値段のワケを考える

 折からの災害続きで、百円均一ショップでもさまざまな防災グッズを置いてくれるようになりました。
 防災の普及啓発をしている人達の中でも、百円均一ショップのグッズを利用して非常用持ち出し袋を作ってほしいという方も結構います。
 無いよりはあったほうがいいに決まっていますので、百円均一ショップでアイテム類を揃えることはいいのですが、基本的には値段相応だということを頭の隅に置いておいてほしいと思います。
 例えば懐中電灯。百円均一ショップでは小さくて光量の強い懐中電灯を扱っています。それはいいのですが、消耗品である電池が滅多に見ない規格のボタン電池だったりして、ほとんど本体が消耗品といったものもあります。
 また、エマージェンシーブランケットは、性能と値段が比例するアイテムです。無いよりはあった方がいいのですが、軽量な百円均一ショップのエマージェンシーブランケットは向こうが透けて見えるほど薄いです。
 保温効果はそれなりだと思いますが、厚手のエマージェンシーブランケットのように中で着替えをしたり、目隠しに使うにはちょっと難しそうです。
 別にだから駄目といっているわけではありません。無いよりはある方が良いに決まっています。でも、安いものを準備したのに高いもののような効果がないことに文句は言わないで欲しい。
 例えば、登山用のアイテムは防災アイテムになり得ますが、防災アイテムは必ずしも登山用アイテムにはなり得ない。値段の違いはそのまま能力の違いです。それを理解した上でアイテム類を揃えて欲しいと思っています。
 ただ、中には百円均一ショップのものの方がいい商品もあったりするので、そういったアイテムを探すのも面白いと思います。
 非常用持ち出し袋は使わないのが一番なアイテムです。でも、万が一使うような事態になれば、あなたの命を支えてくれる唯一のアイテムになるかもしれません。
そのことを考えた上で、準備をするようにしてくださいね。