【活動報告】水難事故防止講習会&水遊びを開催しました

 去る8月7日、高津川支流の匹見川上流部で、今年度の「水難事故防止講習会&水遊び」を開催しました。
 今年度は大規模周知をかける直前で新型コロナウイルス感染症の流行が始まってしまったため、主に事前周知できた当研究所研究員達の参加となってしまいましたが、水への浮き方や救助の待ち方の確認をし、川の危険な場所について目視や実際にその場所に行って水の深さや川の流れを確認していました。

流されたら「浮いて待つ」ことが大事。

 ただ、講習に入る前に投棄された釣り針を研究員が発見して確保。こういった投棄された釣り針も危険だねという話もすることができました。

釣り針の不法投棄は危険な事故につながる。

 そのあとは恒例の水遊び。川にいるゴリを網で取ったり川流れ、沢登り、淵への飛び込みなどを思い切り楽しみ、暑い中ではありましたが、楽しい時間を過ごすことができました。

沢の中を歩いたり、流されたり。全身の感覚を研ぎ澄ませて登っていく。

 途中昼食休憩のときにゴリの入った虫かごを置いておいたら、盗まれるといったハプニングもあり、今回は事故防止だけでなく防犯対策についても考えることのできる会となりました。

毎年恒例の豚汁は今年も大好評。スイカの差し入れもいただき、川の水で冷やしたスイカも堪能しました。

 日程の都合上、本年度はこれで終了となりましたが、また来年、今度は一般の親子ふれあいも兼ねてにぎやかにできたらいいなと思っています。
 今回参加してくれた研究員と子供たちに感謝すると同時に、水の事故が少しでも減るといいなと思っています。

代替品と正規品

 防災の講習会や研修会などでは、よく「〇〇を使うと××の代わりになります」といった内容の話をされることがあります。
 当研究所でも、実際に本当に代替品が機能するのかについて、実際に、例えば学校の防災クラブの時間に子供たちとゴミ袋レインコートを作ったりすることもあるのですが、結論から言うと、うまくいかないと考えたほうがいいです。
 該当するアイテムを準備できるのならば、ごみ袋レインコートを作るよりも普通のレインコートを準備したほうがいいということです。
 同様に、新聞紙のスリッパの作り方を知っておくことも大切ですが、それよりもちゃんとした靴やスリッパを準備しておいたほうが安全確実に足元を守ることができます。
防災講習会や研修会でそういったアイテムの作り方を知っておくことも大切ですが、それよりも代替品に頼らなくても済むような準備を怠らないほうがいいのかなと考えます。
 代替品はあくまでも代替品ですし、防災グッズに関して言えば、ほとんどのものは値段の差がそのまま性能の差です。
 できるだけ正規品を使い、しっかりとしたアイテムの準備をしておいたほうが安心確実なのではないかと思っています。

【活動報告】蚊取り線香づくりを開催しました

 2022年8月5日に益田市の四つ葉キッズスクール様で蚊取り線香作り体験を開催させていただきました。
 当日は18名の子供たちに、除虫菊やヨモギの話、そして蚊取り線香の色の違いなどを説明した後、実際にケーキの口金を型にして蚊取り線香を作ってみてもらいました。
 最初は粉を混ぜ合わせるのにおっかなびっくりの子供たちでしたが、やがて泥遊びと同じ要領と気づいたようで、とても楽しそうにこねて、型に詰めていました。


 粉の分量は同じなのですが、水の含有量やこね方によって嵩がが変わるため、口金一つでちょっと余った子もいれば、口金を2個使っても練った粉が余った子たちもいて、非常に楽しそうにやってみてくれました。
 もともとは当研究所の研究の一環として、身近に手に入るもので避難所の虫よけが作れないかというものの中の一つとしての蚊取り線香作りだったのですが、ちょっとした工作に向いているのかなと感じました。
 資材はまだ残っていますので、夏休みの活動の一つとして取り入れてみたい学童クラブ様や団体様がいれば、お声がけいただければと思います。
 今回、こういう機会を作っていただきました四つ葉キッズスクールの先生方、そして参加してくれた子供たちに感謝します。

