地震が起きたらまずどうするか

 以前は「地震だ、火を消せ!」というのが合い言葉になっていました。
 震源から距離があって揺れるまでに余裕がある場合にはいいのですが、直下型地震の場合には緊急地震速報よりも早く揺れ始めるため、火を消していると身の安全が確保できない事態が発生します。
 幸い、日常的に使っている家庭用のガスではガスボンベに直結して火を使っているので無い限り、制御用のマイコンメーターが揺れを感じたら自動的にガスの共有を止めてくれますから、ガスによる出火はあまり考えなくてよくなりました。

LPガスのマイコンメーター。ある程度の揺れを感じると自動的にガスの供給を止めてくれる。都市ガスも同様の装置がついている。

 電気コンロの場合はそもそも燃えるべきものがないですし、これも揺れを感じたら自動的に給電が止まるので心配はいりません。
 もちろん裸火を使っている場合には消す必要があるでしょうが、これも周辺に燃えるものを置いていなければすぐに類焼することはないでしょうから、普段からの意識付けでなんとかなると思います。
 そして、火が燃え移る危険がないことを前提にしてまずは身の安全を第一に考えましょう。
 揚げ物などで油を使っている場合には、なるべくその場所から離れて油を被らないようにすること。また、落下物や倒れてくる物で怪我をしないこと.特に台所は家の中でもいろいろなものがたくさんある場所ですので、落下や家具の転倒が起きないように固定を意識しておいた方がいいでしょう。
 そして、万が一の出火に備えて消火器も準備しておきます。最近は家庭内に置いてもさほど違和感のないおしゃれなデザインのものも増えていますし、大きな火は消せなくても、初期消火には使えるコンパクトな消火器も出ています。

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 そういったものを準備しておくと、自宅だけで無く周囲の家が出火したときにも初期消火活動を行うことができ、自分の財産を失うことを防ぐことができるかもしれません。
 また、地震時に自動的に電気のブレーカーを落とす装置をつけておくと、緊急避難の時にブレーカーの切り忘れを気にしなくて済むのでお勧めです。

簡易型の感震ブレーカー。構造は簡単。取り付けも簡単。最近のブレーカーの中には、初めから感震装置が組み込まれている物もある。

 やるべきことをできる限り自動化できれば、あなたの身の安全を守り、また財産を守ることがやりやすくなります。
「まずは身を守ること」
 特に地震のときにはこのことが大切です。そのために、平時からしっかりと準備しておきたいですね。