避難所とコロナウイルス対策

 梅雨前線が暴れています。今回は東北の方で大きな水害が起きたようですが、無事に避難ができたでしょうか。
 人命第一。命があれば何でもできる。何はさておき、命を守るための行動を取ってください。
 ところで、避難をする先として真っ先に思い浮かぶのは避難所です。学校の体育館や公民館、もしくは公営の施設が指定されていると思うのですが、例年と異なるのは、新型コロナウイルス対策として密を避けなければならないという問題が起きています。
 従来の避難所では詰め込めるだけ詰め込めという考え方で押し込んでいたのですが、ソーシャルディスタンスを守ると言うことで、十分な間隔を取って避難者を収容することになりました。
 その結果として、避難所に避難してきたのに受け入れてもらえない人が続出するという事態になっています。
 これは避難者に問題があるわけでも避難所の指定をした行政に問題があるわけでもなく、誰もが今まで漫然と「災害が起きたら避難所に避難」としか考えていなかった結果だと思います。
 現在国は避難所以外の安全な場所への避難を呼びかけていますが、例えばホテルなどに避難しろと言われても、緊急時にいつでも避難対応してもらえるのかという疑問がありますし、経済的にもかなりきついと考えます。また、普段から避難所へ避難という指導がされてきたわけですから、多くの人は今まで通り避難所に避難し、収容してもらえなくて困るという事態になるのです。
 避難所の考え方を根本的に変えない限りこのような事態は今後も続くと思われますので、避難所の定員をきちんと定めて、避難者を収容するための方法をきちんと考えなければならないのではないでしょうか。
 自治会や自主防災組織などで収容先と収容人員を決定し、避難者をきちんと決めておくことで、収容時のトラブルを避けることができます。
 公民館や学校、公的施設だけで無く、高手にあって安全な空き家があれば、自治会などで交渉して避難所として整備することもできるのではないでしょうか。
 かなり皮肉な話ではありますが、新型コロナウイルスのソーシャルディスタンスのおかげで、初めてまともに避難所の収容方法やパーソナルスペースについて真面目に考えられるようになりました。
 災害に遭ったら長期避難になるかもしれません。そのことを前提にして避難計画を組む時期に来ているのでは無いかと思います。