今発生している新型コロナウイルスについての記事がなぜ少ないのかと聞かれることがあります。
確かに、ここまで広がると新型コロナウイルスも十分に災害だといえるとは思いますが、新型コロナウイルスが大規模に蔓延しているからといって、その間地震や津波、大雨と言った災害が起きなくなるわけではありませんから、当研究所は割と平常運転で災害対策に関するあれこれを発信しています。
災害は一度にひとつしか起きない、というわけではありません。例えば、新型コロナウイルスで医療機関がパンクしたその時に大きな地震が起きないとも限らないのです。
先の見えない新型コロナウイルスではありますが、他の災害対策に手を抜いていいわけではありませんし、善し悪しはありますが、マスメディアが騒ぎたてていろいろな情報を流している現在、わざわざ弱小規模のところまで情報提供を行う必要性もないと思っています。
当研究所のモットーは「命を守る、命を繋ぐ」です。その視点から新型コロナウイルスを見れば「とにかく出歩くな、家でじっとして嵐が過ぎるのを待て」ということに尽きます。
緊急事態宣言が出されて都市封鎖についてもいろいろと言われていますが、食料や消耗品はきちんと流通しており、ライフラインも生きている以上は命が危険にさらされる状態というのは考えにくいです。
漠然とした不安ではなく、自分にとって何が問題でそれはどうすれば解決するのかをしっかりと考えて整理してみてください。
人間というのは先が分からないと言うことを非常に不安に感じるもののようです。それに乗じてさまざまなデマや便乗商法に載せられてしまうことが多々あります。
新型コロナウイルスに限らず、あらゆる災害時には同じような問題が発生します。今回の新型コロナウイルスでの自分の対応をしっかりと記録し、次の災害が起きたときにどのような対応をすべきかを考えられるようにしておかなくてはいけないのではないかと思います。また、組織においてはBCPをきちんと手入れし、こういった場合に受ける被害を最低限にするための方法をしっかりと考えておくようにしてください。
投稿者: 所長@管理人
使い捨てマスクを洗濯してみた
いつまでたっても使い捨てマスクの供給がありません。生産量の不足や買い占めやらでまだまだ品薄は続きそうな気配です。
花粉症持ちが多い我が家では使い捨てマスクはそれなりに備蓄していましたが、さすがに品切れ3ヶ月ともなると在庫に不安が出てきます。
そこで、使い捨てマスクを洗濯して使ってみることにしました。
使い捨てマスクは不織布で、その材料はポリプロピレン。耳ひももポリウレタンなので洗っても大丈夫そうです。
絡んだりばらばらになってもいやなので、念のためネットに入れてお洗濯。
仕上がりは悪くなさそうで、干してみると、いい感じに再生できました。
薄手で耳紐が一体成形型はちょっと難しそうでしたが、プリーツタイプの使い捨てマスクは花粉症対策としては再生して使える感じです。
衛生上はよくないのでしょうが、花粉を受けた鼻水やくしゃみのことを考えればつけている方が安心なのは確かです。
何度も使い回すのは難しそうですが、一度二度なら洗濯してリサイクルできそうなので、花粉症用マスクに困っている方は、プリーツタイプの使い捨てマスクを洗濯して使ってみてください。
なお、この方法はN95やDS2などウイルスを通しにくい高性能のマスクでは使えないのでご注意ください。
なお、これはあくまでも花粉症の方向けのリサイクルです。新型コロナウイルス対策としては使い捨てマスクは使い捨てることが原則になると思いますので、念のため。
家具を固定しておこう
新型コロナウイルスばかりが毎日話に出てきますが、東海・東南海地震や首都直下型地震など、今後30年以内に起きるとされている大規模な地震が発生しなくなったわけではありません。
新型コロナウイルスの話が出る前には地震ネタばかりが世間を賑わせていましたが、新型コロナウイルスが流行して以来、ぱたっと止まってしまいました。現在の報道のあり方についてこれでいいのかしらと思うこともあります。
ともあれ、いくつかの都府県では緊急事態宣言がされたようですが、さまざまな理由で家にいないといけない状態なのであれば、重要度は高いけれど普段の生活には直接支障のない家具の固定作業をしてみてはどうでしょうか。
