胆振東部地震で安全だ危険だと物議を醸した乳児用液体ミルクですが、このほど江崎グリコさんから国産品の販売がされることになったそうです。
先日、その説明を聞いてきましたので分かった範囲のことをお知らせしたいと思います。
その前に、「液体ミルクってなんだ」という方のために少しだけ説明をします。
乳幼児用の食事として母乳がありますが、なんらかの理由で母乳が使えない場合や量が不足しているような場合、粉ミルクを使うことになります。
この粉ミルク、作ったことがある方ならよくおわかりと思いますが、とにかく手間。乳児でも生まれてしばらくの間は頻繁にお乳をほしがります。24時間、朝夜関係なく。
母乳であれば寝ぼけたままでもあげることができますが、粉ミルクは衛生上作り置きができないので、必要とされるたびに作る必要があります。
お湯を沸かし、粉を入れ、冷まして飲ませる。書くだけなら大したことない作業ですが、これが毎日毎回となると親も消耗します。
私自身も寝ぼけてお湯をひっくり返してやけどしそうになったり、分量を間違えたまま子どもにあげて子どもが飲めずに口からだらーっとしたようなこともありましたが、液体ミルクであれば、パッケージを開けてそのままほ乳瓶に注ぐだけなので、寝ぼけていてもなんとかなりそうです。
また、災害時には粉ミルクを作る衛生環境を維持することがかなり困難ですので、その点でも優れていると思います。
今回江崎グリコさんが作って販売しようとしている液体ミルクは、江崎グリコさんが作っている粉ミルク「アイクレオ」の液体版になるようです。
遮光性、衛生面に優れた6層のパッケージで作られた紙容器は125ml入っていて、消費期限は半年だそうです。
取り扱いは、主に乳幼児品を専門に扱う西松屋さんや赤ちゃん本舗さんなどになるとのこと。売価は1本200円くらいというお話でした。
販売開始時期ですが、早ければ3月半ば、できれば4月中には販売を開始したいとのこと。
試飲もさせてもらいましたが、味はそのまま粉ミルクのアイクレオでしたので、普段アイクレオを使っている子どもさんなら違和感なく飲めると思います。
担当の方が「母乳が一番いいのはわかってるんだけど、さまざまな事情で出ないときに活用して欲しい」とこれを作った目的をお話されていたのが印象的でした。
ただ、災害用と考えると、海外製品にあるような飲み口だけ取り付ければそのまま飲ませられるようなものも必要なのかなとも感じました。
使い捨てのほ乳瓶も一緒に展示されていましたので、ひょっとしたらセット商品も出てくるのかもしれません。
他には明治さんがスチール缶製の液体ミルクの承認を取っているそうなので、そちらもひょっとしたらそのうち登場してくるかもしれません。
議論がいろいろあるのは承知していますが、災害時に困るのは乳幼児とその保護者です。道具でなんとかなるなら、それに越したことはありません。これからもさまざまな選択肢が増えるとよいなと思います。
※2019年3月6日追記:2019年3月5日からグリコダイレクトで通信販売が開始されました。3月11日からはドラッグストアや赤ちゃん用品店などでも順次取り扱いが始まるそうです。