「モノ」ではなく「機能」で考える

 災害が発生して命からがら逃げ出し、自分が安全だと落ち着いたとき、「あれがない」「これがない」と困ることがたくさん出てきます。
 ただ、そのときにあまり「モノ」に固執すると本質を見失ってしまうことがあるので注意しましょう。
 必要なのは「機能」であって「モノ」ではないことに気がつくと、案外と代替品はあちらこちらにあるものです。良く出てくるのは、お湯を入れたペットボトルを使った「湯たんぽ」。これは「湯たんぽというモノ」ではなく、「体を温める道具」という点に注目しているからできるものです。
 鍋はなくても空き缶があれば鍋代わりに使うことができますし、鉄製の板があればフライパン代わりに使うことができるかもしれません。また、「布団」がなくても床からの暑さ寒さからの断熱と体の保温、そして安眠という機能を代替えできればいいわけですから、段ボールや新聞紙を組み合わせれば即席のものを作ることができるでしょう。
 ないものはいくら嘆いても手に入りません。とりあえずは、そこにあるものを全部並べてみて、単品や組み合わせで必要とする機能を作り出すことができないかどうかを考えてみる癖をつけておくようにしましょう。