益田市美都町都茂の大神楽地区。急な傾斜に棚田が作られており、益田の観光名所の一つとして紹介されているようなきれいな場所ですが、その袂に「農魂之碑」と書かれた碑が置かれています。
農地開拓地か、ほ場整備完了の地にはよく置かれるタイプの碑なのですが、調べてみるとこれは災害がきっかけとなってできた碑でした。
昭和47年の大雨で、この大神楽地区の棚田は地すべりを起こし、耕作が危ぶまれる状態になったそうです。
その後、地すべり対策とほ場整備を同時に行うことで、大神楽の棚田は立派によみがえり、その地すべり対策事業とほ場整備事業が終わったことを祝して建てられたのがこの「農魂之碑」だそうです。
完成した頃の写真ではこの農魂碑の向こう側に整備された棚田が見えていたのですが、現在は竹林が生い茂って見えなくなっています。
ただ、大がかりな農地整備をしてまでここを農地として再生させたかった当時の人達の思いを、この碑を見ていると感じます。