保温を考える

風よけの中で空気を逃がさないのが基本

 寒くなってきました。
 これからの時期、災害で被災したらほとんどの場合寒空の下に放り出されてしまうことになりますので、命の維持に必要なものの一つである「保温」について考えてみたいと思います。
 さて、保温といいますが、暖を取るには二つの方法がありますので、これを整理して考えてみましょう。
 一つは、体の熱を逃がさない方法です。
 人間の体は体表面から常に熱を発散していますので、この熱を体の周りに閉じ込めるだけでも随分と暖が取れます。
 羽毛やウールなどを使った防寒着や裏起毛の服が温かく感じるのは、体から逃げる体温を外部へ逃がさない働きを持っているからです。
 防災用品でよく登場する、銀色のエマージェンシーブランケットも同じで、羽織ることで体から逃げる熱をブランケット内に閉じ込め、温かさを確保する構造になっています。
 どちらもポイントは体の周りの温めた空気を逃がさないということです。
 実は、空気が非常に効率の良い断熱材になりますので、便利グッズがないときには、段ボールやくしゃくしゃにした新聞紙を身に着けても似たような効果を期待することができます。
 気をつけないといけないのは、これらのアイテムは熱を作り出しているわけではないので、体が低体温で熱を作り出せない状況になっているときには役に立ちません。
 二つ目は、熱を作り出すこと。
 おなじみなのは使い捨てカイロだと思いますが、体から出る微量の水分で化学反応を起こして温める構造のこのアイテムは温めるエリアは狭いですが、少々冷えていても使っているうちにぽかぽかになる便利なアイテムです。
 他にもたき火やストーブなど、火を使ったものであれば火が作り出す熱によって体が温められ、非常に助かります。
 ろうそくなどの小さな火でも、やり方によってはそれなりに温まりますので、この火というものは温まるのには効率がいいものだなと思っています。

直火はかなり温かい。気持ちも落ち着くのが不思議。

 この二つを上手に組み合わせると、少々寒くてもなんとか寒さをしのぐことができます。
 体から熱を逃がさないことと、熱を作り出す道具を準備しておくこと。
 それらを考えて災害対策用の道具を準備したいですね。

【活動報告】イノシシ対策その後(~2022.11.10)

右下が破壊された仕掛け。ねじ曲がったので修繕不能になった。

 9月に入ってイノシシの出没が見られたことから、仕掛けていた罠を起動させることにしました。
 9月中は見向きもされなかったのですが、9月後半からでっかい2頭と小さな4頭が餌を食べに来るようになり、こいつら家族かなと思っていましたが、10月に入ると連続してかかって合計で4頭捕獲することができました。
 このうちの3頭はまだ小さく、サイズ的に4頭いた兄弟の3頭だと思われるのですが、残りの1頭が90kg超えの雄。
 この大きなイノシシ、オリの中でかなり派手に暴れてくれたのでオリの仕掛けがぶっ壊れてしまい、修繕しないと稼働できない状況に追い込まれました。
 ただ、監視カメラでの観察を続けたところ、猟期に入ったとたんにイノシシが来なくなり、現在継続して様子を見ています。
 猟期に入ってイノシシが警戒しているのか、それとも最後の追い込みとして他の場所でおいしい餌をあさっているのかはわかりませんが、これから冬に向けて山の餌はかなり減ってしまいます。
 空腹のイノシシが街に出ると人を襲いかねませんので、様子を見ながら引き続き捕獲を続けていきます。

【試してみた】牛丼缶を食べてみた

 牛丼缶というのがあります。
 牛丼で有名な吉野家さんが販売しているものですが、「非常用保存食」となっているとおり、災害時の食事としても使えるように冷たいままでも食べられるようになっているそうです。
 冷めた牛丼というとべっとりとして油が固まっていて食べられないという印象なのですが、本当においしく食べることができるのか。
 気になったので買って食べてみることにしました。


 お値段は、牛丼として考えるとかなり高いですが、非常食として考えたら妥当かなと思うくらい。
 缶切り不要のプルトップ缶で、開けるのは簡単です。
 開けてみると、イメージしたような冷たくなった牛丼が登場。
 温めたほうがよかったかなと思いながら、食材を箸で持ち上げてみると、案外と簡単に持ち上がります。


