自分の安全は誰が守る?

 災害には、地震のようにいきなり発生するものと、水害や台風のように起こることがある程度予測できる災害があります。
 そして、予測ができる災害については行政機関が状況に応じて避難勧告や避難指示を出すわけですが、これらが出たからといって必ずそのエリアに被害が出るというものでもありません。
 ただ、状況が収まるとマスメディアはこぞって行政機関の出す避難勧告や避難指示についてあら探しをします。
 災害の検証という点では正しいのかもしれませんが、結果的に被害が出なかった状況をさも予測できたかのような書きぶりで批判するのはいかがなものかと感じています。
 行政機関が避難指示や避難勧告を出し渋る理由は、避難をさせておいて何もなければ苦情を申し立てる人がそれなりに発生し、また、マスメディアがこぞって批判するのが原因です。
 逆に考えれば避難を自分で判断できて、被害がなかったことを喜べる人ばかりになれば、行政機関は冷静に判断することができるということです。
 誤解されていることが多いのですが、自分の命は自分が守るのは生きていくための基本です。判断を他人に委ねてしまうことはあってはならないのです。
 これはその人が生活要支援者だろうが健常者だろうが、老若男女関係ない基本的なことです。
 何かあったとき、自分の命はどうやったら守ることができるのかをしっかりと考え、起こり得るであろう「何か」に備えておくこと。それが「自助」です。
 もちろん、命を守るための支援が必要な場合もあるでしょうから、必要な支援をお願いしておくことが「共助」です。
 生き残り、命を守ることができて初めて行政機関の支援である「公助」の出番なのです。
 もちろん行政機関が出す避難勧告や避難指示を避難の判断とすることは問題ありませんが、最終的になんの被害もなく不要な行動だったとしてもそれは結果論です。避難しなければならない事象は予測されていて避難する決めたのは自分なのですから、避難勧告や避難指示を出した行政機関を責めるのは筋が違います。
 自分の安全は自分で守ってください。
 そのための判断基準の一つとしての避難勧告や避難指示だということは忘れないようにしたいですね。