食べたいものは季節で変わる

夏場になるとのどごしのよいものが食べたくなったりします。茹でる仕掛けがあれば、乾麺でも大丈夫。

 梅雨に入りました。どれくらいの雨が降るのかわかりませんが、大きな災害が起きなければいいなと思っています。
 水に関する災害の場合には、災害発生の可能性から災害発生までの間はそれなりに時間があります。 早めに避難したほうがいいのは確かなのですが、それまでの経験則や状況分析から、どこかへ避難すべきなのか、自宅で待機しているのがいいのか、なかなか判断が難しいところもあるかもしれません。
 さて、自宅待機にしても避難先に移動するにしても、どこにいるにしても食べ物は必要です。
 非常用持ち出し袋や備蓄品ではいろいろな準備をしていることではないかと思いますが、できれば食料にも季節感があるといいかもしれません。
 防災の講演会では身体を冷やさない、温かいものを食べる、といったことをかなりやかましく言いますが、そうはいっても、夏場だと涼しいものも食べたくなるでしょうし、アイスクリームなどの冷たいものもほしくなるでしょう。
 食べたい食べ物は季節によって変わってきますので、非常用持ち出し袋の中身も、できればそれにあわせて変えていくといいと思います。
 非常食なので季節感を取り入れるのは難しいかもしれませんが、非常用持ち出し袋や備蓄品を準備するときには、自分がこの時期に食べたいものや食べるものをある程度準備しておくと、気分的にも落ち着くのではないかと思います。
 

避難訓練は失敗が大事

避難訓練を計画している人から見るととんでもない話かもしれませんが、避難訓練は何か失敗が見つかる方がいいと、筆者は思っています。
避難訓練が完璧にシナリオ通りに終わったとすれば、イベントとしては成功ですが、訓練としては失敗だと考えて下さい。
訓練でさまざまな想定をすると、実際に本当にいろいろなトラブルが発生します。
そのトラブルは、当然本番でも起こり得ることなので、対策を考えて手を打っておくことで、本番ではトラブルをできるだけ減らすことができるのです。
「訓練はうそをつかない」という言葉がありますが、さまざまな想定を経験しておくことは、本番のときに必ず役に立ちます。
体験していないこと、経験していないことはどうしても行動や判断に時間がかかってしまいますから、状況によっては致命的なミスが発生することもあり得ます。
イベントとしての避難訓練はさまざまなところで行われていますが、それでもやらないよりはずっとマシですので、やる意味自体はあると思います。
ただ、本番に備えた訓練ならば、いくら対策を準備していてもそのとおりになるとは限らないような想定を用意し、「意地悪だ」といわれるくらいひどい結果のものをやってみてほしいと思います。
そこから得られる教訓は、絶対に無駄にはなりません。
避難訓練はあくまでも訓練ですから、本番と同じような条件で行動し、問題点を洗い出すものだと思ってやってみてほしいと思います。

カバンの中に水筒を

最近はさまざまなサイズの水筒が売っているので、もてる重さのものを準備しよう

地震のように突発的な災害の場合、とりあえずは手持ちの物資で凌ぐことになりますが、あなたのカバンにはそんなときに備えてどのようなものが入っていますか。
必ず入れておいて欲しいのが、水筒と水。特にサイズは問いませんので、自分が持ち歩きしやすい大きさのものでいいと思います。
移動するにしてもその場で待機するにしても、緊張するとのどが渇いてきます。
そんなときに、カバンに水筒と水が入っていれば、精神的に安心することができます。
本当は水が一番良いのですが、水で無くても、お茶でもコーヒーでも紅茶でも構いません。自分が落ち着ける飲み物が入っていれば、ずいぶんと落ち着くことができると思います。
万が一水筒の中身が空っぽであったとしても、地震の後で最寄りの水栓から水を補充しておけば、断水後も自分の水は確保できます。
普段からのちょっとした心がけとして、準備しておくことをお勧めします。

地震と土砂崩れ

梅雨時期に入ると大雨と、それに伴う土砂崩れや洪水への警戒が呼びかけられます。
それはそれで正しいことなのですが、もう一つ、地震に対しても気をつけておく必要があることを知っておいてください。
大雨や長雨では、地中に水がしみこんでいますので、斜面は割と不安定な状態になっています。
そこにちょっとした地震による揺れが与えられると、不安定だった斜面の土砂が一気に崩れてしまう危険性があるのです。
これが怖いのは、いくら天気が晴れていても、土砂が水を含んで不安定になっている限り、土砂崩れが起こりうるということです。
そしてこの土砂崩れは土砂災害警戒区域や特別警戒区域といった指定地域以外でも発生する危険性が十分にあり得ます。
雨と揺れ、これが重なるときには、いつも以上に周辺環境の変化に敏感になっておいたほうがいいと思います。

