多機能か、単機能か

携帯ラジオ各種
ラジオもいろいろある。メーカー品だから常に優秀というわけでもないのが悩ましいところ

 防災グッズを購入するとき、さまざまな機能がついているものが結構あることにお気づきだと思います。
 例えば、ラジオに懐中電灯と発電機、それに携帯電話の充電装置がついているもの、あるいは懐中電灯とランタンが一緒になっているもの。十徳ナイフのようにナイフに缶切りやドライバーなどがついているものなど、一つで何役もできるものがたくさんあります。
 つい便利だし荷物も減らせるからとそういった多機能なものを選んだりしてしまいますが、もしこれから購入するのであれば、その多機能が本当に必要なのか、いざというときに使えるのかをあなたの中で一度確認してみて欲しいと思います。
 例えば、最初に出てきた多機能ラジオの場合には、発電機の発電能力と携帯電話への充電容量を確認しておかないといざというときに役に立たないという悲しい思いをすることになります。
 発電容量の話は結構深刻で、よくガラケーと呼ばれる携帯電話の充電は可能でもスマートフォンは充電ができないというものもかなりあります。
 それから、多機能であるが故にラジオの受信感度が悪かったり、ノイズが混じったり、懐中電灯を使うとラジオが入らなくなったりするものもありますから、買う前にはしっかりと調べておくことをお勧めします。
 また、もし停電時にランタン兼用の懐中電灯を準備するのであれば、家族などの状況によっては、ランタンのまま使うしかない状況になることもあります。例えば、家族の集まっている場所でランタンを使いながら誰かがトイレに行くというとき、灯りをどうするかという問題が起きるのです。
 十徳ナイフにしてもそうで、本当にその機能の全てをあなたが使えるのかを、一度冷静に考えてみて下さい。
 非常用持ち出し袋にいれるアイテム類はなるべくコンパクトにまとめてしまいたいものですが、使わない、使えないものを入れておいても仕方がありません。

使う乾電池がマルチ化された懐中電灯。電源の多重化は安心材料の一つ


 一般的に、多機能なものは単機能のものに比べると複雑ですし、能力も劣ることが多いですが、これも品物によってまちまちです。自分で自分にあったものを探していくしかありません。
 では、どうやって使えるものを見つけるのか。
 例えば、防災の講演会や研修会で防災アイテムの展示がしてあることがありますから、そういったものがあれば展示品を確認してみましょう。
 また、ネット通販や防災のコラム、アイテム類を紹介している雑誌類などに書かれている記事もある程度参考にすることができます。
 まったくの外れを引かずに済むというわけにはいかないかもしれませんが、いろいろな情報を自分で集めて、その上で自分に向いた機能を持つアイテムを揃えるようにしてください。

汗ふきシートと身体ふき

 災害時に身体の衛生状態を維持するのは割と大変なことですが、あなたはどのような準備をしていますか。
 口腔衛生用として歯ブラシや歯磨きシート、そして身体をさっぱりさせるのには身体ふきシートを、それぞれ準備しておくといいと思います。
 身体ふきシートでは、よくノンアルコールのお尻ふきを準備するように書かれたものを見ますが、身体をきれいに保ち、かつ誰にでもどこでも問題なく使えるという点で非常によいものだと思っています。
 ただ、さっぱりとはしますがすっきりとはしないので、よりすっきり感が必要だと思われる方は、よく学生さんが使っている汗ふきシートを利用することをお勧めします。
 かくいう筆者は、先日山に登った際にこの汗ふきシートで汗を拭いてみて、その効果にびっくりしました。
 べたつきがすっきりと取れ、少しの間でしたが汗がしっかり止まり、つかの間ではありますが非常に快適な時間を過ごすことができたのです。

汗拭きシートの一例。さまざまな種類が出ているので、好みのものを探すのも楽しいのでは?


