おんぶと抱っこ

 乳幼児とその保護者の方の研修会でよく出てくる話に、子どもとの避難では抱っこがいいのかおんぶがいいのかという質問があります。
 専門家によってさまざまな意見がありますが、筆者はどっちでもいいので子どもさんが慣れている方で、抱っこひもやおんぶ紐を使ってしっかりと固定し、保護者の両手が開けられるようにすればいいと思っています。
 というのも、最近の乳幼児は割と抱っこされ慣れているような気がするからです。逆に、おんぶ慣れしていないので、いざというときにおんぶをすると嫌がってしまうのではないかと思っています。
 人の身体の構造を考えるとおんぶの方が理にかなってはいると思うのですが、おんぶをしようとしてバランスを崩してしまっては何にもなりません。
 その子が慣れている方法で運んでやればいいと思います。
 ただ、どちらにしても子どもは運ぶ人の身体にしっかりと括られていなければ危険です。
 抱っこ、おんぶ、どちらでも構いませんので、固定は手だけではなく、道具を使って身体と身体をしっかりと繋げるようにしてください。
 また、子どもを担ぐ反対側に非常用持ち出し袋をつけると、両手を開けることができますので、子どものアイテムを追加して運ぶこともできます。
 あまり勧められるやり方ではありませんが、子どもと保護者、両方を守るためには必要な荷物ですので、そのことを考えて子どもさんを運ぶ方法を考えてもらえればと思います。
 ちなみに、ベビーカーは災害発生前の避難であれば使えると思いますが、災害発生中、あるいはその後では使うと危険なことがありますので、もしも何らかの事情でベビーカーを使うのであれば、可能な限り早めの避難をお勧めします。