効率化を求めると、基本的に巨大化・集中化するようですが、こと災害対策で考えると、ある程度以上の効率化や集中化は避けたほうが安全ではないでしょうか。
例えば、2018年9月6日に起きた北海道胆振東部地震では、効率化による大型火力発電所が停電したことをきっかけとして電力供給力が下がってしまい、ブラックアウトが発生しました。もし火力発電所の規模が中小規模で複数個所に点在していれば、ひょっとしたら防げた事故かもしれません。
また、極端に権限を集中化させることにより、その権限を持っているところが失われてしまうと一切の対応ができなくなってしまいます。
市町村合併を進めた結果、かなり広域な範囲を一つの市町村が管轄することになりましたが、例えば市庁舎が災害で被災すると、被災した市の災害対応は完全に停止してしまいます。
分散化していればしているほど、災害時に受けるダメージを軽くすることはできるのですが、分散化すれば、当然維持するのに必要となるいろいろな経費は増えますので、分散化させればいいというものでもないと思います。
効率化を求めながら災害時にも強い体制を作ることは、さまざまな分野で大切な問題だと思うのですが、現状では極端な効率化か極端な分散化かという二極論になりがちです。効率化と分散化のバランスを取りながら、いざというときにもできる限り受けるダメージを減らし、すぐに復旧にかかるための手順書がBCPです。
効率化を求めるのであれば、いざというときに備えたもっとも悲惨な状況での想定で作られたBCPを基にして行うことが、これからの世の中には必要になってくるのではないかと思っています。