もしも被災してしまったら

 東北や北陸を中心として、全国的に大雨による被害が出ているのですが、被災された方にはお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧ができることを願っています。
 ところで、災害にあったらどのようにして復旧の段取りをつけていくのかを考えたことがありますか。
 いろいろと片付けていかないといけない問題があるのですが、内閣府広報でそれをある程度わかりやすくまとめたものが作られていますのでご紹介しておきます。

住まいが被害を受けたとき 最初にすること(内閣府広報のウェブサイトへ移動します)

また、勝手にやってきてボランティアのように見せかけて片づけを手伝おうとする人や、保険申請手続きを代行するなどと言って近づいてくる人は信用しないでください。
法外な手数料を請求された上に、後々までさまざまなトラブルに巻き込まれてしまいます。

ご用心 災害に便乗した悪質商法(国民生活センターのウェブサイトへ移動します)

もしも被災したらを考えて、普段から備えをしておくことをお勧めします。

死ぬところを想像してみる

 災害の研修をするときには危険から身を遠ざけることの大切さを説明するのですが、その時に「自分が死ぬかもしれないと思っているか」を聞くことがあります。
 災害の研修会で自分の身を守るための話を聞いているのに、自分が死ぬかもしれないと考える人はまずいません。
 ごくたまにいることがありますが、そういった人はものすごく真剣に研修を受講しています。
 人間の特性なのか、なぜか自分だけは死なないと思い込んでいる人が非常に多いのが気になるのですが、被災したとき、さまざまな理由から自分が死んでしまうことは当然考えられます。
 でも、楽観思想なのか周囲の人はだれか死ぬかもしれないが、自分は死ぬというイメージがつかないというのが実際なのでしょう。
 正直なところ、災害で死んでしまうときには、その死体はあまり人がみることができる状態にはなっていません。
 そういう状態がイメージできればもっと真剣に考えるのかもしれませんが、見ていないものや体験していないものをイメージするのはかなり難しいものです。
 でも、自分が死ぬところをイメージしたとき、どんな死に方をすればいいのかについて、一度考えてみてもいいのではないかと思います。
 誰もいつか死にますが、その原因が災害にならないように、災害で死んでしまうかもしれないという想像をしながら研修会や訓練に参加してくれるといいなと思っています。

猫の熱中症

 筆者の家には猫がいるのですが、この猫が大のエアコン嫌い。
 エアコンのスイッチが入ると、部屋から出てエアコンのない部屋で伸びているのが日常です。
 ただ、この間の酷暑の日、日中はそうでもなかったのですが、夜になるに従ってだんだんと息が荒くなって体も震えてきたことから、もしかして発熱かということで人間用の非接触式体温計で体温を計測してみました。

深部体温ならこれくらいあるが、冷却装置の耳でこれはちょっと問題。

 すると、38.4度という表示。普段この猫は耳で測定すると36度台ですから、耳でこの温度になっているということは十分に排熱できていない感じです。
 触ってみると、普段は割と冷たい肉球や鼻の頭がかなり熱くなっていて、こころなしか目もうつろ。単に眠いだけかもしれませんが、それにしてもちょっとしんどそうで、さては熱中症になってしまったかということで、体を冷やす対策を考えてみました。
 人間であれば太い血管のある場所に氷を当てて熱を冷ますのですが、猫の足の裏や耳に氷を当てたら、間違いなく猫に怒られます。
 うちの猫は毛がふもふもでかなり密度も濃いので、そもそも熱をため込みやすいようなのですが、全身毛刈りは最後の手段として取っておくことにし、まずはふもふもの毛を冷たい水で拭い続けるという作戦を取りました。
 水浸しではないものの、割と水を含んだ不織布で体の毛の上から、毛に水を含ませるように撫ででいくと、最初は不織布も毛も割と早く乾いていましたが、続けているうちに毛がしっとりとしてきて、猫の息も穏やかになってきました。
 試しに頭の上に濡らした不織布を置いてみたのですが、普段なら絶対に嫌がって落として逃げるのに、この度ばかりはご機嫌で頭に載せたままじっとしていました。