 たれはごはん全体にまぶされているような感じです。
 食べてみると、最初の一瞬、油のざらっとした触感を感じるものの、口内の体温で油が溶けてちゃんと牛肉の味がします。
 非常食なので、栄養のバランスを考えてのことだと思いますが、ご飯は麦飯。食感はプチプチします。
 筆者は麦飯が大好きなのでご機嫌でしたが、苦手な人は食べにくいかもしれません。それくらいしっかりと麦飯です。
 おやつくらいの分量かなと思っていたのですが、食べてみると結構満足感があります。ご飯が麦飯なのでしっかりと噛むというのもあるのかもしれません。
 缶詰なので、汁漏れを気にせずどんなところでも食べることのできる牛丼。
 麦飯好きな人、牛丼好きな人は非常食として一度試してみてはいかがでしょうか。

吉野家 缶飯牛丼12缶セット【非常用保存食】【常温配送/冷凍同梱不可】【送料無料】価格:9,180円
(2022/11/8 20:33時点)

【活動報告】「はじめての防災キャンプ冬の陣」を開催しました

去る11月5日から6日にかけて、益田市北仙道公民館において「はじめての防災キャンプ冬の陣」を開催しました。
今回は13名の子供たちが参加してくれ、一泊二日で疑似避難所での避難体験をしました。
当日の夜はかなり冷え込み、子供たちもなかなか眠れなかったようですが、それでも最後まで元気いっぱいにさまざまな企画に挑戦していました。
「またやってほしい」というご意見をいただきましたので、春になったらまた企画してみたいと考えていますので、興味のある方はご参加ください。
今回参加してくれた子どもたち、参加を許可してくださった保護者の皆様、忙しい中を手伝ってくれたスタッフの皆さん、北仙道公民館様をはじめ、さまざまな形で支援してくれた皆様にこころから感謝します。
本当にありがとうございました。

11月5日は世界津波の日です

 11月5日は「世界津波の日」に指定されています。
 2015年の国連総会で決定されたそうですが、この日は1854年の安政南海地震(M8.4)とそれに伴う大津波が紀伊半島を襲った日です。
 収穫したばかりの「稲むら」に火を放ち、村人達を高台に導いて多くの命を救ったという「稲むらの火」という逸話もこのときに誕生したのですが、この出来事に因み、11月5日を「津波防災の日」として選んだとのこと。
 日本では「津波」という言葉でほとんどの人が何が起きるのかをイメージできると思いますが、海外でもかなりの地域で「TSUNAMI」とよばれる自然現象になっています。
 ちなみに、太平洋地域で大きな地震が起きた時にニュースなどに登場する、ハワイにある太平洋津波警報センターの名称も「 Pacific Tsunami Warning Center(略称:PTWC)」となっていてやっぱり「津波」が正式名称になっています。
 ともあれ、あなたがお住いの場所がもしも海や沿岸部にちかい川に面しているようであれば、津波の影響はあるかもしれません。
 万が一に備えて、津波が起きた時にはどこへ逃げるのかについて、考え、そして実際に避難訓練もしてみてくださいね。

津波防災特別サイト(内閣府防災のウェブサイトへ移動します)

「おはしも」の「お」

避難中は絶対に押さない、そして急かさない

 先日お隣の国で群衆雪崩による死傷者が出たというニュースがありました。
 150名以上の方がお亡くなりになったということで、犠牲になられた方にはご冥福をお祈りいたします。
 日本でも平成13年に明石市であった花火大会で同じような群衆雪崩が発生し、11名の方が亡くなっていますが、大勢の人が密集した状態で移動を行っているとき、移動ができている間はいいのですが、何かの原因で移動の流れが止まってしまっても、止まった部分から後ろの人は止まれません。
 次々に人が押し寄せて圧縮状態になり、動けなくなって窒息してしまったり、倒れる人の下敷きになった圧死したりします。
 学校などの避難訓練で「押さない」「走らない」「しゃべらない」「戻らない」をまとめて「おはしもを守ろう」という言われ方をされることがあります。
 避難に限らず、人が移動するときの速度は人それぞれで、同じような速さにはなりません。
 そのため早い移動速度の人が遅い移動速度の人にひっかかると、そこで詰まってしまいます。
 ここで早い人が遅い人にペースを合わせることができれば事故になりませんが、遅い人を押してしまうと、そこで転倒事故が発生してしまいます。
 避難の時だけではなく、移動時にも絶対に人を押さないこと。
 特に大勢の人が移動しているような場所では、群衆雪崩を引き起こさないためにも、前の人にあわせた動きをするようにしてください。

