災害からの復旧・復興で必要不可欠な存在になっているのが各種ボランティアの存在です。
災害からの復旧復興を助けたいという思いで多くの人がボランティアセンターに押し寄せ、助けて欲しいという希望を出している被災者のところへ派遣されて依頼された業務を行うわけですが、被災者と支援者を結びつけるマッチングがうまくいっていない、または被災者と支援者の要求がうまく満たされていないと感じることがあります。
助けて欲しい人の希望というのは多岐にわたりますからその全部を満たすことはかなり難しいと思いますが、助けて欲しい人の希望をうまく取りまとめて支援してくれるボランティアにつなげることがうまくいっていないのではないか。
ボランティアというと真っ先に出てくるのが社会福祉協議会が開設する災害ボランティアセンターですが、ここで受けることができる業務は仕事や事業などの営利ではない、非営利の家庭への支援に限定されています。
実際に店舗の片付けや農地で被災した収穫物の撤去などはかなり人手がいるにもかかわらず、営利関係ということで、ボランティアセンターからボランティアが派遣されていません。
ですが、支援を受けたい人から見ると、家のことは何とか自分でするけれども仕事に関する部分の片付けはとても家族でできるものではないからそこを手伝って欲しいというミスマッチが発生します。
特に農地ではこの傾向が顕著で、高齢の方がやっている田畑の復旧には人手が必要なのですが、仕事や事業に関することのために支援が受けられないという事態になり、やむを得ず廃業したり放置されたりという事態になっています。
ボランティアセンターは社会福祉協議会が運営する都合上、営利関係に手が出せないというのはわかるのですが、それではそういった方はどこにたいして支援要請をすればいいのでしょうか。
地方自治体が窓口となってそういった営利関係の片付けができるようなボランティアの受け入れを行えばいいのか。あるいは商工会議所や農業協同組合などが主体となってそういったボランティアの受付を行えばいいのか。
いろいろな手はあると思いますが、現状ではどこも積極的に動いている様子はなく、社会福祉協議会に丸投げという状態になっており、社会福祉協議会も判断に苦労しているようなお話も伺うことがあります。
最近ではさまざまなボランティア団体が専門的な支援に入ることも増えていますが、普通の人でもできる営利をもたらす部分の後片付けについて、社会福祉協議会以外の窓口設置についても、一度整理した方がいいのではないかなと考えています。