当研究所では「災害対策」「自然体験」「有害生物対策」の3本柱で事業を行っていますが、いまいちこの関係性がわからないといわれることがあります。
これらの共通点は「実際にやってみないと効果が出てこない」というもので、成功するかしないかはとりあえず置いておいて、実際に動いてやってみることで状況が動いていくというものです。
また、いずれも自然と人間との関係から発生してくる問題でもあります。
災害とは、自然現象のうち人の生活に悪影響を与えるものですから、まずは身の回りの自然がどうなっていて何に対策をしなければならないのかを知る必要があります。
その周囲の自然を知ると、災害対策や有害生物対策をどのようにしていけばいいかが見えてきます。
自然体験は、今人と距離の空いている自然について、いいところも悪いところも知ることができます。災害対策と有害生物対策の入り口にあるのが自然体験だと考えてもいいと思います。
当研究所が特にえり好みしているわけではないのですが、自主開催するイベントのほとんどは子供向けです。
これは子供のうちに自然を知り、見方を覚えて、そのうえで災害対策や有害生物対策の方法を考えられるようになってほしいと考えているからです。
幸い、参加してくれる子供たちは楽しんでくれているようで、毎回笑顔で帰ってくれます。おうちに帰ってから、自分が体験したさまざまな内容を家の人に話し、そして家の人が子供にいわれて災害対策を始めてくれるというメリットもあります。
また、遊びながら自然や災害対策を知り、危ない場所や危ない行為を体でも覚えてもらうことで、いつかその時に出くわしたとき、考える前に体が動いてほしいとも思っています。
体験や経験、本当は親や祖父母、近所の人や先輩などから教わったほうがよりリアルになるのですが、残念ながら、現在はそういう人たちも体験や経験が不足しています。
そのため、当研究所を含めたさまざまなNPOや団体が体験や経験の積める活動を提供して、少しでも次世代にしっかりと伝えてほしいと頑張っているのではないかと思っています。
災害対策というとどうしても座学のイメージがありますが、体を動かしたり、実際に体験しながら考えることで、座学よりもたくさんのものを身に着けることができます。
子供たちに限りません。親でもその上の世代でも、体験や経験したことは必ず生きてきます。
いろいろな場所でさまざまな体験や経験をできる場が増えてきていますので、億劫がらずに体験や経験を積んでほしいなと思っています。