多目的ってなんだろう

 最近あちこちで目にする「多目的」な設備。
 有名なところでは「多目的トイレ」があります。
 本来は障害のある方も障害のない方も、男性も女性も誰でも使えるトイレという意味なのですが、多目的の意味をはき違えている人もいていろいろと困ったことが起きたりもしています。
 それはともかく、災害が起きて避難所が設置されると、やたらと多目的を主張する設備が増えてくるのが困りものです。
 食堂兼交流スペースくらいなら全然問題ないのですが、よくあるのが、授乳室とおむつ交換室、それに更衣室が兼ねられているもの。
 時間がかかるものがセットにされていると、いつでも何かで使用中になって、他の目的で使いたい人が困ることになってしまいます。
 優先順位をつけるといっても、授乳とおむつ交換と着替えの優先順位をどうやってつければいいのか、また、優先する事態で待っている場合には入っている人を追い出すのかなど、多目的であるか故の問題が発生するのです。

パーテーションで仕切ってでも単独機能の方が使いやすい

 利用目的のはっきりしているものや利用者が多いものは多目的にするべきではありません。
 目的ごとに部屋を仕切って、その目的のみに利用すること。
 そうすることで、同じ目的の利用者が複数同時に使えたり、違う目的の人から文句が出たりすることもありません。
 多目的で問題ないのはトイレだけ。
 避難所の設計時にこのことを頭の中においておくとよいと思います。