ペットと避難所

バックに普段から慣らしておかないと、いざというときに捕まえる騒ぎで時間が取られてしまう。

 ペットと一緒に避難するということは、ここ最近さまざまなところでPRされていることもあって割と知られてきています。
 では、避難所の受け入れの方はというと、案外と体制ができていないというのが現実のようです。
 ペットといっても、避難所運営側のイメージは犬や猫、小鳥といった感じで、とりあえず場所を一つ準備しておけばといった感じで、そこまで熱心ではないようです。
 ただ、一口にペットといっても飼っている生き物はさまざまで、犬や猫、鳥だけではなく、は虫類や両生類、魚、虫といったものまで、飼っている人の趣味の幅がかなり広いので、実際に受け入れるとなると大事になります。
 例えば、避難者と避難したペットを別々に収容する同行避難で考えてみます。
 避難してきた小鳥と猫を一緒の部屋に入れたとすると、鳥はかなり落ち着かないでしょうし、猫も大騒ぎになるでしょう。
 犬と猫を同じ部屋に入れたとしたら、恐らく鳴き声や威嚇の声で聞いている人達が落ち着かないと思います。
 では、ペットの数だけ部屋を準備すればいいのかと言えば、そもそもどんな生き物が避難してくるのかがわからないので準備のしようがありません。
 地域の避難訓練で避難してくる予定の人にどのようなペットをつれて避難してくるのかという情報を集めることはできますが、ややこしいペットを飼っている人ほど、こういった場には出てこないことが多いので、あとで揉めることが予想されます。
 そうすると飼い主と一緒に避難所のスペースにいる同伴避難ということになりますが、今度は生き物が苦手な人との間で対立が生まれてしまいます。
 蛇を飼っている人が蛇を連れて避難所のスペースにいたとしたら、蛇が嫌いな人は卒倒してしまうかもしれません。
 こんな風に、一口でペットと一緒に避難するといっても、簡単には事前準備ができないということを、避難する側も避難所を運営する側も知っておかなければいけません。
その上で、どのようなペットを受け入れないといけないのかや、自分の飼っているペットは避難所以外に避難する先が本当にないのかといった調査や調整もしておかないといけないでしょう。
 また、避難先をペットによって分けたり、ペットを収容する避難所と収容しない避難所を分けたりといった事前の準備も必要です。
 ペットを飼っている人は、ペットを生き残らせる責任がありますから、きちんと自分とペットが災害時にどのようにするのかについて、しっかりと考えて対策をしておいてください。

記憶と記録

地元ではかなりの被害が出た昭和18年水害だが、戦時中ということもあって公的な記録は少ない。

 どんなに大きな災害であっても、時間が経過するに従って風化していきます。
 実際に体験した方が亡くなったり、日々の出来事に追われて記憶の彼方になったりしていくと、その災害は歴史の一ページになっていきます。
 これは記録が残っていても同じ事で、全体としての災害はイメージできても、個人としての体験はうまく伝わらないことが多いです。
 そのために語り部が存在するのですが、人の口から語られるものを生で聞くのと、さまざまな記録を見るのとでは、うまく言えませんが迫力が異なります。
 人の口から語られるものの方が、同じ事を伝えるのであっても生々しい感じがするのです。
 さまざまな災害で経験談を話してくれる人達は、そのままだとやがていなくなります。それと同時に、そこから得たはずのさまざまな教訓も文字でしか無い、現実味をどこかともなわないものになっていくのではないでしょうか。
 記録に残すことは、客観的に全体を見る、または状況を把握するために非常に大切なことです。
 でも、それと同じくらい人の口から語られる経験を残すことも、それが現実だったということをこころに認識させるためには必要なのではないかと思っています。
 そして、もしも被災した体験があるなら、それを家族や若い世代に語ってください。
 そうすることによって、そこで生きている、または生きていた人達の体験がしっかりと伝わるのでは無いかと思っています。

