避難所の安全確保

HUGの様子。基本的なレイアウトが学べる、かも?

 避難所を運営する上でもっとも気をつけないといけないことは、入居者の安全です。
 生活空間なのですから、避難所にいる間はできるだけ気持ちを落ち着かせることのできるような空間作りを考えておく必要がありますが、そこで考えなくてはいけないことは「不審者対策」です。
 この不審者というやつ、ちょっとした気分で発生するやっかいなもので、見知らぬ人であれ顔見知りであれ、あなたにとって不審者になり得るということを気に留めておいてください。
 不審者対策で意識しておきたいのが、あらゆる場所の出入口です。
 この出入口の善し悪しで、ある程度犯罪の発生は抑えることができます。
 悪さをしようという気になっても、物理的にそれを阻止することで安心できる空間作りをするということですね。
 例えば、避難所に立ち入るための出入口はできる限り一カ所に絞った方が目が届きます。情報掲示板や喫茶スペースなどを手近に作っておくことで、自然と人がここを通過するようにしておくと、常にたくさんの目がある状態になるので、外部からの不審者が入りにくくなります。
 また、避難所内部でいうと男女のトイレは可能な限り離しておいてほうが安全です。
 構造的に同じ場所に作らざるを得ない場合でも、出入口を可能な限り離すことで不審な動きをしている人をすぐに見つけることができます。
 着替えや授乳などにスペースも、一般の避難者が出入りするような動線から外れたところに作ると、のぞきに行こうとする人への抑止効果が期待できます。
 できるなら、パーテーションではなく、別に部屋を用意しておくと安心して着替えや授乳をすることができますし、それぞれの部屋には同性の管理者を常駐させておくと、より強力に内部の不審者を抑制することが可能です。
 不審者はありとあらゆる隙をついて犯罪を犯そうとします。
 可能な限り不審な行動にすぐ気づけるような避難所の配置にしておくことで、犯罪を抑止し、避難者の生活を守ることができるのです。
 こういった対策は、災害後に運営しながらやろうとしてもかなり困難が生じます。
 平時にしっかりと時間をかけて、安全な避難所の設計をしておくとよいのではないでしょうか。