頭にのせた不織布はしっかりと湿らせてあり、耳を冷やすことで冷却効果を期待。

 結局1時間くらい全身を冷やす作業を続けていたのですが、なんとか猫も落ち着いたので、その日はそれで終了とし、就寝しました。
 こんな手当で正しかったのかどうかはわかりませんが、翌朝からはエアコンからなるべく離れた風の当たらない、それでいて涼しい場所を探して寝っ転がっている風景が追加され、どうやら好き嫌いよりも体が大切と学習したようでした。
 今年は風が吹いていても熱風が吹き込んでくるような熱い状態が続いてます。
 屋内にいても、窓を開けただけでは熱中症になる可能性が高いです。
 屋内で過ごす人が冷房を使うのはもちろんですが、同様に屋内で飼っているペットも体が冷やせるように考えてやるといいかなと思います。

犯人はともかく・・・

 先日、家の基礎に穴を掘ってきゅうりを埋めていた何かがいることを書きましたが、そのおうちから連絡があって、同じ壁面のちょっとだけ離れた場所にまたきゅうりが埋められていたとのこと。

わかりにくいが、真ん中の物体がキュウリ。地面に埋まって黒く見えるのは配管。

 現地を確認したところ、確かに新しい穴ができていて、その中に爪か牙かでつけられた穴がたくさんあるきゅうりの端材が転がっていました。
 ちょっと離れた場所には、同じきゅうりと思われる、別なものが地面に転がっています。
 きゅうりを食べて、かつ埋めておくというのは非常に珍しいような気がするのでおそらくは前回と同じ個体ではないかと思うのですが、たびたび続くとちょっと困るという施主様のご意向で、対策を考えてみることにしました。

壁際の土が柔らかいために掘りやすく、掘っていると予測されるが、配管もあって掘られると悪影響が出そうなので対策が必要と判断。

 この手の対策では、餌をとる場所とその餌が埋められる場所の両方の対策をしておくのが一番いいのですが、このきゅうりがどこから来たのかがわかっていません。
 ご近所で少し聞いた限りでは、特に被害にあっているところは見当たらなかったので、餌をとる場所の対策は諦めて、埋めている場所に埋められないような対策をすることにします。
 埋められない対策としては、この場所をコンクリ張りにすることや、電気柵を張ることなどが考えられますが、費用対効果が悪い上に、ここには小さな子供さんがいますので、万が一の事故が起こっても困ります。
 「穴が掘られなければいい」ということなので、幅45cm、格子のサイズが5cmのワイヤメッシュを敷くことにしました。

穴堀りを防ぐだけなら、ワイヤーメッシュが結構使える。

 これを敷くと、掘っている犯人の体重で掘ろうとしたときにワイヤメッシュを動かすことが難しいので、これで諦めるのではないかということでやってみました。
 これでうまく言えばよし、だめなら次の手を考えます。
 鳥獣対策は地味でこれなら万全というものは存在しません。
 相手を考え、その相手が来ては困る場所に来たくなくなる対策を考えていかなければいけません。
 じきに地生えきゅうりも終わると思いますので、それまでこれでうまくいくといいなと思っています。

二重遭難は絶対に避ける

 災害が起きたとき、逃げ遅れた人を救助するような場面に出会うこともあると思います。
 その場合には、冷たいようですがまずはあなた自身の安全を確保することが最優先。
 危険がなければできる限り人命救助に協力すべきだと思いますが、周囲が何らかの理由でその場にいる人たちが危険な状態になっていたり、安全か危険かの判断ができない場合には、ひどいようですが逃げ遅れた人の救助を諦めて自分の命を優先させてください。
 災害で逃げ遅れた人を救助していて一緒に死んでしまったのでは、せっかくの命が無駄になります。
 災害救助のプロである消防や自衛隊の人たちも、災害救助でまず優先すべきは自分の命であることを訓練で叩き込まれています。
 それはその場で死んでしまうことで、本来なら助けられてはずの大勢の人も道連れにしてしまうことになるからです。
 ひどい言い方になりますが、まずは自分の命を最優先すること。ほかの人の命は、自分の安全が確保されている範囲で救助に参加するようにしてください。

犯人は誰だ?

