災害の定義を確認したところで、「防災ってなんだろう」ということを考えてみたいと思います。
災害の定義は
「発生した自然事象+人が受けた被害」
でした。
そうすると、防災は自然現象を起こさない対策と人が被害を受けない対策をすることになります。
1.自然現象を起こさない対策
最初にお断りしておきますが、自然現象を起こさない対策も人が被害を受けない対策も、どちらも完璧にすることは困難です。
例えば行政が行うハード面での防災対策は、起きうるであろう一定の条件が定められていて、それを防ぐための対策を行うという方法を取っています。
具体的に言えば、10年に一度、あるいは30年に一度、50年、100年といった期間の中で過去もっともひどかった例を基本にして設定がされます。
そのため、昨今のように極所に短時間で集中豪雨が起きたり、超巨大な台風が来たりすると「想定外」という言葉が出てきます。
つまり想定外、言い換えると想定を超える事象が発生した場合には、想定を超える部分で被害が発生することになるわけです。
最近は地球温暖化で雨や台風の被害が増加しているという話もありますが、地球温暖化対策を行うことも、この自然現象を起こさない対策に含まれることになります。
2.人が被害を受けない対策
人が被害を受けない対策は、防災から見る優先順位としては「人の命を守る」ことが最優先で考えられるべき内容です、
ただ、人の命を守ることが最優先だからといって、人の日々の生活を犠牲にしてまで命を守るという話になってくると、物理的に命は守れても経済的に死んでしまうということにもなりかねません。
それでは意味がないので、被害を与えそうな自然事象が発生したときに命を守るための方法を準備しておくというのがここの目的になってきます。
例えば、地震に備える視点で見ると、究極的に考えると日本から脱出して地殻の安定してほぼ地震の起きない北ヨーロッパやユーラシアなどに移住すれば考えなくてよくなりますが、多くの人はそんな選択肢はとれないと思います。
では、地震が起きたら何が起きて命が危険にさらされるのかを考えてみます。
地震の場合、地震の揺れで死ぬ人は殆どいないです。地震の結果、壊れた建物や家具などの重量物の下敷きになって圧死するか、または倒壊した建物に何かの火が引火して発生する火災による焼死か、はたまた地震で発生する津波や地滑りに巻き込まれるかといった地震によって引き起こされたものによって死んでしまうわけです。
そうすると、地震が起きたときにそれらに対抗する方法を考えて準備しておけばいいことになります。
例えば、建物の耐震化や居住空間の耐震化、感震ブレーカーを始めとする感震装置付きの各種器具を使うこと、津波を凌げる高台や避難ビルへの避難路の確保、地滑り対象地域からの生活空間の移転といった準備を行うことになるでしょう。
こうしてみていただくとわかると思いますが、防災には行政等がすべきことと自分でやらないと誰もやってくれないことがあることがわかると思います。
あなたが被害を受けないようにするためには、あなたが自分のために災害に備える準備をしていく必要がありますが、あなたは何から備えますか。