 夏場の避難所では、エアコンのない場所も非常に多いですが、そう言った場所でこういった汗ふきシートが使えれば、思ったよりは快適に過ごせるかもしれないなと感じました。
 汗ふきシートはお尻ふきほどしっかりとしたものではありませんが、両方を上手に使うと身体がかなり衛生的に維持できるのではないかと思っています。サイズも量も持ち歩くにはちょうど良い感じで、夏場の出掛けた先での汗対策を兼ねてローリングストックしてもいいかなと、筆者自身は考えています。

携帯トイレと使い方

携帯トイレ各種
携帯トイレの例。右側は大小兼用。左側は小のみ。中央は大小兼用だが便座が必要なもの。

 非常用持ち出し袋には携帯トイレを入れておくということは、このウェブサイトでも嫌になるほど書いているところですが、この携帯トイレについて説明が不足していたなと思ったので、今回はそれを追記しておくことにしました。
 携帯トイレは、文字通り持ち運びできる簡易的なトイレなのですが、書かれていない問題点があります。
 それは、ほとんどのものは小専用だということ。
 「男女兼用」と書いてあっても「大小兼用」とは書かれていないと思います。もしも「大小兼用」と書かれた物をお持ちの場合には、それはぜひ持っておいて欲しいと思いますが、そうでない場合、もし非常時に大きい方を催したときにはトイレがあるのに使えないというひどい状態に陥ります。
 ではどうするか。
 筆者のお勧めは、ペット用、できれば猫用のシートを準備しておくことです。

ペットシーツの一例。小専用よりも嵩は増えるが使いではかなりいい。

 猫を飼っている方はご存じだと思いますが、猫のおしっこは非常に臭います。そのため、猫用のペットシートは吸収能力の他に消臭能力もかなり優秀なものを持っています。
 それを敷いて用を足し、終了後は包んで消臭効果のあるビニール袋などに密封しておけば、持っていることを忘れるくらい快適に持ち運びができます。
 和式トイレが使える方なら、この方法で排泄処理はできると思いますので、携帯トイレを持ち歩かなければいけない環境の方は、是非一度試してみて下さい。

「出す」「飲む」「寝る」に「遊ぶ」「食う」

 昨日はストックすべきアイテムと数量がわかるウェブサイトをご紹介しましたが、多すぎてよくわからないという方のために、考え方を少し整理してみました。
 現在、当研究所で非常用持ち出し袋の研修をするときの考え方の基本は、この「出す・飲む・寝るに、遊ぶ・食う」をイメージするようにお話をさせてもらっていますので、今回はこの順番に何を用意すべきなのかを簡単に書いてみます。
 最初に極論しておくと、昔はやった「カウチポテト族」ができるような装備をイメージしてもらうといいと思います。

1.出す

携帯トイレ各種

 最初の「出す」は文字通り排泄物のこと。トイレが高度化されればされるほど、災害時には役にたちません。
 古いボットン便所や下が単なる便槽になっている簡易水洗などでない場合には、汚物を流すための水が使える見込みが立つまではトイレが使えません。
 でも、トイレは我慢できません。そのために、排泄できるための道具を準備しておこうということです。
 百円均一ショップなどでも携帯トイレは売っていますが、殆どが小専用です。
 非常用持ち出し袋にいれるなら、大小兼用タイプのものが荷物が減ってよいと思いますので、そういう目で探してみてください。
 生理用品やパンティーライナーといったアイテムもここに入ります。
 また、排泄物を捨てるためのにおい消しの効果のある袋と、汚物が外から見えないように捨てられる袋も準備しておきましょう。あと、いろいろ使えるトイレットペーパーもお忘れなく。

2.飲む

 ここで飲むのは飲料水のことです。水は重量物なので、自分が一日にどれ位飲むのかを考えて用意しておきましょう。
 水は生活の仲で非常に汎用性が高いアイテムです。できるだけ水の形で持ち歩くようにし、コーヒーや日本茶などは粉末やティーパックになったものを用意しましょう。
 また、折りたたみ式の小さなウォータージャグを用意しておくと、避難生活が続く場合でも水の確保がしやすくなります。

3.寝る

 意外と置き去りにされがちですが、寝るのは気力を維持するために非常に重要なことです。
 一番良いのは避難先に布団を持ち込むことですが、布団は非常用持ち出し袋には収まらないと思うので、床との断熱をするエアマット、枕、上にかける毛布、そして耳栓や明るさを防ぐ目隠しを準備しておきましょう。
 避難所でも、可能であれば床からは少しでも高い位置に寝るスペースをセットできると粉じんを吸い込まなくて済むので安心です。

