死なないこと、怪我しないこと

小学校の防災クラブで実施している応急手当。普段でも使えるものをしっかりと学ぶ。

 災害時に最も重要なことは死なないこと、そして怪我しないことです。
 そのための耐震補強だったり、早めの避難だったり、場合によっては被災地外の遠方への避難ということも考えられるわけです。
 ただ、死なないこと、怪我しないことを達成するためには日ごろからの準備がかなり大切になります。
 でも、重要度は高いがいつ来るかわからない災害への備えは、大丈夫かもしれないという気持ちにとらわれることが多くてどうしても後回しにしがちです。
 優先度を上げるためには、周囲の目などのさまざまな補助が必要になりますので、例えば自治会や自主防災組織、行政などは災害時に余計な手を取られないためにしっかりと手助けをしていくことが大切です。
 自治会や自主防災組織であれば、家具の固定方法や実際に各家庭を回って一緒に対策をする、行政であれば耐震補強や耐震診断に対して信頼できる業者の紹介や対策にかかる経費の補助など、その気になれば簡単にできることがたくさんありますので、対策が必要だということから一歩踏み出し、対策を実際にやろうというところにまでなってほしいと思います。
 最終的に自分の身を守るのは自分しかありませんが、自分の身を守るためのいろいろな対策の手伝いは誰にでもできます。
 災害時に死んだり怪我したりする人が増えると、消防や警察、自衛隊や行政といった専門的な活動をする部分に負担がかかり、対応が遅れたり対応できないことも起こりえます。
 不幸にして死んだり怪我したりする人を0にすることはできないかもしれませんが、対策を講じることで0に近づけることはできますので、お互いが助かるような手立てを考え、実際に行動して、いざというときに死なない、怪我しないようにしていきましょう。

【活動報告】あるご家庭の防災計画策定のお手伝いをしました

 当研究所のキャッチフレーズは「命を守る、命を繋ぐ」ですが、その大元には自分の命を自分で守るためにあらかじめ準備しておくことが大切だと考えています。
 新型コロナウイルスの影響でなかなか大きな勉強会はできませんが、こんなときでも各ご家庭の避難や備蓄と言った防災計画を作るお手伝いはできるのではないかと考えていたところ、内容に興味を持ったご家庭から防災計画作りのお手伝いのお話をいただきました。
 災害対策は重要だという認識はもっていただいていたのですが、何をどのように準備すればいいのかがわからない。どのような情報を意識すればいいのかわからないということで、住居や勤め先でどのような災害で被災する可能性があって、何に気をつければ良いのかに始まり、避難条件の設定や避難経路の作り方、ご家庭の状況から見た備蓄品の考え方などをご説明させていただき、ご家族で検討いただきながら悩まれた部分についてご相談にのるという形でご家庭の防災計画書を策定してみました。
 実際にそのように準備できるのか、訓練をされていくのかについては今後のことになってきますが、それぞれのご家庭でご家族にあった防災計画を作ることで、災害対策は自分の命を守ってくれるものになっていきます。
 パーソナルカードのお話をして、ご家族分のものを作成されるようなお話をされていましたが、引き続き関わっていければ良いなと考えています。
 わからないところは分かる人に相談することであっさりと解決することも多いです。
 当研究所がそのお役に立てれば良いなと考えながら、引き続き活動していきたいと思っています。