今年もあちこちで大雨による水害が発生しています。今までと異なるのは、今年は新型コロナウイルスの流行で人的支援の受け入れがかなり困難になっていること。
災害派遣で被災地に入った行政の派遣する支援チームからでさえ新型コロナウイルスの陽性者が出てしまったのですから、一般の支援ボランティアの受け入れに躊躇することは確かです。
ものとお金はそれまでとさほど変わらず支援が入ってきているみたいなのですが、それを使う人がいないという状態です。
熊本県などでは県内に限定して災害支援ボランティアを受け入れていますが、いつもは他県から支援が受けられるボランティアセンターの運営要員が足りないのと、ボランティアセンターが密になるのを避けるため、一度に動員できる数はかなり規制されている状態です。
地元にいる人達で何とかやっていくしかないのですが、高齢化が進んでいる地域では重量物の搬出さえできないような有様で、復旧がなかなか進まないという現実があります。
そうすると、何をどこまでやるのかそして支援に入ることのできる少数のボランティアに何を優先して頼むべきなのかをあらかじめしっかりと決めておかないと、せっかく支援に来てくれたのに全て中途半端で支援が終了するようなことになってしまいます。
そういったことの調整をするのが自主防災組織であり自治会なのですが、これがきちんと機能しているかどうかで復旧の速度も変わってきます。
ものや金の支援は行政でもできますが、被災地の復旧の優先順位は行政ではうまく決められません。そのため、自主防災組織や自治会が地元の被災者の間を上手に調整して支援を送り込む仕事をしなければいけません。
それがうまくいっているところは復旧が早いですし、そうでなければい被災者全員が平等に恩恵を受けられるようになるまで一切手がつけられないことになります。
負担金や会費を取って飲み食いするだけが自治会ではありません。定型的な訓練ばかりしているのが自主防災組織なのではありません。
いざというときの地域の利害関係を調整できるような機能をしっかりと持たせて、自主防災組織や自治会の構成員でよかったと思ってもらえるような内容にしていきたいですね。