避難所が対応している災害を確認しておこう

 「災害発生→避難所」が一般的なイメージになりつつありますが、避難所でも災害によって使えたり使えなかったりすることがあることをご存じですか?
 あらゆる災害に対応できる万能な避難所があればいいのですが、そんな場所は実際のところ殆ど無いといっていいでしょう。
 避難所のある場所によって、水没したり土石流に襲われたりする危険があったり、火事や津波に襲われたりする危険など、何らかの問題があることが殆どです。
 そのため、避難所に「避難所として使える災害」を明記することが求められています。
 石西地域では吉賀町がこのルールに従った表示をしており、その避難所の性格がその場でわかるようになっています。

吉賀高校に掲示されている避難所の適用表示。この表示に従えば、土石流や崖崩れ・地すべりのときにはここは避難所として使えないと言うことが一目で分かる。

 益田市と津和野町では「災害避難場所」「避難所」という表示しかされていないため、住んでいる地域の避難所がどのような災害に対応しているのかを役所が作成した防災計画により事前に確認をしておかなければなりません。

津和野町と益田市の避難所表示。どのような災害にその避難所が使えるのかが、この表示ではわからないため、現在の吉賀町のような表示が標準化された。余談だが、益田市→津和野町→吉賀町と避難所表示の変遷が分かるのは面白い。

 例えば、当研究所のある場所の避難所は「高津小学校」と指定されていますが、ここは水害では思い切り水に浸かってしまうことがハザードマップからわかっています。

益田市作成のハザードマップより該当部分を抜き出し。凡例は該当部分のみ抜き出した。これによると高津小学校と高津地区振興センターはともに1.0m未満の水没が予測されている。

 では、実際に防災計画の中の避難所の種類を確認してみましょう。

「平成30年度益田市避難所開設予定場所」より該当部分を抜粋。

 あれ? 「水害」のところにはなぜか「○」がついています。同じ状況の高津地区振興センター(高津公民館)は「水害」の欄が空欄です。なんでだろう???
 周囲が完全に泥地と化した中、1メートル水没している校舎の中に1,000人の避難者が押し合いへし合い・・・。
 あまり考えたくないので、この際行政の計画はあてにしないで自主的に避難先を「高津中学校」に設定することにしました。
 こんな風に、避難計画がきちんと検証されていない場合も想定されますので、市町の避難所開設予定一覧だけを鵜呑みにするのではなく、平時にハザードマップや地形を見ながら「どの災害はどこへ避難する」をあらかじめ決めておくようにしたいですね。
その際には、避難所までの避難経路も複数設定し、あわせて確認しておくようにしましょう。

災害警報の種類について考える

 ここ最近、九州や沖縄地方では大雨が降った場所があり、さまざまな被害が出ているようです。
 大きな被害がないことを願うところですが、平成の最後に政府が大雨や土砂災害についての防災情報や避難情報を5段階にレベル分けするという方針を出したことをご存じでしょうか。
 遅くとも梅雨時期となる6月までには運用を開始したいという話だったのですが、現時点ではまだ情報が確認できず、内閣府防災のホームページからもデータが削除されている状態です。
 ちなみに、予定されている防災気象情報(仮)の表示は次の通りです。

これに対して、今までのは次のとおり。

 平成30年西日本豪雨では、各行政機関が今までにないくらいさまざまな情報を提供していました。
 ところが、マスコミや住民といった情報を受け取る側が、提供される情報の整理ができなくなったため「情報を簡単にわかりやすくしろ」となり、「警戒レベルを作る」という流れになったようです。
 ただ、どのように情報をシンプル化したとしても、最終的には自分で判断するしかないというのは変わりません。
 行政が出す情報は、ピンポイントになってきているとはいえ「○○市○○町」や「○○町○○」といった「小さな面」の情報であり、あなたが考えないといけない「自分の居る場所という点」がどうなるかは自分で判断しなくてはなりません。
 このことを忘れてしまうと「避難勧告が出て避難しようとしたらすでに周りは水没してた」とか「避難の途中で遭難したが家はなんともなかった」といった事態になりかねません。
 自分の居る場所でどのような災害が想定できるのか、そして、どの情報に注意しなくてはいけないのかについて、今のうちに整理をして備えておいた方がよさそうです。

(2019年5月28日追記)
 本文中で情報が消えていると書いていましたが、どうやら当研究所の調査不足だったようで、内閣府から2019年3月29日付で警報のガイドラインに関する改正が出されていました
 ただ、実施時期については「出水期」という規定しか無く、実際にいつから運用されるのかはよくわかりません。
 ガイドラインを見る限りでは、「レベル」と「そう判断している状況」を併記して発表するような形になるようですが、発表の方法は各地方自治体によるようですので、混乱が起きなければいいなと思います。
調査不足だったことをお詫び申し上げます。

