乳幼児のいるご家庭で用意して欲しい避難所グッズ

避難所では着替えや授乳などできるだけ人目を避けたいものがいろいろとあるが、避難所運営計画ができていないと忘れられることが殆ど。写真は益田市子育て支援センターのもの。

 乳幼児のいるご家庭では、災害時には自宅待機が一番お勧めですが、さまざまな状況によってどうしても避難所に避難しなくてはいけないケースも出てきます。
 その際に問題になるのが、乳幼児への授乳やおむつ交換、就寝場所の確保です。
 だだっぴろい避難所の中で、乳幼児がたくさんいれば配慮してもらえるかもしれませんが、年寄りばかりの地域だとそういった配慮はなされない場合が多いです。
 誤解のないように書いておきますが、年寄りの多い地域であっても、避難所の設置計画がきちんとなされていて乳幼児がいることが認識されていれば、そういった配慮はしてもらえる場合が殆どです。
 ただ、避難所の設置計画がなくなし崩しに避難所が設置された場合には、どうしても声の大きなものや数の多い人に運営の意見が振り回されてしまい、乳幼児のいるご家庭だけでなく、障害者や要支援者など、俗に言われる「生活弱者」は切り捨てられてしまう傾向が強いと言うことです。
 そんななかで避難を継続するためには、早めの避難で場所を確保することと、乳幼児への授乳やおむつ交換の風景を物理的に他者から見えなくする日よけテントを持って行くことをお勧めします。

日よけテント。風通しのよい天井と床だけのものと、着替えにも使える密閉型がある。災害時の避難所で使うのは密閉型が安心。

 日よけテントは屋外で使うことが前提とされていますが、簡単に設営できて自立して建ってくれるので避難所内で外部からの視線を遮りたいときにも役立ちます。また、おむつ交換などで発生する臭いをあるていど封じ込めることもできますから、ぶしつけな視線や臭いに対する苦情を受けなくても済みます。
 余談になりますが、災害時には布おむつは洗濯できないことが殆どなので必然的に紙おむつを使うことになるのですが、交換後の臭いを抑えるために臭い抑制能力のあるビニール袋も一緒に用意しておきましょう。
 それから、避難所は防犯上完全に消灯されることはまずありません。そのため乳幼児の生活リズムに影響が出る可能性がありますが、日よけテントがあれば、タオルや毛布をかけることである程度内部を暗くすることができるので生活リズムを守ることも可能になります。
 また、母親が一緒に昼寝していても外部から見られる心配がありません。
 正直に言えば、できる限り早く被災区域外に広域避難したほうが乳幼児のためであり、授乳している母親のためにもなりますので、避難計画を作るときにはそこまで検討しておいたほうが確実です。
 大切なのは「乳幼児の健康と生活を守る」こと。そのことを前提にして、あなたの家の避難計画を立てるようにしてくださいね。