今日は救急の日です

 今日は9月9日。救急の日です。マスメディアでは救急車や夜間救急外来の利用者の増大で救急救命体制が破綻するような話をしていますが、どうしてそうなるのかについては「不要不急の利用者が大勢いる」との一言で済ませています。
 救急や夜間救急外来に関わる人を困らせてやれとか、空いている夜間診療でどうしても受診するというような悪質な確信犯はともかく、自分のしている行為が緊急性がないものであるということが理解できていないのかなという気もします。
 救急とは「命の危険を有する緊急性のある状態の人」を優先して助けるための行為であり、夜間救急外来はやはり「命の危険を有する緊急性のある状態の人」の命を救うために存在しています。
 逆に言えば、命の危険が無いのであれば救急車や夜間救急外来は使ってはいけないということになります。
 ただ一つ問題になるのは、自分がどんな状態になったなら「命の危険を有する緊急性がある状態」なのか殆どの人が理解していないということでしょう。
 理解していないので、命の危険を感じる幅がものすごく広くなって、「なぜ早く来なかった!」と怒られる人から「こんなことで利用するな!」と怒られる人まで出てくるのです。
 緊急性を有する状態を理解することは少し難しいかもしれませんが、普段から自分の体調を意識していれば、現在がどんな状態なのかと言うことはある程度理解できると思っています。また、持病があるなら悪化したときにどうなるのかを知っておくことで、早めの対策を打つこともできます。
 自分の身体のことに興味を持ち、状態を意識しておくことで、緊急性のある状態に陥る前に受診することができ、救急や夜間救急外来に余計な負担をかけなくても済みます。
 余談ですが、病院の夜間救急外来の当直医は救急専門か、またはさまざまな診療科の医師が順番で受け持つことが多いため、緊急処置以外のことに専門性はありません。あくまでも緊急時の処置をするために待機しているので、慢性疾患などで誤診があったからといって怒るのは筋違いです。
 命の危険がない場合には、専門医に医療機関の受診時間内に受診しましょう。そちらの方が正確で安全です。