寝室については倒れたり落ちたりするものは置かないにこしたことはありませんが、さまざまな理由でなんらかの家具を置かないといけないこともあるでしょう。
対策としては、家具をしっかりと固定しておくことです。地震の時にそれらの家具が倒れてきてしまっては、そこからの脱出に貴重な時間を取られてしまうことになります。阪神淡路大震災では、多くの家が倒壊しましたが、倒れた家具の下敷きになり、その上家の下敷きになってしまって救助が間に合わなかったというケースがたくさんありました。
家の倒壊は耐震補強しか手がありませんが、家具の下敷きになるのは部屋から家具を追い出したり、しっかりと固定することで防ぐことが可能です。また、さまざまな部屋にある家具をしっかりと固定しておくことで、地震の際に自分の安全を確保することができます。
家から出られず、テレビ見ても気が滅入るだけですから、普段できないけれどやっておいたことがいいことのひとつ、家具の固定をしておいてくださいね。
なお、固定が難しい場合には背の低い家具や収納ボックスに変えるという方法もあります。自分の生活スタイルにあわせていろいろと検討してみてください。
七輪でいろいろ焼いて食べてみた
爆発的感染の一歩手前と言い続けられてはや一月。すでに飽きが来た感じの新型コロナウイルス騒動ですが、基本的には家にいろという指示は今も変わっていません。感染拡大を防ぐためには、とにかく人と接触しないように努力する必要があるからです。
ただ、元気者の我が家の3人の研究員達も行き場がなかなかなくてストレスを貯めているようだったので、かねてから気になっていた七輪を買ってきて庭でいろいろ焼いて食べてみることにしました。
最初の店では売り切れていたのですが、次の店で最後の1つを発見し買ってきました。一つ1,500円程度。高いのか安いのかはよくわかりません。
使う炭は竹炭を用意しました。昔においとり用に押し入れに入れていたやつの使い回しです。
種火をつける段ボール紙の上に竹炭をのせて、点火。竹炭が思ったよりも堅いようで火をつけるのに少し手こずりましたが、無事着火。
網をのせ、さっそく厚揚げを焼いてみます。10分くらいでいい感じに焦げ目がつきました。半分ずつ食べたのですが、お替わりの大合唱。味はいいようです。
次は焼きおにぎりと総菜のメンチカツ。メンチカツからは揚げたときの油が出てきて、いい感じにカリカリになってくれました。
調子に乗って野菜の天ぷらも載せてみたのですが、こちらはちょっと黒焦げ気味になりました。火力は強くないのですが、あまり相性はよくないようです。
焼きおにぎりが焼き上がるのを待てなかった研究員達はおにぎりをさっさと食べてしまい、すでにお腹いっぱい。焼き初めから30分。焼きおにぎりがいい感じにできあがりました。しょうゆをちょっとたらして食べてみましたが、ご機嫌で食べることができました。まだ火力があったので、食後のお茶を沸かそうとやかんを載せてみました。でも、さすがに沸騰する前に燃料切れを起こして終了となりました。
着火前の写真を見るとわかりますが、使った炭の量は100g程度で継ぎ足しはしていません。それでも一食をまかなえるくらいの火力は確保できましたから、個人的にはバーベキューコンロよりも効率がいいなと感じました。
今回買ったのは土製の古くからの七輪でしたので丁寧に使っていたのですが、気がついたらひびが入ってしまいました。取扱説明書にはよくあることとして書かれており、ひどくなったら新しい七輪を使うようにと書いてありました。このひびが広がるかどうかは取り扱いと言うよりも運に近いのかなと感じています。
燃焼スペースの関係で、使える燃料にはちょっと制限がありますが、少しの燃料でしっかりと調理できる七輪。値段も安いですから、一度使ってみたら面白いと思います。
情報を伝える方法
情報を伝える方法はいろいろとありますが、大きく分けると「文字」「音声・音」「写真や動画」「五感」にわけられると思います。
この中で一番冷静に内容を伝えることができるのは、おそらく「文字」になるでしょう。感情やリアルタイムさを感じるのは「音声・音」ですし、一目で状況を伝えられるのは「写真や動画」、そして自分の安全判断の基準としては「五感」が上げられると思います。
