マイタイムラインを準備していますか

 災害というのを大きく分けると、地震のようにいきなりやってきて被害が発生するものと、台風や大雨のようにある程度被害が来るのが予測できる時間があるものがあります。
 地震の訓練はシェイクアウトから安全な場所への避難という一連の流れが訓練されていることが多いのですが、被害が来るのが予測できる時間があるはずの台風や大雨の訓練というのはあまりされていない気がします。
 短時間に大量の雨が降って排水量を超えたことによる内水面越水のような事態ならともかく、そうでない場合には安全を確保して備えるための時間が与えられています。
 この時間をどのように使うのかということと、自宅の危険性、そして避難が必要だとするとどの時点で避難を開始すべきなのかといったことを事前に決めておくことをタイムラインといいます。
 なくても問題ないという人もたくさんいらっしゃるのですが、いざその時になってみると例えば避難の開始などのタイミングを決めかねてしまって、結局救助をしてもらわないといけなくなったといったことがよく起こりますので、安全なときにこそ災害時の自分の動き方の計画を立てておきましょう。
 タイムラインでは、「いつ」「誰が」「どこで」「どうなったら」「どんな行動をとる・どんな準備をする」ということを決めておきます。
 作るときのポイントは、資材の調達などは少し早めに行動をするということ。
 例えば大型台風による被害が想定される場合に、台風の来る前日、前々日にガムテープを用意するとタイムラインに書き込んだとしても、お店になければ調達ができません。
 一例を挙げてみますと、令和2年8月31日に大型の台風10号が発生しました。
 9月2日くらいから気象庁が警戒を呼びかける情報発信を始めます。9月3日には特別警報級の勢力になって沖縄・九州奄美地方に接近上陸する恐れがあるとの情報も発信されました。
 9月4日夕方には925hpaまで気圧が下がり、台風が西日本を直撃するという進路予測も出、マスコミがこぞって取り上げたせいでしょうか、台風に備えてさまざまなところが計画休業などを行うところがかなり出てきました。
 9月3日から、とあるホームセンターの養生テープとガムテープの棚の動きを定点観察していたのですが、3日は通常どおり、4日には棚に空欄が目立つようになり、5日には在庫がなくなっていました。
 このことから考えると、人が動く前に必要な部材を確保しておく必要があるということがわかると思います。
 その資機材の調達タイミングは意識しなければ殆どの人が同じ時期に集中してしまいますから、わかっているのならばそれ以前に調達しておくことで確実性を揚げることができます。そういったさまざまなタイミングを決めておくのが、マイタイムラインというものなのです。
 条件を満たしたら、そこでは考えずに定めてある計画どおりに行動をする。決めてないから迷うので、スイッチと行動を決めておけば確実に安全を確保することができます。
 タイムラインは簡単にできて絶大な効果のあるものですから、ぜひ一度作ってみることをお勧めします。

マイタイムラインを作ろう

 地震のようないきなり発生するような災害を除くと、その大小はありますが災害には予兆が必ずあるものです。
 とくに大雨や台風など、水に関する災害はある程度予測がつくので、その予測に従って行動すればあなたの安全はとりあえず確保されることになります。
 ところで、水に関する災害に関しては現在警戒レベルが決められていてそのレベルに応じた行動をすればいいことになっているのですが、一つ問題になるのが、この警戒レベルの発表基準が面的なものであるということです。
 例えば、「○○市××町に避難勧告が出されました」と聞くと××町の人は全て避難所に避難するようなイメージになるのですが、実際のところは避難勧告が出る前に水没している家屋があったり、避難する方が危険な場所に住んでいる人がいたりします。
 そのため、自治体が発表する警戒レベルだけではなく、自分の住んでいる場所の警戒レベルを作って置いた方が安心です。
 住んでいる場所の警戒レベルというと難しそうに聞こえますが、実際のところは、「家の裏の溝が溢れたら避難する」とか「近くの水路の水が8割くらいの量になったら避難する」というような避難をすべき判断基準を作るという作業で、その際に活用できるのが「タイムライン」です。
 タイムラインの作成は3日前から始まることが多いのですが、あなたが避難するために必要なさまざまな情報収集や準備の順番や段取りを決めていく作業ですが、この中にあなたの住んでいる場所の避難判断基準も入れておくのです。
 タイムラインは「東京マイ・タイムライン(東京都のウェブサイトへ移動します)」や国土交通省下館河川事務所が出している「みんなでタイムラインプロジェクト(国土交通省下館河川事務所のウェブページへ移動します)」を確認していただければタイムラインの詳しい考え方や作り方がご理解いただけると思います。新型コロナウイルスで家から出られないこの時期だからこそ、あなたやご家族と一緒に作ってみてはいかがでしょうか。
 これからは梅雨、夏の大雨、そして台風と水の災害がいろいろと起きてくるかもしれません。まだ何も起きていない今の時期だからこそ、あなたのタイムラインをしっかりと整備して、いざというときに余裕を持って避難ができるようにしておきたいですね。