(2019年5月29日追記)
 いつから始まるか分からないと昨日書いたところですが、本日5月29日から気象庁でこのレベル表示を開始するという報道が朝のNHKラジオニュースで報道されました。その後報道各紙でも同様の内容が報道されているため、事実だろうと思われます。
気象庁のホームページ内の報道発表資料には伝え方改善の一環として「5/29より土砂災害警戒情報や指定河川洪水予報に相当する警戒レベルを記載して発表する」との記載も確認できました。
 各市町村は準備ができ次第順次導入されるとのことですので、お住まいの地方公共団体の報道発表に注意をしておいておいたほうがよさそうです。
 重ね重ね、情報が不備であったことをお詫びいたします。

キッチン用ラップとアルミホイル

 非常用持ち出し袋に必ず入れる必要はありませんが、非常用備蓄品としてキッチンラップとアルミホイルは予備を一つ準備しておいてください。
 これらはさまざまなアイテムに化けることができ、あるのとないのとでは生活レベルに格段の差がでます。
 キッチン用ラップは食器に被せれば洗い物を出さなくてすみますし、くしゃくしゃにすると食器洗いにも使えます。
 体にまきつけた新聞紙の上から巻けば体の保温ができますし、ねじってこよりにするとひもの代用品、布テープと組み合わせれば割れた窓の補修にも使うことが可能です。
 アルミホイルはフライパンに敷けば、汚れ物を出さずに焼き物ができますし、四隅を立てれば立派な食器になります。
 丸めればタワシになりますし、光や熱の反射板としても使うことができます。
 普段何気なく使っているキッチンラップとアルミホイルですが、いざというときにはとても頼りになるアイテムです。
 非常用備蓄品として、いつも一つだけストックを増やしておけるといいですね。

【活動報告】初めてのワークショップを開催しました。

 令和元年5月3日にワークショップ「空き缶でご飯を炊こう」を開催しました。
 最初ということもあって会員限定で行いましたが、当日は天気にも恵まれ参加していただけた皆さんも楽しんでいただけたようです。
 途中、空き缶コンロの火が消えてつかないというハプニングもありましたが、なんとか上手に炊きあがり、参加した皆さんでおいしくいただくことができました。

今後ともいろいろなワークショップを開催していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

○ワークショップ「空き缶でご飯を炊こう」
 350mlの空き缶を二つ用意して、鍋とコンロを作ってみました。

・材料
350mlの空き缶二個、アルミホイル、缶切り、カッターナイフ、きり、燃料
炊くためのお米とお水

・作り方
1.まずは二つとも飲み口のある側を缶切りで切り取ります。

2.そのうちの一つの胴部分にカッターで穴を開けます。

これでコンロのできあがり。

3.空き缶一つでおよそ1合のご飯が炊けます。ご飯を入れて研ぎます。

4.炊くためのお水を注ぎます。お米よりも2.5cmくらい多めにします。所長は自分の人差し指の第一関節までと決めてます。


5.アルミホイルで包みます。お腹が減っていなければ、ここで1時間くらい水を吸わせるとさらにおいしいご飯になります。

6.コンロに燃料を入れます。今回は料理屋さんの一人鍋についている固形燃料を使います。

7.火をつけてご飯の入った缶を上にのせます。

木をくべてみるが、風の通りが悪いせいかうまく燃えてくれなかった。

7-1.固形燃料の火が消えました。慌ててその辺にあった木ぎれをくべましたが、火がなかなか続きません。吸排気がうまくいっていない感じなので、上部に排気口をきりで開けてみます。

 新しい固形燃料を入れると、今度はうまく燃えてくれました。
8.うまくいくと、やがて「チリチリ」「グラグラ」といった小さな音が聞こえてきますので、
その音が止むまで火にかけたままにします。

9.音が消えたらご飯の入った缶を火から外してひっくり返して蒸らします。
10.10分くらいしたら元に戻してアルミホイルを外します。

火力調整が悪かったのか、ちょっとだけ堅かった。

11.きらきら白ご飯の炊きあがり。

一人スプーン二杯程度しか食べられませんでしたが完食でした。そこにもお焦げはできなかったので、終了後は水で洗ってリサイクルに出せました。

 ご飯を炊くときにはお米の量と水加減、火加減によって炊きあがりがさまざまに変化しますが、空き缶でやるととくに顕著ですので、いろいろと試してみると面白いと思います。

 アルミ缶は非常に薄いので、卓上コンロなどのガスを使うと高温で溶けてしまう可能性があります。
 また、炊きあがりは非常に缶が熱くなりますので、手袋などを使ってやけどしないように気をつけてください。
 なお、アルミ缶のこういう使い方は製造元では想定していませんので、真似してトラブルが起きたときの責任はされた方の自己責任でお願いします。