日々の情報はこれらの内容を組み合わせてあなたに伝えられ、そしてそれを元にあなたの行動が決められていくわけですが、伝えたい内容と伝える手段が間違っていると、あなたが何を伝えたいのかが相手に理解されないことが起きてしまいます。
災害発生時、避難行動をしないといけないときに自撮りをしても見た人があなたが伝えたいことを理解できるとは思えませんし、避難先でどのような状況にいるのかは、文字情報よりも写真の方が知りたい情報を見ることができて便利です。元気かどうかを確認するのなら声を聞かせるのが一番でしょうし、自分の安全確保は五感の情報を付け加えてやるとイメージがしやすくなります。
学校や施設など、人を預かっている場所で被災した場合には、第一報は文字情報、落ち着いてから写真や動画、音声情報という風にすると受け取る側の混乱を防ぐことができます。
災害時にラジオを使うのは、それがあなたの行動を止めずに情報を得られる道具だからですが、冷静に状況を判断するためでもあります。被災した映像や写真を見てしまうとその映像や写真に意識を取られてしまって自分の取るべき安全対策ができなくなってしまいます。また、あまりにひどい状況だと将来への希望や望みを最初から失ってしまうことにもなりかねません。
情報は複数の経路で伝えることが基本ですが、状況に応じて適した提供方法を採るようにしたいものです。また、どのような情報であれば受け取る側が判断しやすいのかについても、支援者や保護者とお互いに確認し合って、いざというときに備えるようにしてくださいね。
おうちで仮想避難所体験してみませんか
世の中は新型コロナウイルス騒動で外出自粛となっています。とはいえ、家の中ばかりで代わり映えのしない環境にいると息が詰まりそうになるのも確かです。
そこで、おうちで避難所ごっこをしてみませんか。ドーム型テントなどの自立式テントであれば部屋の中でも建てることが可能ですので、お部屋の中にテントを張って、仮想のおうち避難所を運営してみてはいかがでしょうか。
例えば、初級編は「おうちの中でテントを張ってそこで寝てみる」、中級編は「非常用持ち出し袋で生活をしてみる」、上級者編は「その部屋の中にあるものだけで生活してみる」といった具合で、家族で条件を決めて実際に試してみるのです。
家の中にテントがあるという非日常感と、安心して避難所体験ができるという面白さ、そして何よりも災害対策の経験を積むことができるということが上げられます。
家にいなくてはいけないというのですから、家の中でできることで楽しむのが正解です。
おうち避難所ができない場合でも、普段できない部屋の模様替えや耐震補強、防災地図や避難経路の作成といった、必要だけれど普段はできない災害対策の準備はいろいろとあります。
それらをしっかりと行って、いざというときに備えてみてはどうでしょうか。
ラジオを使えますか
災害時に情報を収集する手段として「ラジオ」がありますが、非常用持ち出し袋に入っているであろうポータブルラジオを使えますか。
また、地元のAMラジオやFMラジオの周波数を、あなたは知っていますか。
一口にラジオを使うといっても、使い方や放送している周波数を知らなければ単なる箱にしかなりません。準備してあるラジオがきちんと使えるように、そして故障がないかどうかを点検するためにも、月に一度程度は稼働させておきましょう。
特に災害対策用としてよく準備されている多機能型ラジオはいざというときにその機能を使いこなすためには、あらかじめ使い方を理解しておかないといけないと思います。せっかく準備しているラジオです。たまに使ってみて、使い方を覚えるようにしてくださいね。
ちなみに、最近ではスマートフォンで聞けるラジオアプリがあったりもしますが、こちらは普通のインターネット環境を使っているので、通信量が増えるとつながらない事態が発生します。また、イヤホンをアンテナ代わりにして受信できるFMラジオを装備したスマートフォンもあると聞きます。
自分の生活環境を考えて、使えるラジオを一台準備しておいてくださいね。
施設利用者の緊急連絡先を確認しておこう
4月に入りました。教育機関やスポーツクラブ、介護施設などさまざまな施設の利用者がいろいろと入れ替わる時期でもありますが、利用者の緊急連絡先についてきちんと確認が取れていますか。
