伝言ダイヤルの鍵を決めよう

 2023年の正月を無事に迎えることができ、皆様方には厚くお礼申し上げます。
 引き続き、当研究所をよろしくお願いいたします。
 さて、年末年始、ご家族や仲良しの方と集まることも多いのではないでしょうか。
 せっかく集まるのですから、いざというときに連絡を取るための災害時伝言板およびweb171の鍵となる番号を決めておいてはいかがですか。
 災害時伝言板は災害時に連絡が付きにくい状態でも伝言板を経由して情報交換ができる非常に便利なものです。
 ただ、カギとなる電話番号が決まっていないとお互いにやり取りをすることが難しいので、災害時伝言板を使うときに指定する電話番号を決めて、共有しておきましょう。
 普段は合わない人だからこそ、災害などが起きた時には生存や状況が気になるものです。
 被災地内への電話はまず通じないと思っていいですから、災害時伝言板を上手に使って、生存情報や自分の状況などが心配している人たちに届くようにしておけるといいですね。

災害用伝言ダイヤル(NTT西日本のウェブサイトへ移動します)

「大丈夫」という情報の大切さ

 災害が起きた時に自分に大きな被害がなかった場合には、あえて自分は大丈夫という情報発信はしないという方が多いと思います。
 特に大きな災害の場合には、短時間で相当数の安否確認の電話やメールが集中してしまうので、通信環境への負荷を防ぐという意味でも発信を控えるということはよくあることだと思います。
 ただ、心配している人から見ると情報発信がないというのは「大丈夫」だから発信していないのか、それとも「発信できないような状況」になっているかがわかりませんので、不安に駆られて相手が出るまで電話やメール等を送り続けて通信環境を悪化させてしまうことが発生します。
 被災地外で被災地にいる人の心配をする人は、とりあえず無事なことがわかればいいのですから、とりあえず被災地にいる人は自分が大丈夫である旨の情報は発信したほうがいいわけですが、電話やメールでやりとりしていると状況はあまり変わりません。
 SNSや災害時伝言ダイヤル、災害用伝言版などを活用して、なるべく通信環境に負荷をかけずに大丈夫なことが伝えられるといいと思います。
 SNSであればいいのですが、災害時伝言ダイヤルや災害用伝言版では一つ気を付けておかないといけないことがあります。
 それは「鍵となる電話番号を決めておくこと」です。
 「J-Anpi」というシステムによって、固定電話、携帯電話会社に関係なく、登録されている伝言はどこからでも見たり聞いたりできるようになっていて、いちいち探す手間はかなり減りました。

※注 災害時伝言ダイヤルとweb171は連携しており、相互に情報確認ができる。

 ただ、J-Anpiの伝言を聞くためには鍵となる電話番号が必要となります。
 「もし自分が被災したとき、安全だったら伝言を出しておくから、〇〇番で検索してくれ」という情報を連絡してくるであろう相手に伝えておくことで、いざというときに通信環境に負荷をかけずに安否が確認できます。
 これは家族間でも同じことで、いざというときにどの番号で伝言をやりとりするのかについては事前に決めておくようにしてください。
 また、災害時伝言ダイヤルや災害時伝言版は平時でも訓練用に開放されているときがありますので、そういった機会を使って、実際にやりとりする練習をしておいてください。
 「私は大丈夫です」ということを伝えることは大切な情報です。
 自分が無事だから発信しなくても大丈夫、ではなく、無事だからこそ大丈夫だという情報を早めに発信するようにしてください。

J-Anpi(J-Anpiのウェブサイトへ移動します)

NTT西日本の災害への備え・対策サイト(NTT西日本のウェブサイトへ移動します)

災害時伝言ダイヤルを試して見よう

 災害時伝言ダイヤルは、災害時に指定した電話番号に対して伝言を残すことのできるサービスです。
 災害時伝言ダイヤルを利用するポイントは、家族や親戚で電話番号を一つ指定しておくことなのですが、これができていると非常に使い勝手のいい伝言ダイヤルです。
 このサービス、毎月1日と15日に通常時には訓練用に解放されていることをご存じですか。
 利用手順など、詳しくは「災害用伝言ダイヤル(171)」をご確認下さい。
 明日は2月1日。もしまだ試したことがないのであれば、一度試してみてはいかがでしょうか。

災害用伝言ダイヤル(171)(NTT西日本のウェブサイトへ移動します)

明日は防災の日です

 大正12年9月1日に発生した関東大震災にちなんで、毎年9月1日は防災の日となっています。
 そしてこの日を挟んで毎年8月30日から9月5日までを防災週間として防災に関するさまざまな行事が全国的に行われています。
 今年はコロナ渦で人の集まるイベントは軒並み中止になっていますが、こんなときだからこそそれぞれが自分の防災グッズや避難計画などを見直し、確認しておく時間にしたいですね。
 ちなみに、普段は1日と15日しか体験利用ができない災害用伝言ダイヤル171番は、この防災週間中は体験利用することができるようになっていますので、web171番と併せて使い方をしっかりとマスターしておいて欲しいなと思います。
 折しも大きな台風が近づきつつあります。週の中程にかけて西日本に影響が出るような予報が出ていますので、対策についてしっかりと確認しておいてくださいね。

当研究所記事「災害時伝言ダイヤルを使ってみよう」

家族の集合方法を確認しておこう

 災害というのはいつ何が起きるかわかりませんので、それに対する備えはしておかなくてはなりません。
 今回は家族がバラバラなときに被災した場合どうするかについて考えてみたいと思います。
 考えてみれば、いつも家族が一緒にいるわけではありません。避難訓練の時はみんな一緒でも、通常は仕事や学校、買い物やお出かけなどでそれぞれがバラバラな行動をとっていることが非常に多いのではないでしょうか。
 そんなときに災害が起きたら、あなたはどんな風に家族と合流しますか?
 まず、一番に自分が生存していることを家族に知っておいてもらわないといけません。
 以前に少し触れましたが、携帯電話や公衆電話などの通信手段がある場合には災害時伝言ダイヤルの171番に自分の生存報告とどこへ避難するかを吹き込んでおくようにします。
 また、音声回線がうまく繋がらない場合には、web171や携帯電話のキャリアが提供する災害時伝言板にメモを残すようにします。いずれにしても、鍵となる番号をあらかじめ決めておかないとメモやメッセージがうまく家族で共有できないことになりますのであらかじめ決めておいてください。また、LINE等のSNSも有効ではありますが、その場合には不急なメッセージのやりとりは事態が落ち着いてからにしてください。
 次に連絡がつかなかったり、通信手段がない、もしくは失った場合に備えて、自宅のどこかに生存報告とどこに避難しているという貼り紙を貼るようにします。
 空き巣などの不埒ものに備えて、玄関などの見える場所ではなく、家族でないとわからないような場所を決めておきましょう。
 最後は、連絡がつかない、書き置きもできないような状況が起きた場合に備えて、集合場所と時間を決め、無事な場合にはそこにその時間こら一時間待つというルールを作ります。
 こうすれば、通信手段を失い、家が跡形もなくなっていたとしても、その時間に集合場所にいけば家族がいるかもしれないという希望を作り出すことができます。
 約束した時間以外は好きなように動けるので、例えば 避難所巡りをしたり、病院巡りをしたりといった行動を気兼ねなくすることもできます。
 いくら手段があっても困るものではありませんから、どのようにするのかを家族しっかりと話し合って、災害にあったときでも素早く会えるようにしておけるとよいですね。