地震のようないきなり発生するような災害を除くと、その大小はありますが災害には予兆が必ずあるものです。
とくに大雨や台風など、水に関する災害はある程度予測がつくので、その予測に従って行動すればあなたの安全はとりあえず確保されることになります。
ところで、水に関する災害に関しては現在警戒レベルが決められていてそのレベルに応じた行動をすればいいことになっているのですが、一つ問題になるのが、この警戒レベルの発表基準が面的なものであるということです。
例えば、「○○市××町に避難勧告が出されました」と聞くと××町の人は全て避難所に避難するようなイメージになるのですが、実際のところは避難勧告が出る前に水没している家屋があったり、避難する方が危険な場所に住んでいる人がいたりします。
そのため、自治体が発表する警戒レベルだけではなく、自分の住んでいる場所の警戒レベルを作って置いた方が安心です。
住んでいる場所の警戒レベルというと難しそうに聞こえますが、実際のところは、「家の裏の溝が溢れたら避難する」とか「近くの水路の水が8割くらいの量になったら避難する」というような避難をすべき判断基準を作るという作業で、その際に活用できるのが「タイムライン」です。
タイムラインの作成は3日前から始まることが多いのですが、あなたが避難するために必要なさまざまな情報収集や準備の順番や段取りを決めていく作業ですが、この中にあなたの住んでいる場所の避難判断基準も入れておくのです。
タイムラインは「東京マイ・タイムライン(東京都のウェブサイトへ移動します)」や国土交通省下館河川事務所が出している「みんなでタイムラインプロジェクト(国土交通省下館河川事務所のウェブページへ移動します)」を確認していただければタイムラインの詳しい考え方や作り方がご理解いただけると思います。新型コロナウイルスで家から出られないこの時期だからこそ、あなたやご家族と一緒に作ってみてはいかがでしょうか。
これからは梅雨、夏の大雨、そして台風と水の災害がいろいろと起きてくるかもしれません。まだ何も起きていない今の時期だからこそ、あなたのタイムラインをしっかりと整備して、いざというときに余裕を持って避難ができるようにしておきたいですね。
カテゴリー: 行動
避難開始のルールを決めておく
災害情報や警戒レベルについては以前「災害時の情報にはどんなものがあるだろう」という記事で触れたことがありますが、警戒レベルについてはレベル順に発表されるとは限りません。
短時間に集中してピンポイントで降るような雨の場合だと、警報から二つレベルが上がっていきなり「避難勧告」が出るケースも想定されます。
そのため、警報が出たらその後どのように雨が降りそうなのかについてアメダスや降雨量、雨雲レーダーなどの気象情報を確認して置かなければなりません。
緊急時に判断するときには、大抵の場合「これくらいなら」とか「まだ大丈夫」といった正常性バイアスによって気がつくと避難するのに手遅れの状況になっていることもよく起きますので、自分たちが「何が起きたらどこへ避難を開始するのか」を平常時に決めておかなければ冷静な判断はできないと思います。
平常時に決めた避難基準、例えば「時間雨量が30mmを超えたとき」や「近くの川の水位が一定量を超えたとき」「家の前の側溝が溢れたら」などの条件が満たされたら、いろいろ考えずに避難を開始することをルール化しておきます。
もし避難後に何も無くても、「何もなくてよかった」のですから喜べばいいのですし、判断基準がおかしいかなと感じたら、その感覚を元にして避難開始のルールを変更すればいいだけの話です。
「避難所」が開設されていなくても「避難できる場所」を決めておけばそこで過ごせばいいですし、「避難場所」であれば条件なしに避難をすることが可能です。ただ、避難場所は殆どの場合場所だけの提供となりますので、雨を凌げる装備が必須となることに注意してください。
また、水没や崖崩れなどの心配が無い場所や近くに避難できる場所がどうしても見つからないなら、家の中の上層階への避難でもやむを得ません。(避難所の詳しいことについては当研究所の投稿記事「避難所の種類と機能について考える」をご覧ください。