4.遊ぶ

 忘れられがちですが、避難している時間は案外とすることがないものです。
 寝るにしても限度がありますから、気を紛らわせるためにもカードゲームや本、スケッチブックやおもちゃなど、屋内で退屈しなくても済むものを準備しておきましょう。
 携帯ゲーム機やネットゲームなどもいいとは思いますが、電源と通信環境は自前で用意する必要がありますので、そこのところには注意してください。

5.食う

 文字通り食べることです。食事であれば暖かくて普段の食事からあまり極端に変化しないものがいいと思いますが、とりあえず一日のことだと考えると、ポテチやスナック菓子、おせんべいなどもここに入れていいと思います。
 インスタント食品やレトルト食品もいいですし、そのまま食べられるレーションのようなものもいいと思います。
 自分がおいしいと思えるものを入れておくといいと思います。

 ざっくりと書いてみましたが、これに沿ってアイテムを準備していけば、とりあえずの避難準備はできることになります。
 お気づきの方もいらっしゃると思いますが、多くが家のどこかに収納されているアイテム類ですから、その置き場の一部を非常用持ち出し袋にしておけばいいと言うことになります。
 そうすることによって、非常用持ち出し袋も普段から目につくところに置かれることになるので、いざというときに慌てなくても済みます。
 ちなみに、普段リュックサックを背負わない人が持とうとすると、5kgでも結構重く感じると思います。
 背負って走ることのできる量がその人にとっての適正重量なので、それを考えながら準備していくといいと思います、
 まずは一日分をセットしてみてください。

非常用持ち出し袋や備蓄品の意味

市販品の子ども用非常用持ち出し袋の中身。これだけでは足りないし、いらないものもあるかもしれません。

 非常用持ち出し袋や備蓄品はそれぞれきちんと準備しておきましょうという説明がされますが、非常用持ち出し袋や備蓄品をなぜ備えないといけないのかについて考えたことはありますか。
 それは避難や避難先、避難生活で自分が直面するであろう困り事を解決するためにあらかじめ準備しておくものだということです。
 お困り事解決袋と考えれば、中身に何を準備しなければいけないのかがわかってくると思います。
 そして、非常用持ち出し袋や備蓄品の中身はみんな違うということも理解できるのではないでしょうか。
 例えば、老眼鏡や入れ歯、杖などは必要とされる人以外には準備しなくてもいいものですし、スマートフォンや携帯電話を持たない人であれば充電池を持ち歩く必要はありません。
 井戸や貯水タンクがあって水の心配がいらなければ飲料水の優先度は下がりますし、野菜や米が確保できるのであれば備蓄食を準備する必要がないかもしれません。
 避難所に毛布や布団がふんだんにあるのであればエマージェンシーシートやエアマットは不要でしょうし、周囲に薪がふんだんにあるのであれば燃料はいらないかもしれません。
 もし災害が起きて逃げるとき、そして逃げた後、あなたが直面すると思われるさまざまな困り事を解決するためには何を用意しておいたほうがいいのかを考えて準備をしておくこと。
 それにより、初めて非常用持ち出し袋や備蓄品が意味を持ってくるということを知っておいて欲しいと思います。

避難所に持ってくるものはあらかじめお願いしておく

 平時から避難所運営委員会が機能している地域では、避難対象になるであろう地域の人達に「避難するときに持ってきてほしいものと持ってきてほしい量」についてあらかじめお願いをしているところもあるそうです。
 考えてみれば、避難所として指定されている場所のうち、どこを最初に使うのかやどんなものが使えるのかなど、知っているようで知らないことがたくさんあります。
 小さな集落で普段使っている公民館などが避難先であれば、ある程度どこに何があるかがわかっているので何を持って行けばいいのかイメージもつきやすいと思うのですが、例えば学校や体育館、行政施設といった場所だと、何があるのか何が必要とされているのかイメージが沸かないことも多いと思います。
 避難所が避難所として機能するためには避難が長期化したときにも対応できるだけの設備が必要となりますが、残念ながら大きな場所になればなるほど、避難者用に使える道具がなくなっていくというのが実際のところで、避難時には家からさまざまなものを持参しなくてはいけないことになります。
 でも、例えば「食料はそのまま食べられるものを2日分」とか「水は一日1リットルとして2リットル」といった風に具体的に避難所に持って行くものが指示されていれば、準備する方はそれに従って準備すれば良いのでかなり気分が楽になります。
 いつ避難所が設置され、いつまで耐えればとりあえずの救援物資が届くのかがわかっていればそれまでの命を繋げばいいだけなので、避難所運営委員会の人達も具体的な目安を指定でき、初動は各自が賄ってくれることが基本になっているので、避難所の設置初期におきるさまざまなトラブルの一部でも心配をしなくても済むようになります。
 災害時にその避難所が避難所として機能できるのかということは、恐らく災害が起きてみないとわからないところはあります。
 ですが、地域の避難者を安全確実に受け入れて困りごとをなるべく減らすためには、平時からさまざまな約束事を地域全体で共有しておくことです。
 せっかく地域に避難所が指定されているのであれば、その地域で避難者を受け入れるための避難所運営委員会を普段から開催してお互いの顔つなぎをし、さまざまな約束事を決めておくようにすることをお勧めします。
 避難所に非常用持ち出し袋を持って避難することは自助ですが、避難所の設営や補給物資の管理、そして避難者に持ってきてもらうものを消えておくのは地域における共助になります。
 自助と共助を上手に組み合わせて、避難後に飢えや渇き、睡眠不足で苦しむことがないように準備しておきましょう。

