企業のBCPの憂鬱

 企業のBCPを考えるのが難しいと感じるのは、全ての被害を0にしたいと考える経営者が非常に多いため、優先順位が全て並列されてしまうのでまともなBCPができなくなるというところです。
 専門的にBCPを作っている会社ではそのあたりは上手にまとめて作られていますが、いろいろなものがてんこ盛りなので企業の内部の人達にまともに浸透せず、つくっただけという残念な結果に終わっているところが多いです。
 BCPがきちんと組織の血肉になっているかどうかは、今回のコロナ禍で組織がどのような対応を取ったのかを考えてみるとすぐ分かると思います。
 はっきりと被害のわかる自然災害なら常時と非常時の切り替えもはっきりしているのですが、今回のコロナ禍では独自に判断して非常時に切り替えたところもあれば、政府が緊急事態宣言を出してからも相変わらず常時の対応をするところもあり、BCPがどのように発動されるのかを検証する一つの材料になるのではないかと思います。
 どの判断が正しくてどの判断が間違っているというわけではありませんが、その企業のBCPの発動基準がどうなっているのかが気になるところではあります。
 ともあれ、企業である以上利益を得るためにはできる限り企業活動を止めないような方法を考えなければいけません。
 その時に何が優先されているのかを検証してみると、企業の将来性が見えるかもしれませんね。