いずれにしても、避難開始のルールを決めておくことで避難遅れはなくなりますから、どうなったらどこへ避難するというおうちのルールを作って、家族みんなで共有しておいてくださいね。
「行動を起こす鍵」を決めておく
現在国会で新型コロナウイルスへの対応を巡っていろいろな話をしているようですが、滅多にない大規模な感染症ということなのか、政府の動きがなんとなく後手後手に回っているような気がします。
以前にもSARSや新型インフルエンザ対策などで大騒ぎしたはずなのですが、そのときに得た教訓は「行動を起こす鍵」を決めておくということです。
「行動を起こす鍵」は「トリガー」や「引き金」とも言われますが、さまざまな想定で検討をしておいて、どんな状況になっても発生したらすぐに行動に移すことができるようにパターン化して行動を決め、その行動を起こすための鍵となる事象を決めておく作業をさします。
例えば災害対策では「BCP(事業継続化計画)」と言われる状況と対応の計画書がそのままこれに当たります。
もちろん状況は動きますし、設定した状況と100%同じ事態が起きることはまずないでしょうが、いろいろと検討しているうちに備えなければいけないことがはっきりと見えてきますので、その対応をするための行動を起こす鍵をしっかりと決めておく。これは平時にこそ準備しておくもので、非常時に慌てふためかないために必ず検討して準備しておいた方がよいものです。
「Aが起きたらBを実施」という考え方はプログラムのようですが、BCPというのはまさにプログラムで、設定された状況に従って行動をするためのツールとして考えてみるとわかりやすいかもしれません。
慌てている会社や自治体はこのBCPがうまく機能しておらず、落ち着いて手を打っている会社や自治体はBCPがうまく稼働していると考えていいと思います。
BCPがないのにうまく対応している会社は、この「行動を起こす鍵」をはっきりとさせていて、それを従業員や顧客にも周知徹底がされているところでほぼ間違いないはずです。
企業のBCPだけでなく、家族やあなたの生存継続化計画を作るときにも、この「行動を起こすための鍵」を意識して計画を組んでみてください。
難しくてややこしくて専門業者に丸投げしていた企業のBCPが、そんなに難しくないと感じると思いますよ。
照明を変えてみた
緊急事態宣言が出されて外出自粛になっています。
この際ですから、普段できないけれどやっておいた方がいいおうちのことをやってみてみようと思い立ち、家の天井照明の一つを交換してみることにしました。
我が家の天井の照明です。和風ペンダントで吊り下げ式です。傘が固定できないのと、それなりの重さのある蛍光灯仕様なので、地震で激しく揺れると割れたり落ちたりしそうです。
そこで、今回は天井に直付けできるタイプの照明をつけてみることにしました。
その前に、絶対にしておかないといけないことが一つ。必ず交換する部屋の電源とブレーカーを落としておきましょう。これをしないと、交換中に感電したりショートしたりする可能性があります。
和風ペンダントは電源コードで支えられているので、取り外したら照明用コンセントがむき出しになります。このコンセントの形状にはいくつかの種類がありますので、取り替えたいと思う照明器具のコンセントと一致しない場合には、建物側のコンセントを交換する必要があります。その作業は電気工事士の資格を持った方が必要だったと思いますので、それを交換する場合には電気屋さんに相談してみてください。
形状が一緒なら、外したコンセントに新しい照明器具のコンセントを差し込んでひねって固定すれば交換完了です。
天井直付けのLED照明に交換が完了しました。以前の和風ペンダントに比べて風情はありませんが、軽量で明るく、光の調整もしやすくなりました。リモコン式なので、寝る前に布団から出て照明を消す手間もなくなり、ちょっとだけ便利です。
電源やコンセントを直接いじるのであればかなり難易度の高い交換作業ですが、照明機器の入れ替えだけならそんなに難しい作業ではありません。
