感染症の感染者数を考えてみる

 新型コロナウイルス感染症のオミクロン株が急速拡大しているようです。
 ようです、と書いたのは、普通の風邪も流行っているのと、PMや花粉が原因のアレルギー症も始まっていてどれがどれだかわからない状態になっているため。
 早めの終息を祈るところですが、新型コロナウイルス感染症では人流抑制、つまり人の移動を制限して感染を抑え込もうというのが基本的な対策になっています。
 では、もし制限しなければどうなるのかを極めて大雑把に考えてみました。
 計算方法は倍々ゲーム。一人の人が一日に一人、感染させると計算しています。
 初日は1人が一人に感染させたので、感染者は2人になります。2日目は4人。3日目は8人。
 1週間、7日目では128名となります。たいしたことないなと感じますが、ここからが問題になります。
 8日目は256名、9日目は512名、10日目で1,048名。15日目で33,536名で20日目に1,073,152となり、100万人を超えます。
 28日目には274,726,912名となって、日本の人口を超えてしまいます。
 実際にはこんなことにはなりませんが、最初の一人が一か月も経たないうちに2億人を超えるというのですから考えたら怖い話です。
 では、人流抑制をするとどうなるのか。
 当たり前のことですが、感染している人をそこから動かさずに人との接触を絶たせてしまえば、基本的に感染させることはありません。
 ロックダウンといわれる都市封鎖などは、それを狙って行われているわけですが、実際には物流も止めない限りは完全な隔離はむつかしいでしょう。
 また、ロックダウンを行うと同時に、感染していない地域では、感染が始まる前に、ウイルスが入ってきても大丈夫なような予防対策を徹底しておく必要があります。
 この二つができて、初めて感染症の抑え込みが可能になるわけです。
 ちなみに、日本の感染症対策では感染源を特定してそこから発生している可能性のある人を追跡し、感染者を抑え込むという方法をとっています。
 感染者数が少なくて保健所などの行政機関が対象者を追い切れ、感染した可能性のある人すべての協力が得られる状態であれば、これは極めて有効な手なのですが、現在のオミクロン株の場合、これだけ蔓延してしまうとどこで感染したのかは正直に言ってわからないと思います。
 感染を防ごうと思ったら、当たり前ですが自分で自分の身を守るしかありません。
 具体的には、ウイルスを体内に入れないようにすること。
 不要不急の人との接触はさける、マスクは常時着用し、もし外出したなら帰宅後にはマスクを交換する、流水を使ったしっかりとした手洗い。
 自分の衛生環境のレベルを上げることで感染するリスクを下げること。
 どれだけ努力してもリスクを0にすることはできませんが、できる範囲のことはやっておくことで、あなたと周りの人の感染リスクを下げることができます。
 倍々ゲームにならないように気を付けたいものですね。