 当研究所では有害生物対策もやっているのですが、有害生物といっても、当研究所の場合は野生の動物対策がほとんどです。
 野生動物対策をやっていると、さまざまな不思議な出来事に出会うことがあるのですが、今回出くわしたのもその一つ。
 「家の横、壁の下が掘られていてきゅうりが埋めてある。このきゅうりにはたくさん の動物の傷がついているが、どうしてだろうか?」
 というお問い合わせをいただき、写真を確認して現地調査したところ、建物の壁、コンクリートに沿った地面に穴が掘られていて、ご丁寧にキュウリが埋めてありました。

地面の中に緑色のものがあるのに気が付いて掘ってみたら出てきたとのこと。

鍬の手前のちょっと土が柔らかそうな部分が今回の現場。

 野生の動物には、こういった餌を隠す習慣のある生き物がいるのですが、ちょっと前からたまに悪さをするアナグマがいるので、今回はそいつの犯行ではないかと考え、犯人を特定したいとこのキュウリがどこから来たのかを聞いてみたのですが、キュウリの出所がわからないということがわかりました。
 近くにはキュウリを作っている方もいらっしゃるのですが、そちらでも被害は出ていないとのことで、犯人に加えて、このキュウリがどこから来たのかという謎も残ってしまいました。
 アナグマはそんなに遠くまで餌を持って逃げることはほとんどないので、そうするとカラスかなとも思ったのですが、それにしては穴がしっかりと埋め戻してあり、鳥ではあればお見事といいたくなる出来でした。
 ちなみに、見つけた餌を移動させて埋めておくという事例はさほど多いものではないようですが、アナグマ、タヌキ、カラス、クマ、猫などにそういった行動をとる個体がいるようです。
 結局犯人不詳のまま、キュウリは撤去して穴は埋め戻したのですが、わかるものであれば、この犯人がだれで、キュウリをどこから持ってきたのかを確認したいところです。
 さて、犯人は誰だったのでしょうか?

簡易トイレを使ってみる

実際に組み立ててみると、結構作り方が間違っていることがある。平時に練習しておくことが大切。

 災害時にもっとも困るのがトイレの問題です。
 水や食べ物はある程度我慢ができますが、おしっこもうんちも出すのを止めるのは非常に難しいものです。
 頭では「被災したらとりあえずトイレは使うな」ということはわかっていても、実際にその状況になってみると、ついいつもの習慣でそのままトイレを使ってしまったりします。
 汲み取り式や簡易水洗トイレであれば大きな問題にはならないのですが、浄化槽式や下水道式のトイレだと、汚物を流す下水管が断裂していたり、壊れてしまっていたりしてそこから溢れてしまうことや、断水時に使って汚物が流れなくなって、トイレが汚物で溢れたりする事態が発生します。
 そうなることを防ぐために、可能な限り早めにトイレを閉鎖し、簡易トイレを使えるようにしなければいけませんが、実際にやったことがないと、おそらくイメージができないのではないでしょうか。
 平時に実際に簡易トイレや仮設トイレを準備し、使ってみて、その使い心地や汚物の処理方法などを確認し、自分が使えるかどうかをきちんと確認しておいたほうが間違いないと思います。
 実際に使ってみると、おしっこの回数が結構多いことや、一日に使う簡易トイレの資材量が案外と必要だということ、そしてトイレの種類によって汚物処理の方法がさまざまだということに気づくと思います。
 備えるためには、まずは自分に関するさまざまな情報をしっかりと確認しておく必要があります。
 簡易トイレはその一つとして、しっかりと確認し、あなたが理解して使えるタイプの簡易トイレを準備しておくようにしてください。