アウトドアと防災

 最近はアウトドアブームだそうで、あちこちでキャンプ用品や山道具をみかけるようになりました。
 これらのアイテムは、災害時にもとても役に立つものなので、ぜひ道具類の使い方を覚えておいて欲しいなと思います。
 防災の視点で見ると使い終わったこれらのアイテムをそのまま収納するのでは無く、すぐに使えるように整備してから目につくところに置いておいてほしいのですが、かさばるものですからどうしても押し入れや倉庫に収納されてしまいがちです。
 あと、電池や燃料といった消耗品も、使い終わって整備をするときに補充しておくといいと思います。
 また、せっかくのアウトドアですから、何か一つだけ代用品を考えてみると面白さが増すかもしれません。
 例えば、ランタンを使わないでどうやって照明を作るかやコンロを使わずにごはんを炊く方法など、ちょっとだけサバイバルの要素を取り入れてみると、災害時にも慌てなくて済みますよ。
 アウトドア用品はほとんど防災用品と重なるものです。防災用品を買ってしまい込んでいるのであれば、アウトドア用品として遊びでどんどん使ってみてほしいと思います。
 アイテム類は馴れていないと使えませんし、使えないアイテムは存在しないのと同じです。防災用品もアウトドア用品もいろいろなアイテムがありますから、いろいろと試してみて、自分が被災してもキャンプの延長線と思えるくらいになっておけたらいいなと思います。

災害発生後に起きること

 いろいろな災害がありますが、日常生活に影響の出るレベルの災害が発生するとまずライフラインと物流に問題が出てきます。
 電気、ガス、水道、下水道、そして食料や日用品などの物資の輸送。
 これらが無くなってしまうと命にかかわりますから、再開するまでは自前でなんとかしないといけないことになります。
 指定避難所であっても、消耗品、特に食料品や水がしっかりと備蓄しているところはまれですので、非常用持ち出し袋と備蓄品は命をつなぐためのマストアイテムということになります。
 地方だと3日~1週間、人口の多い都会地だと1週間から10日程度は凌げる装備があったほうがいいと思います。
 国や他の地方自治体から最初に送り込まれる支援物資はある程度量が決まっているので、人口の少ない場所であれば全員に行き渡っても、人の多い都会ではそういうわけにいきません。
 また、発災から支援開始までは最低2、3日はかかりますので、その間のあれこれは自前で何とかしなければいけないわけです。
 このために、非常用持ち出し袋や備蓄品をきちんと準備しておくようにいわれているのです。
 市町村で備蓄している食料品などはたいした量はありません。それを当てにするよりは、自分で自分の食い扶持をしっかりと用意しておく方が精神衛生上いいと思います。
災害後に考えないと行けないのは、まずは自分の命を繋ぐ方法です。
 元気に命を繋ぐために、まずは非常用持ち出し袋と備蓄品をわかるように揃えるところから始めて見て下さい。

代用品は代用品

 防災の研修では、「○○がないときに××が使えます」といった代用品の話が出ることがあります。
 意外なものが意外なところで使えたりして、結構驚くこともあるのですが、一つ注意してほしいのが、それはあくまでも代用品だということ。
 その目的用に作られた製品にはかないませんので、代用品が必要なくらい普段使いするものであれば、やはり現物をきちんと準備しておくことをお勧めします。
 例えば、紙おむつ。
 「ビニール袋とタオルで作れます」という記事を見かけることも多いのですが、これはあくまでも非常用。
 蒸れるし吸水力は低いし、おまけに使用後の始末にも非常に困る状態になりますので、本当に最後の手段と考えて下さい。
 基本は紙おむつをしっかり準備してあれば知識だけで使うことはないと思います。
 代用品はあくまでも代用品。
 それを当てにして準備に手を抜くようなことにならないようにしてくださいね。

判断をするのは誰?

 そろそろ梅雨入りしそうですが、あなたは大雨に備えた準備はできていますか。
 あなたがいる場所の危険性の有無や避難先と避難経路の確認、非常用持ち出し袋の設定、避難先での情報確認や待機の仕方など、準備にもいろいろとあるのですが、もし避難が必要な場所にお住まいなら、一つだけ決めておいて欲しいことがあります。
 それは、「避難開始の判断は自分でする」ということです。
 行政が避難情報を出そうが出すまいが、自分の命は自分で守らなければなりません。
 そのためには、事前に何がどうなったら自分は避難を開始する、ということを決めておきましょう。
 例えば、線上降水帯が頭上で発生したら、とか、家の前の水路から水が噴くようになったらとか、自分にとって危険を感じたときを避難開始の判断にしておくのです。
 そうすることで、もしもその状況になったら何も考えずに避難を開始することができます。
 避難をするかどうか迷っている間にも、時間はどんどん経過していって、避難しようと思った時には避難できない状況になっていることもよくあります。
 避難の判断はあくまでも自分がすること。そして、その条件を満たしたなら、悩まずにすぐに避難行動に移ること。
 あなたの命を守るのはあなたしかいません。
 そのために、さまざまな備えをしていってほしいと思います。