量にあわせるか入れ物にあわせるか

市販されている子ども用非常用持ち出し袋の一例。必要なものはセットされているが、食料品や飲料水は入っていない。リュックはアイテムでいっぱいなので、何かを入れようとすると何かを出すことになる。

 非常用持ち出し袋のお話をしたときに良く出てくるものの一つに「食料品や水はどれくらい入れたらいいのか」というものがあります。
 非常用持ち出し袋のサイズによって量が決まるので、「安全に持てる範囲で入れてください」という回答になります。
 市販の非常用持ち出し袋を見ると、本当にいろいろなものがセットされています。ものによっては非常食や長期保存水までセットされていて、これ一つ備えればOKというようなものも売られています。
 これらの非常用持ち出し袋に共通して言えるのは、持ち出すものの量によって袋の大きさが決まっていると言うことです。
 妙な言い方になってしまいますが、袋に余裕がないので何か自分が必要なものを収めようとすると何かが入らないという事態が起こりえます。
 例えば、あなたがコンタクトレンズのケアセットを収めようとすると、非常用持ち出し袋の中のクッションを追い出さないと収まらないといった感じです。 
 非常用持ち出し袋の中身は、いろいろ入っていれば入っているだけ精神的に安心しますので、非常用持ち出し袋は大型化する傾向にあります。
 中には大型化した結果、背負うのではなくコロがついていて引っ張って歩くようなものも出ていますが、そこまでいくと非常時の持ち歩きに苦労するのではないかといらぬ心配をしたりもしています。
 ともあれ、基本は「保温」「乾燥」「保水」「情報」「安眠」の条件を満たせるようなアイテムをセットしていけばあなたに最適な非常用持ち出し袋を作ることができます。
 その結果として入れ物が大きくなるか小さくなるかは人それぞれですが、いずれにしても「飲料水」と「使い捨てカイロ」は必ず入れておいてください。
 怖いのは体を冷やすこととのどが渇くことです。どちらも人の判断を鈍らせてしまうものなので、判断力を維持するためにも準備を忘れないようにしてください。

常備薬をどうするか?

お薬手帳の表紙
よくあるお薬手帳。スマホ用アプリも出ているのでそれを使うのもいい。

 さまざまな持病を持っていて、普段の生活で薬が必要な人はそれなりにいるのではないでしょうか。
 大規模な災害が起きると、医療設備が破壊されたり使えなくなったりします。
 医療者はいても資機材がなければ医療処置はできませんから、本格的な医療行為は資機材がそれなりに手当てされてからのことになります。
 さまざまな薬の流通が再開されるまではそれなりに時間がかかるので、その間に薬により病気の重篤化が防げていた人の病状はどんどん悪化していくことになります。
 そんなことにならないように、持病を持っている人は自分が避難するときに備えて薬を1週間程度備蓄しておくことと、万が一に備えてお薬手帳のコピーを持っておくことをお勧めします。

