災害がないと言えない件について

 熊本地震以前、熊本県は地震のない安全な県として企業誘致を積極的に行っていました。でも、熊本地震以後、大雨や河川氾濫といった大きな災害が立て続けに起きていて、安全な県という言い方はもはやできないと思います。
 もっとも、日本列島はどこも条件は同じで、全く災害の心配をしなくていい場所はないと考えています。
 ただ、リスクをどう評価するかによって考え方が変わるため、どのような災害に備えればリスクが少ないのかについてはしっかりと検討をしておく必要があります。
 熊本県が地震のない安全な県と言っていたのには理由があって、記録に残る範囲では、過去に大きな地震が起きた形跡がないのです。ただ、これはあくまでも人間の記録であって、断層の調査などでは周辺に活断層があるという結果は出ていましたから、そういう面で見たら、きっとリスクについて検討すべきものだと思ったのかなと思います。
 太平洋戦争後の数十年は、日本はある意味で異常と言えるくらい大きな災害が起きませんでした。
 そして、その災害を経験しなかった世代からみると、災害が起きないことが当たり前なので、災害に対する備えがおろそかになってきたのだろうなと思います。
 地域の伝承を調べていくと、ことの大小はありますが、かなりの高確率で何らかの災害の記録が残っています。
 あなたが住んでいる場所も、調べれば何らかの災害の危険性は必ずあると思いますが、それに対する備えはきちんとしていますか。
 災害は起きるものです。どのような災害がリスクが高くて優先的に対応する必要があるのかをしっかりと確認し、災害が起きるという前提で準備をしておいてくださいね。