和風ペンダントの固定が難しいような場所や照明器具が古くなっている場合などには、新しいのと買ってきて入れ替えてみるのも気分が変わっていいものです。
落下を防止する安全対策もできますので、該当する照明器具をお持ちの方は一度試してみてはいかがでしょうか。
外出自粛と買い占め
4月16日に政府から全国に対して「緊急事態宣言」を行いました。
そして、それを受けた都道府県や市町村が新型コロナウイルス対策として人の移動の自粛要請や業務の縮小などの依頼をかけ始めています。
この事実だけをみると、確かに非常事態のような感じもしますし、その影響を受けてか、今日はスーパーマーケットのレトルトやインスタント食品のコーナーがほとんど欠品状態になっていて、買い物かごにそれらを満載した高齢者の方が群れを成してうろうろ。正直、なんだかなぁと思ってしまいました。
売れ筋を見ると、袋のインスタント麺、レトルトカレー、それからパスタソースや乾麺、缶詰など。生鮮食料品や保存期間の短いものは通常通りの分量がありました。
これから考えると、緊急事態宣言で外出自粛要請が出されたために出歩かなくて済むように保存のきく食料品を調達しているということだと思います。
面白いのは、パックご飯や冷凍食品はいつもどおりの売れ行きだということ。出会う人達の年齢がかなり高い感じがしましたから、高齢の方が自分たちに馴染みのある保存性の高い食料品を買い占めたというところでしょうか。
ところで、こうなっている原因の緊急事態宣言とはどんなものなのでしょうか。
調べてみると、その昔新型インフルエンザで大騒ぎになったことがありましたが、その時に整備された新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)の第32条「新型インフルエンザ等緊急事態宣言等」をそのまま当てはめていて、この特別措置法の附則第1条の2で「新型コロナウイルス感染症に関する特例」を加えて今回対応できるようにしているようです。
この法律でできるのは、さまざまな要請で命令はほとんどできないようになっています。第45条「感染を防止するための協力要請等」でいろいろと書かれてはいますが、あくまでも要請であって、他国のように都市の出入りを止めてしまったり、戒厳令を敷いて人の移動を制限したりすることはできないのがこの法律です。
現時点で特に災害で物流が混乱したり停止したりしているわけではないので、食料品はきちんと入荷されています。少し前にトイレットペーパーが無くなるという騒動がありましたが、あれは生産が停止したから無くなったのではなく、物流網の供給能力を超えて買い占められてしまったために手に入らなくなったことは、記憶に新しいと思います。
不要不急の外出自粛の中では、食料品や生活必需品の買い出しは規制されていないのですが、外出してはいけないと勘違いした人達が一度に買い出しに出て買い占めを行っている状態になっています。
想定されている不特定多数の人が一カ所に集まってしまっているわけなので、ここからクラスター感染が発生してもおかしくないのではないかと考えてしまいます。
どうせレトルト食品やインスタント食品を大量に買い占めても、数日もすれば生鮮食料品を買い出しに出かけることになるのですから、無駄な買い占めはしないようにしたいものですね。
新型コロナウイルスが蔓延し始めたので政府が緊急事態宣言を出したこと、それを受けて地方自治体が外出自粛要請を出したこと。これはどちらも正しいことだと思います。ただ、出された宣言や要請を曲解して新型コロナウイルス蔓延の機会を作り出すことは、今回の宣言や自粛要請の本意では無いと考えます。
繰り返しますが、物流は正常に稼働しています。食料も正常に供給されています。慌てて買い占めることはせずに、様子を見て必要と考える分量を何の発生もない時期に調達しておきたいなと思います。
ちなみに、海外製のインスタントラーメン(タイや韓国)、ラビオリなど見慣れないパスタ、大盛りのレトルトカレーなどは残っていましたから、自分たちが理解できる長期保存できる食べ物ということで調達がされているみたいですね。
避難所には何がある?