 筆者も持病を持っていますが、あらかじめかかりつけ医に相談をして、1回だけ1週間分多めに処方してもらっておき、薬をもらうたびに入れ替えていくローリングストックで使用期限を維持しています。
 もしも薬が切れた場合でも、お薬手帳を見ればどのような薬が処方されていたかわかるので、逆説的にその人の病気がわかることになり、医師であれば適切な処方をすることが可能になります。
 最近ではスマホなどのアプリでも電子お薬手帳がありますから、そういうのを利用すれば荷物を増やさずに自分の医療情報を持ち歩くこともできます。

 特殊な薬が必要だったり、特定の医師が診た方がよい病気だったりするなら、平時にかかりつけ医以外でその病気を見ることのできそうな医師をかかりつけ医に確認しておくことが大切です。
 持病のある人やさまざまな理由で医療支援が生活の一部になっている人は、被災したら速やかに被災地域外に広域避難して、自分の病気が悪化しないために被災していない医療機関に支援をしてもらってください。
 そうすることで、自分の命を守ることができるだけでなく、被災で医療体制が悪化している被災地の病院の負荷を減らすことができます。
 今の日本ではなかなか広域避難という発想にならないかもしれませんが、万が一に備えて、準備だけはしておくようにしたいですね。

非常用持ち出し袋と筆記用具

普通の人にはあまりおなじみでないダーマトグラフ。ざっくりなイメージではクレヨンの芯に薄い紙が巻き付けてあって、糸を引いて芯を出していく筆記具。いろんなものに書けるので便利だが、小さなメモ帳に核のには向かない。

 非常用持ち出し袋に必要な資材を示したリストには、多くの場合メモ帳と油性ペンなどの筆記具が入っています。
 一見なんに使うのか分からないアイテムなのですが、これは避難後に大活躍するアイテムですので、必ず非常用持ち出し袋に入れ、折に触れてきちんと書けるかどうかのチェックをしておいてください。
 メモ帳は、さまざまな伝言や避難所などのスケジュールの聞き書き、場所取り、記録などさまざまなことに使います。緊急連絡先なども忘れないように書き留めておくと、あとで非常に助かることがあります。
 筆記具では油性ペンが大活躍します。印をつけたり、記録を取ったり、油性ペンの性質上、さまざまなところに書けますので、もしも紙が無くてもその場にある物がメモ帳代わりになることもあります。
 メモ帳はあると助かるというアイテムですが、油性ペンや鉛筆などの筆記具は無いと困る物の一つです。
 準備が面倒くさいという人でも、最低一本は何か書くことのできる道具を準備しておきましょう。これがないと連絡一つ取るのにも大変な苦労をすることになります。
筆記具で言うと油性ペンが万能に思えるのですが、残念ながら濡れている面には書くことができません。そのため、濡れている面にも書くことのできる鉛筆やダーマトグラフ、クレヨンなどを一緒に入れておくと便利です。
 いずれにしても、非常用持ち出し袋だけでなく防災ポーチや備蓄品の中にも、メモ帳と筆記具を忘れないように入れておきましょう。

非常用持ち出し袋に一枚「巻きタオル」

巻きタオル。筒にしても使えるしバスタオルとしても使える。何気に便利なタオル。

 「巻きタオル」というのをご存じですか。小学校などの水泳の前後に着替えに使っていた人もいると思いますが、大きなバスタオルで筒にできるスナップボタンがついていて、首から落ちないように上側になる部分にはゴム紐が入れてある着替えもできるバスタオルです。
 「ラップタオル」という呼び方もされるようですが、非常用持ち出し袋にこれが一枚はいっているといろいろと使えます。
 用途通りに身体を拭いたり、この中で着替えをしたり、防寒着になったり、広げるとちょっとしたタオルケットになったりもします。丸めれば枕、紐や洗濯ばさみを使えば間仕切りや簡易カーテンにもなりますし、見せたくない洗濯物を干すときのカバーとしても使えます。
 お値段もそんなに高くなく、非常用持ち出し袋から溢れてしまうような大きさでもありませんので、非常用持ち出し袋に一つ入れて置いてはいかがでしょうか。
 非常用持ち出し袋に入れる前には、一度サイズが自分に合うかは必ず確認してくださいね。また、子どもさんの非常用持ち出し袋に入れる場合には、定期的にサイズ合わせすることをお勧めします。
 身体の大きさがきちんと隠れるサイズの巻きタオルでないと、いざというときにこまったことになりますから、それだけはご注意を。