできる同行避難の場合には、避難した後のペットの収容場所や管理方法についてよく考えておかないと、いろいろとトラブルが発生します。
ペットと同行避難する避難所についてはなるべく居住区画とペットの居るエリアを離しておいたほうがいいなと感じているのですが、特に犬が避難してきた場合には気をつける必要があります。
特に高齢者の飼っている犬に多いのですが、普段一緒にいるのに避難所に避難したら別々に過ごす状態になると、しつけが行き届いている犬であっても非常に不安を感じて鳴き出すことがあります。
飼い主の顔が見えればいいのですが、飼い主が知らん顔していると犬は飼い主を呼び続けて鳴きます。呼び声ですから、当然鳴き声は大きいです。そして、避難所は犬好きばかりがいるわけではありません。鳴き声で避難者が不快な気持ちになったり、就寝時間に鳴かれると寝られなくなったりして実害も発生してきますので、なるべく犬が鳴いても影響のない場所に収容するようにしたほうがよいでしょう。
とはいえ、避難所にそれだけの場所があるなら、恐らく同伴避難を受け入れることができる避難所になっていると思います。敷地の問題で同伴避難を受け入れることが難しいことは多いのですが、それでも飼い犬が不安を感じないような手立てを講じておく必要はあるのではないかと考えます。
また、飼い主に知っておいて欲しいのですが、どんなにしつけがちゃんとできている犬であっても、環境が変わって飼い主が見えなければ不安でいっぱいになり、飼い主を鳴き声で呼びます。連れてきた以上、飼い主には飼育する責任がありますから、きちんと鳴かないような手立てを考えておく必要もあると思います。
ペットと一緒に避難するのであれば、ペットと一緒にある程度までは過ごせるだけの覚悟が必要です。
そのことを念頭に置いた上で、ご自身の避難計画や避難所の設計、運営について考えていただければなと感じています。