お湯の確保について考える

 災害が発生すると、ライフラインの復旧までは自力でなんとかしないといけません。
 ですが、冷たい非常食が続くとそれだけで気力が無くなっていきます。
 寒い中や、緊張しているに温かい飲み物を飲むだけで、元気になったり安心したり。
 温かい食べ物や飲み物が気力に与える効果を考えると、どれくらい早く温かい食事にありつけるかというのは、結構重要な問題だと感じます。
 今回は温かい食事や飲み物を作るのに使うお湯について考えてみたいと思います。

1.お湯をどう確保するか

災害が発生し、状況が見えない中でも腹は減ります。
特に乳児はミルクを飲ませないわけにはいきませんが、乳児用ミルクを冷たいまま飲ませるとお腹を壊してしまう可能性があります。
また、ほ乳瓶の消毒にもお湯が必要です。
お湯を沸かすためには、次のものが必要です
(1)水
(2)水を入れる容器
(3)水を温めるための道具
もしも非常持出用防災セットの中に鍋と携帯コンロが入っているのであれば、簡単にお湯を作ることができます。
また、発熱・加熱剤を持っていれば、やはりお湯を作るのは難しくありません。
ただ、持って出られない場合もありますし、コンロがあっても「燃料がない」ということもありえます。
その場合にはどうしましょうか。
もし何らかの熱源があれば、それを借りてお湯を作ることにします。
例えばたき火、ストーブといった暖房器具なら簡単にお湯が作れます。
ローソクや油、純度の高いアルコールとマッチやライターがあるなら、空き缶を使ってコンロを作りお湯を沸かすことが可能です。
油やアルコールを使った手作りコンロについては、インターネットのさまざまなところに作例がありますので、見てみてください。
また、そのうちに当研究所でも研究してみようと思っています。

2.お湯をどう保温するか

沸かしたお湯はそのままにしておくとあっという間に冷めてしまいます。
保温用ポットがあればよいのですが、そうでない場合にはどうするか。
クーラーボックスがあれば、その中に容器毎納めることである程度の保温が可能です。
その時には、食べたいレトルト食品や缶詰なども一緒に入れておくと、次の食事の時にある程度温かいものにありつけます。
また、空のペットボトルに入れてタオルを巻くことで即席の湯たんぽを作ることが出来ます。
これで人を温めると、どちらも温度が維持できて一石二鳥です。
このとき使うペットボトルは「ホット専用」「ホットコールド両用」と書かれたものを使うようにしてください。
表示がない場合には、肉厚のものであれば利用可能です。簡単にくしゃくしゃにできるようなものは熱に耐えられず、変形したりして事故が起きますのでご注意ください。
せっかく作ったお湯なので、できるかぎり無駄遣いしないようにしましょう。

3.保管はなるべく水に近いもので

お湯を作ると、すぐにお茶にしたがる人がいます。
やかんなどでお湯を沸かした後そのまま茶葉を放り込むと一度に大量に作れるため便利なのですが、一度お茶にしてしまうと他のものへの転用が効きません。
お湯であれば、乳児用ミルクやインスタントラーメン、スープにも使えますし、冷めてもただの水に戻るだけなので、お茶を作るときには面倒でもその都度容器を変えて入れるようにしましょう。
余談ですが、粉末タイプのお茶であれば必要な量を必要なだけ使うことが可能な上ゴミも出ないのでお勧めです。