「温故知新」という言葉がありますが、災害対策を考えていくとき、その地域が過去にどのような災害に見舞われてきたのかを知らないと的確な対策を行うことはかなり困難だと思っています。
ただ、いつどこで何が起きたのかを体系的に調べるのは難しく、片手間ではなかなかできることではありません。
当研究所でも過去の災害記録を探すのにいろいろと悩んでいるのですが、このたび島根県古代文化センターが調査研究で作成した江戸時代以前の古文書に書かれた災害記事をまとめた一覧を公開してくれました。
「前近代出雲・石見・隠岐災害記事目録」というタイトルのエクセルファイルで掲載されており、出典もきちんと書かれていることからわかりやすい資料となっています。もちろん全てが網羅されているわけではないと思いますが、調査できる範囲での資料が掲載されているので、出典を当たるに際しても非常に見やすく、手をつける場所を調べる手間が省けてとてもありがたいです。
自分の住んでいる地方で過去にどのような災害があったのかを知るきっかけにできる便利な資料ですので、是非一度見てみてください。なお、資料の考え方についても同じコーナーに「本目録の解題」としてPDFで掲載されています。
なお、7月10日から9月6日まで島根県立古代出雲歴史博物館で企画展「大地に生きる~しまねの災と幸~」が開催される予定になっており、この研究成果についても公表されるとのこと。
新型コロナウイルス騒動で開催がされるかどうかはわかりませんが、興味のある方はそちらもぜひご覧になっていただければと思います。
「古代文化センターデータベース」(島根県古代文化センターのサイトに移動します。該当記事は一番下の方にあります)」
企画展「大地に生きる~しまねの災と幸~」(島根県立古代出雲歴史博物館のサイトに移動します)