情報収集を制限する

 災害時における情報収集には2つの段階があります。
 一つは災害発生中のもので、これは刻一刻と変わっていく情報により生死が分かれる情報ですので、状況が落ち着くまでは情報を集め続ける必要があります
 もう一つは発生した災害が落ち着いて状況が大きく動かなくなったとき。
 長期戦になったときとも言えますが、こうなると情報をとり続けていても「情報疲れ」をするだけになってしまうので、意図的に情報を止める必要があります。
 現在はさまざまな情報環境があり、大きくも小さくも情報を集め続けることができます。例えばインターネットのSNSでは玉石混合で真偽不明の情報、特に不安のあおるようなものが大量に飛び交っています。またマスメディア、特にテレビでは、なぜか被害の大きかったところの情報しか写しません。視聴率が稼げるとか、テレビ映えするという理由ではないことを信じたいのですが、その地域に住んでいる人からするとそんな情報ばかり見せられると不安にしかなりません。
 そしてこれらの情報を集め続けると、気がつかないうちに不安や緊張、恐れがあなたの心を蝕んでいきます。
 それを防ぐには、収集できる情報をあえて収集しないこと。例えば、情報を集めるのはお昼の一時間という風に決めておくとそれ以外の時間は不安を感じずに済みます。
 災害からの復旧で地味に大切なのはこころの健康です。特に避難所等で状況が落ち着いてきたら、テレビやラジオなどのマスメディアは流しっぱなしにするのではなく、時間を決めてスイッチを入れるようにしてください。