目的と手段

 どんなことであれ、「目的」を達成する、そのための方法として「手段」が存在しています。
 ただ、どうしたものか、よくこの目的と手段がひっくり返ってしまうことがあるので注意が必要です。
 防災関係でいえば、最終的な目的は「自分の命が安全に確保できること」で、そのために自主防災組織やその他のさまざまな支援の形が存在しています。
 ところが、例えば自主防災組織を作ることが「目的」になってしまって、組織を作るための手段が模索されているという不思議な事態が日本のあちこちで起きています。
 自分の命が安全に確保されるのであれば、自主防災組織がなくても問題はないはずなのですが、なぜか「自主防災組織がなければ自分の命が守れない」として、無理やりに組織化しようとしているケースをあちこちで見ることができます。
 こうなってしまうと、組織化が目的なので、組織ができると目的達成となり、その後放置になってしまっているのものも、筆者の知る範囲では非常に多くみられます。
 防災に関して言えば、「自分の命を安全に確保すること」が目的で、その手段として、例えば自主防災組織があったり、地区防災計画があったり、マイタイムラインを作ったりするのです。
 そこをしっかりと理解したうえで、目的と手段を間違えないように対策を考えていきたいものです。