いろいろ使える雨合羽

 最近の自転車通学で、雨の日にカッパを着ている学生さんを見なくなりました。
 夜明け前から雨が降っていても制服姿で自転車を漕いでいくのですが、よくみるとかごの中の荷物にはビニール袋がかけてあってちゃんと雨対策がされているようなわけのわからないことになっています。まるで学校で雨合羽着用禁止の校則でもあるのではないかと思ってしまうくらい、見事に雨合羽を着ている学生さんを見ることがないのです。これからの季節、雨に濡れると身体が冷えますので勉学に集中できないのではないかとか、制服がくさくなるとも思いますが、これらは余計なことなので置いておきます。
 ただ、確かに雨合羽を着ることはおしゃれではないかもしれませんが、雨合羽は雨を防ぐだけでなく他にも優れた働きをしてくれるので、災害対策としてはぜひ持ち歩いてもらいたいなと思います。雨合羽は雨水を通さず濡れないことが一番の目的です。そのため、着るだけで雨風をしのぐ道具になってくれます。状況によっては、雨合羽を着るだけでも立派な寝袋代わりになったりもします。また、地面に敷けば簡易シートになりますし、携帯トイレを使うときにも活躍してくれます。
 雨合羽には、大きく分けると上下にわかれたセパレートタイプと、足下が自由になっているポンチョタイプがありますが、リュックサックを背負って避難するときなどにはポンチョタイプならりリュックサックの上からそのまま羽織れますが足下は濡れます。動くことが想定されているときにはセパレートタイプが重宝しますし、持ち運びや多機能性を考えるとポンチョタイプです。どちらがいい悪いというわけではなく、目的と自分の使いやすさで選べばいいのかなと思います。
 あと、安いナイロンやビニールの雨合羽は内部に身体から出す汗や水蒸気が籠もり内部がびちゃびちゃになりますので、できれば少しだけ高いゴアテックスやエントラントといった内部からも水蒸気を通すような素材を選ぶか、または換気用のベンチレーターがついているものを探せば快適に過ごせると思います。最近では内部の汗や水蒸気を外部に逃がす素材や装置が安くいろいろとでていますので、自分にあった雨合羽を一つ準備して欲しいなと思います。
 かなり昔、なぜ雨合羽を着ないのかという質問をしたとき、当時の学生さんたちは「格好悪いから」とか「蒸れる」「学校で干す場所がとれない」という話を聞いたことがあります。修行僧みたく制服で雨に打たれるのもいいかもしれませんが、雨に濡れた後の臭いを防ぐこと、自分の体力を温存して生き残るため、できれば雨合羽を使って欲しいなと思います。