災害後に水道が止まると、近くの給水ポイントまで水をもらいにいくことになります。別に鍋ややかんでもらいにいってもいいのですが、水を補給してもらうには少々効率が悪いことは事実です。そんな時に備えてさまざまな給水袋が売られていますが、この給水袋を買うときに少しだけ意識して欲しい点があります。
今回はそのことについて考えてみたいと思います。
1.持ち運べる大きさの給水袋を知る
断水しているとき、特に自宅避難をしている場合にはできる限りたくさんの水があると助かります。
そのため、自宅避難を考えている人の中には給水袋では無く、18リットルや20リットルのポリタンクを準備している方がおられます。
給水袋に比べて大きなポリタンクは一度の給水で必要な水の量が確保できるので非常に助かる存在ですが、ポリタンクを準備している方は、事前に一度最寄りの避難所から自宅まで、ポリタンクを満水にして運んでみることをお勧めします。
水というのは重たいもので、1リットルあたり1kgの重さがあります。18リットルのポリタンクなら18kg、20リットルのポリタンクなら20kgです。
小さな街であれば給水車が地区を巡回して家の前まで来てくれることもありますが、そうでなければ最寄りの避難所まで水を取りに行く必要があります。
そのとき、避難所から18kgや20kgの水を抱えて家までたどり着けるかどうか。自分の持てる重さを確認してその部分に目印をつけておくと、給水時に重さの目安になって水を無駄にしなくて済みます。
また、輸送用のキャリーを一緒に準備しておくと、ある程度は楽ができますから、ポリタンクを調達するときに考えてみてもいいと思います。
2.給水袋の持ち手に気をつける
給水袋は百円均一ショップなどでも売られており、それを備えている人もおられると思います。
手で持つタイプの給水袋の場合、持ち手の形状に気をつけてください。
袋の持ち手の部分が厚く加工されていればいいのですが、そうでない場合にはあまり重さをかけると指に食い込んで痛い思いをします。
また、そこから袋が裂けてしまったり破れることがありますから、給水袋を買う際には持ち手の強度に気をつけてください。
3.水の出し入れ部分を確認しておく
給水袋を買うときには、なるべく給水口の大きなものを選ぶようにしてください。
給水車の吐水口はいろいろなサイズがあるので、ここが小さいと給水時に水をこぼしてしまいます。
そして、輸送中はこぼれないように口を閉じることができること。
使うときにはしっかりと口が開いて水がこぼれないようなものを選ぶと安心です。
4.給水袋から水を移せるものを考えておく
給水袋はあくまでも水を運ぶためのもので、水を保管するための道具ではありません。水を保管しようにも多くの給水袋ではマチが取られていないので床に置くと水がこぼれてしまいますし、どこかへ吊っておこうとすると重さに耐えられずに破れる袋が多いです。
そのため、持って帰った水を保管する容器を考えておかないといけません。
やかんやお茶用ポット、ペットボトルなど、給水袋から水を安全に移せてこぼれないようになっているものを考えておきましょう。
思いつかなければ、ポリ袋を入れた段ボール箱やバケツでもいいかもしれません。
5.自分の一日の所要量を知る
給水袋は1リットルから5リットル程度のものが多いですが、自分の必要量がわかっていないと足りなかったり余ってしまうことになります。
国の指針では一人一日2~3リットルとされているようですが、飲料水の必要量は人によって異なりますので、余裕のあるときに確認しておくと安心です。
給水車の水は無限ではありません。被災していない浄水施設で水を積み込んで持ってきてくれるわけですから、可能な限り効率的に使えるように考えておかないといけません。
そういう意味では、空いたペットボトルでは水がこぼれてしまって給水タンクの周りが水びたしといったことにもなりかねませんから、空きペットボトルだけでなく、給水袋を用意するようにしましょう。
前段のポリタンクでは、家で給水に使うための蛇口を用意しておくと水を無駄にしなくて済みます。
普段意識していない水ですが、もしなくなったらどのように確保するのか、そしてどうやって運ぶのかについて、非常用持ち出し袋を作るときにはちょっとだけ意識してみてくださいね。