通常、申込書などの緊急連絡先を記入する場合には、電話番号を一つという場合が殆どなのですが、災害対策で考えるのであれば二つ以上、できれば第3順位までの緊急連絡先を確認しておいた方が確実です。また、緊急連絡先は電話連絡先だけでなく、メールなど連絡手段も複数確保しておくことが必要です。
一般的にはメールやSNSということになるのだと思いますが、これらの手段を利用者から全て記入した上で提出してもらっておきましょう。気をつけないといけないのは、緊急連絡先なのですから常に連絡がつかないものは駄目だということです。例えば仕事中は携帯電話を離しているということであれば、その携帯番号は緊急連絡先にはなり得ませんので、そのことを意識して記入してもらうようにしましょう。
また、緊急連絡先を教えてもらうのにあわせて、施設から緊急連絡先にかけるであろう電話番号もお知らせするようにしてください。緊急時にはどの番号から電話するかわかりません。もしも代表番号しか書いていなかったら、他の番号から電話をかけた場合にはくん急連絡先になっている人が不審電話と思って電話に出てくれないことも想定されます。
ところで、災害発生後の施設の状況を知らせるのはメーリングリストやSNSが最適です。全員に知っておいて欲しいことをそれらで流すようにしておくと、電話対応に忙殺される可能性は低くなります。
施設は利用者の安全を確保する義務が存在します。ただ、災害発生後、永続的に利用者を預かり続けることが難しいことも確かですから、相互に混乱しないような連絡体制作りをきちんと行っておきましょう。
引っ越し後には避難所と避難経路の確認を忘れずに
新年度になりました。巷では新型コロナウイルスであれこれと騒ぎになっていますが、それでも4月には引っ越しして新しい生活を送る人がたくさんいらっしゃいます。
引っ越し後に是非確認しておいて欲しいことは、自分の住んでいる場所のハザードマップの確認と、避難所、避難経路のチェックです。
引っ越したばかりは右も左もよくわからないという場合が殆どです。自分の住んでいる場所や普段いる職場や学校がどのような災害に弱いのか、避難するならどこか、どういうコースで避難すれば一番安全かなどを早く確認しておくことで、いざというときに慌てずに行動することができます。
災害発生時に一番怖いのは、自分のいる場所や周囲の状況、逃げる場所がわからないことです。
もしあなたが引っ越しをしたのであれば、できるだけ早くハザードマップを入手して、今いる場所の災害の危険度と避難場所、避難経路について確認をしておいてください。
新生活の最初は災害対策から。面倒くさいと思うかもしれませんが、命を守るために必要なことだと割り切って備えてくださいね。
救急箱の中身、使いこなせますか
救急箱。非常用持ち出し袋や備蓄品を準備するときに必ず登場するアイテムです。ただ、救急箱の中身をどのように作り、それをどう使うのかをマスターしている方はどれくらいいるでしょうか。
個人で持てる一般的な救急用品というのは、大きく分けると外傷用と内服用とにわかれます。
外傷用は絆創膏やガーゼ、包帯、三角巾といったもの、内服用は胃薬、風邪薬、整腸剤などといったもので、これをバランスよく収めているのが家庭用の救急箱です。家庭用配置薬などは内服用に偏っているような気もしますが、普段ならそれでさほど困ることはありません。
さて、では災害対策用にはどのような救急箱を作っておいたらいいのでしょうか。ものすごくおおざっぱに書けば、非常用持ち出し袋は主に外傷用、備蓄品は内服用を準備しておけばいいと思います。持病のある方は、それに対する薬をどちらの救急箱にも入れておいたほうがいいでしょう。
ただ、ここで問題となるのが持っている救急箱の中身を使いこなせるかということです。例えば、止血や包帯の巻き方をきちんと覚えていない状態でそれらが非常用持ち出し袋の救急箱に入っていてもあまり役にたちません。
言い換えれば、救急箱の中身は自分が使いかたをわかっているものでなければいけないということです。
せっかく準備する救急箱なのですから、それを使いこなせるようになっておくと、いざというときに自分も人も助けることができます。
せめて一年に一度は救急箱の中身を使う練習をしてみてください。そのときに使用期限も確認し、期限切れが起きないように気をつけるようにしてください。