【活動報告】小学校の避難訓練支援を行いました

 去る10月27日に益田市立高津小学校様で実施された避難訓練の支援を行いました。
 当日は大きな地震が発生し、津波が来るために高台へ避難するということで、実際に実際に避難先である県立翔陽高校まで全校生徒が避難して、流れを確認しました。
 今年からは避難先は翔陽高校、児童の引き渡しは状況が落ち着いてから指定避難所である隣の高津中学校に移動して保護者へ引き渡すということに整理されたそうで、今後は翔陽高校まで駆け足で移動することになるそうです。
 400名を超える児童のいる学校が実際に一斉に避難するというのは大変なことなのですが、見ている限り非常にスムーズに流れていて、先生たちも児童たちも毎年のこととしていい意味で訓練慣れしているなと感じました。
 今回もいろいろと気づいたことはありましたが、そういった部分を見つけて改善していくのがこういった訓練の大きな目的です。
 後日今回の訓練に関する報告書を提出しますが、こういった訓練を当事者ではない第三者がチェックして改善を進めていくことでより効果的な訓練が実施できるのではないかと思っています。
 欲をいえば、休憩時間や登下校時に避難しなければいけなくなったときにどう判断するかというところまでできるといいなと思っていますが、学校で授業中である限り、恐らくはきちんと対応がしてもらえるのではないかと感じる訓練内容でした。
 今回避難訓練についてお声がけいただきました高津小学校の皆様に感謝いたします。

【活動報告】保育園の避難訓練支援を行いました

粛々と避難する園児たち。でもすれ違った人へのあいさつは忘れないのが素敵です。

 去る10月26日に益田市東町のすみれ保育園様で実施された避難訓練の訓練支援を行いました。
 当日は平常時よりも少ない職員で地震から津波発生、高台への避難ということで実際に避難先である益田東中学校まで全園児が避難して、流れを確認しました。
 保育園では月1回の避難訓練を実施しているそうですが、園児たちも予想していたよりもはるかに機敏な動きで、避難開始から避難完了までわずか13分で行えたのはとてもすごいことだと思っています。
 もちろん途中でさまざまなトラブルはありましたが、そういったトラブルを見つけて改善していくのが訓練の大きな目的です。
 後日訓練に関する報告書を提出しますが、こういった訓練を当事者ではない第三者がチェックして改善を進めていくことでより効果的な訓練が実施できるのではないかと思っています。
 いざというときに何も考えなくても体が動くように、訓練の時にはしっかりと自分の行動を確認しておきたいですね。
 今回避難訓練について見学の許可をくださったすみれ保育園の皆様に感謝いたします。

地震と準備

建物が耐震化されていても家具を固定していないと揺れで倒れてつぶされてしまう。そなエリア東京にて。

 他の災害と違って、地震は発生した時には勝負がついています。
 平時に家具を固定したり、建物の耐震補強をしたり、逃げるのであればどこへ逃げるのかなどの行動決定をしておくなど、しっかりとした備えが必要となります。
 それができていないと、地震が起きた時に倒れてきた家具や倒壊した建物のの下敷きになって圧死したり、大けがをしてしまったりします。
 重要だけれども、急ぎではないと考えている人が多い災害対策ですが、地震に関することは重要で急いで対策をしておいたほうがいいと考えます。
 誤解も多いのですが、地震そのもので死んでしまうことはほとんどありません。地震によって起きるさまざまな二次的な要因で人は怪我をしたり死んだりしてしまうのです。
 つまり、備えることができて、備えればけがや死ぬ危険性を低くすることができる災害なのです。
 あなたのお住いの建物や職場は、地震に対して対策をとっていますか。
 いざというときに怪我したり死んだりしないために、きちんと対策をとっておくことをお勧めします。

【活動報告】救急救命講習会を開催しました。

 去る10月23日13時から、益田市民学習センター多目的ホールにおいて今年度第2回目となる救急救命講習会を、日本赤十字社島根県支部の方を講師にお招きして開催しました。
 胸骨圧迫(心臓マッサージ)やAEDの使い方、水難事故への備えなど、講師と参加者の方の対話形式で3時間、みっちりと学習することができました。
 誰もがいつどこで心臓マッサージやAEDを使う可能性があると考えると、誰でも助けられる命を助けられるようにしておくことは非常に大切なのではないかと思います。
 参加してくれた皆様、そして講師をしていただきました日本赤十字社島根県支部の皆様に厚くお礼申し上げます。