「危険を感じたら非常用持ち出し袋を持って避難所または避難場所へ避難しろ」というのは、災害対策で出てくる基本的な部分の一つです。
避難場所は文字通り「避難するための場所」なので一時的に避難ができることが条件になっており、学校の校庭や公共施設の駐車場など、露天の場所が指定されていることも多いです。
では避難所はどうでしょうか。避難所は災害後に家が壊れたり何らかの事情で住めなくなった人が一時的に生活空間を作る場所であり、地域の支援物資の集積所であり、情報や人の集積所にもなっていますが、今回は「避難所で生活するとしたら?」を考えてみて欲しいということを取り上げてみたいと思います。
まず最初に、あなたはあなたが避難する避難所のことをどれくらい知っていますか。どのようなものが準備されていて、誰が運営して、どのような支援が受けられるのかを知っていますか。
この質問をして全てにきちんと答えられる状態であれば、可否はともかくその避難所のことを理解できていると言ってもいいでしょう。
一般的には、田舎の小さな集落ほど避難所として使える施設は日常の生活空間に近くなり、都会で人口の多いところに行けば行くほど過酷な避難環境になると考えて間違いありません。
田舎で避難所に指定されるのは、たいがい集会所や公民館で、こういったところは畳部屋や給湯施設がきちんと整備されていて、座布団や毛布などもあり、とりあえずはそのまま寝っ転がってもなんとか生活できる資材があることが多いです。
でも、例えば避難所が学校という場合には、支援物資は何一つ備蓄されて折らず場所貸し状態というところが結構ありますから、雨露をしのぐだけの場所と考えての準備が必要となりそうです。
つまり、避難すべき避難所の状態によって自分で準備すべき身の回りのものが変わってくるということです。座布団や毛布がある畳敷きの部屋なら、寝具関係はなくてもなんとかなりそうです。でも、タイル張りの床に座るスペースしか無いとうことであれば、敷物や断熱材を用意しておかないと床の冷えを拾ってしまったり、堅い床に寝ることで身体を痛めたりすることになります。つまり設備のある避難所に避難するのであればその部分の準備は簡単にしておけばよさそうですし、設備がない避難所であれば、自分の身を守るためのさまざまな装備も持っておかないといけないということが理解できると思います。避難所に電源がなければ自分でそれも確保しておかないといけませんし、食事や飲料水などは当然準備が必要です。
避難所の状態を確認して非常用持ち出し袋の準備を整えておくと、いざというときに困ることが少なくなると思います。
とりあえず、自分が避難しようと思っている避難所に一度歩いて移動してみて、避難所ができたらどんな状態になるのかについて確認をしておいてくださいね。
頭をどうやって守るのか
地震や大雨、洪水などで避難するとき、頭上からものが落ちてくることがありますので、頭の保護は重要な問題となります。
なぜ頭を保護しないといけないかということはご存じだとは思いますが、念のために確認しておくと、頭に衝撃を受けると怪我や昏倒、最悪は死んでしまいます。
手や足を怪我していても、頭がはっきりしていて判断力が残っていれば、災害で死ぬ可能性は低くなりますが、手や足が無事でも頭がやられてしまうと逃げることさえできなくなります。
では、どうやって頭を守ればいいのか。
定番ではありますが、ヘルメットや防災ずきんが考えられますし、普通の帽子でもある程度の破片なら防ぐことができます。とある訓練では本を頭の上に載せて避難していた人がいましたが、頭を守るという点から考えると、これもありだと思います。
一つ気をつけた方がいいことは、できるだけ頭に衝撃が伝わらないようにしておくということです。ヘルメットや防災ずきんはそのへんも考えて作られていますが、帽子などをかぶるときにはもしあれば、帽子の中にタオルやハンカチを入れて頭に直接衝撃を受けないようにしておく方が安全です。
同じ理由で、本を頭に載せるときには頭からは離して載せるようにしないといけません。買い物中では買い物かごをかぶるというような例が出されていますが、この場合も両手をかぶった買い物かごの開口部に添えて、買い物かごの底が頭に直接のしかからないようにしておくのがこつです。
移動中に落下してくる破片から首筋を守るために、首回りにもタオルなどをつけるようにするとよいでしょう。
防災ずきんやヘルメットは初めからいろいろと考えられて作られており、特にヘルメットは安全だと言えますが、避難時に水に飲まれてしまったときにはヘルメットに流水の水圧がかかり、あごひもがあなたの首を絞める凶器になってしまうことがありますのでご注意ください。
筆者自身は、頭を露出させなければいいと思っています。ですから、防災ずきんやヘルメット、帽子、もしなければタオルやハンカチ、厚手の雑誌などを頭に載せて避難すれば安全は確保しやすいのかなと思っています。
何かの折りに、自分の頭を保護するとしたらと考えて、周りの道具達をどのように使えるのか、考えてみると面白いと思います。
手を洗おう
衛生管理の基本は手洗いです。消毒ではなく手洗いです。石けんをつけて、流水でしっかりと洗うこと。衛生管理の第一歩はここから始まります。
