防災教育の場では自分で自らの命を守る「自助」、自治会や地域でお互いの命を守る「共助」、市町村や都道府県、国、消防といった行政機関等が命を守る「公助」の3つを教えられます。
この3つ、それぞれに正しいですし当研究所でもそういった説明をしているのですが、先日受けた研修会で「自助」と「共助」の間に「近助」が入るという話がありました。
自分の命が確保されたら、そのとき近くにいる人たちで助けあうことが必要だということですが、お互いに命を守る関係が時間が経過するごとに落ち着いてきて大きくなっていくことを考えると、自助と共助の間に近助がくるのが正しいのかもしれないなと思います。
この近助にはもう一つあって、住んでいる地域の個人と自治会の間、いわゆる班や組、隣保というふうに言われるような近所の数軒単位くらいでの助け合い、つまり近所の助け合いも該当します。
普段顔見知りであれば、自分や家族が助かったら、恐らく周囲の人の心配をすると思いますので、この近所の助け合いも重要になります。
ただ、偶然居合わせた人達が助け合う「近助」と違って、近所の助け合いは近所の人を知らなければそもそも成立しない関係であることに注意が必要です。
最近では近所付き合いが面倒くさいとか、金にならない地域の行事に出るのが嫌だ、あるいはそもそも地域付き合いする時間が取れないといった感じで近所付き合いしない、できない人も増えているそうですが、そういった人は近所も相手にしない、というかどんな人がいるのかもしらないわけですから、そもそも意識してもらえないことを理解しておきましょう。
意識してもらえないということは、共助を受けることが困難になるということです。そもそもそこにいることをわかってないのですから、地域に寄せられる支援や援助は、自分から関係者に積極的に申し出ていかない限り受けることができません。
公助は期待はできません。平時であればそういった近所付き合いしない人にも配慮されるかもしれませんが、災害時には絶対的な人手が足りませんので、平時のような公的な支援はまず無理です。
近所、共助を当てにしないための準備、つまり自助を相当手厚く準備しておく必要があるでしょう。
繰り返しになりますが、災害時には公助、つまり行政機関の助けはありません。災害発生時には、消防、警察、自衛隊はあなたを助けてはくれないのです。
あなたは自分が助かるためにどのような準備をしておく必要がありますか。
大雨の降るかもしれない梅雨に入るまでに、一度考えておいてくださいね。