被災地でさまざまな感染症が流行するのは、この手洗いをするための充分な水が手が入らないために発生するもので、アルコール消毒液を置いていても感染症を防ぐことができていないことから、流水による手洗いの効果のすごさがわかると思います。
さて、世の中は新型コロナウイルス対策ということなのか、手を洗うのに充分な水も石けんも確保できるというのにアルコール消毒液がなくなっているという不思議な現象が起きています。もしかしたら、手洗いの仕方がわからないのかもしれません。
今回は手洗いの仕方を教えてくれる動画をいくつかご紹介しますので、気に入ったものを確認してしっかりと手洗いをするようにしてくださいね。どの映像もやっていることは同じですが、この前提となる部分には、最初に水洗いで手の汚れをざっくりと落としておくことが必要となりますので注意してください。
繰り返しますが、アルコール消毒はしっかりとした手洗いができていることが前提で初めて役に立つものです。
アルコール消毒液も石けんでの手洗いと同じ段取りを踏まないとしっかりとした除菌はできません。石けんでの手洗いとの違いは、流水で汚れを落とした後、手をしっかりと乾燥させる必要があること。アルコール消毒は手が水で濡れていると効果がなくなってしまいます。乾燥させた手に、石けんと同じような段取りで消毒液をつけ、もう一度乾燥させて初めて衛生的な手になります。アルコールで濡れている状態では、殺菌ができていないことに注意してください。
本当は石けんの方が手早くきれいに洗えるはずなのですが、アルコール消毒の方が手軽で確実だと思われているのが現状です。石けんはどこに行ってもまだまだ売っていますから、アルコール消毒液がないからといって諦めず、しっかりと石けんで手洗いするようにしてくださいね。
情報を伝える方法
情報を伝える方法はいろいろとありますが、大きく分けると「文字」「音声・音」「写真や動画」「五感」にわけられると思います。
この中で一番冷静に内容を伝えることができるのは、おそらく「文字」になるでしょう。感情やリアルタイムさを感じるのは「音声・音」ですし、一目で状況を伝えられるのは「写真や動画」、そして自分の安全判断の基準としては「五感」が上げられると思います。
日々の情報はこれらの内容を組み合わせてあなたに伝えられ、そしてそれを元にあなたの行動が決められていくわけですが、伝えたい内容と伝える手段が間違っていると、あなたが何を伝えたいのかが相手に理解されないことが起きてしまいます。
災害発生時、避難行動をしないといけないときに自撮りをしても見た人があなたが伝えたいことを理解できるとは思えませんし、避難先でどのような状況にいるのかは、文字情報よりも写真の方が知りたい情報を見ることができて便利です。元気かどうかを確認するのなら声を聞かせるのが一番でしょうし、自分の安全確保は五感の情報を付け加えてやるとイメージがしやすくなります。
学校や施設など、人を預かっている場所で被災した場合には、第一報は文字情報、落ち着いてから写真や動画、音声情報という風にすると受け取る側の混乱を防ぐことができます。
災害時にラジオを使うのは、それがあなたの行動を止めずに情報を得られる道具だからですが、冷静に状況を判断するためでもあります。被災した映像や写真を見てしまうとその映像や写真に意識を取られてしまって自分の取るべき安全対策ができなくなってしまいます。また、あまりにひどい状況だと将来への希望や望みを最初から失ってしまうことにもなりかねません。
情報は複数の経路で伝えることが基本ですが、状況に応じて適した提供方法を採るようにしたいものです。また、どのような情報であれば受け取る側が判断しやすいのかについても、支援者や保護者とお互いに確認し合って、いざというときに備えるようにしてくださいね。
おうちで仮想避難所体験してみませんか
世の中は新型コロナウイルス騒動で外出自粛となっています。とはいえ、家の中ばかりで代わり映えのしない環境にいると息が詰まりそうになるのも確かです。
そこで、おうちで避難所ごっこをしてみませんか。ドーム型テントなどの自立式テントであれば部屋の中でも建てることが可能ですので、お部屋の中にテントを張って、仮想のおうち避難所を運営してみてはいかがでしょうか。
例えば、初級編は「おうちの中でテントを張ってそこで寝てみる」、中級編は「非常用持ち出し袋で生活をしてみる」、上級者編は「その部屋の中にあるものだけで生活してみる」といった具合で、家族で条件を決めて実際に試してみるのです。
家の中にテントがあるという非日常感と、安心して避難所体験ができるという面白さ、そして何よりも災害対策の経験を積むことができるということが上げられます。
家にいなくてはいけないというのですから、家の中でできることで楽しむのが正解です。
おうち避難所ができない場合でも、普段できない部屋の模様替えや耐震補強、防災地図や避難経路の作成といった、必要だけれど普段はできない災害対策の準備はいろいろとあります。
それらをしっかりと行って、いざというときに備えてみてはどうでしょうか。