窓ガラスとカーテン

 窓ガラスからの光などを遮るために、カーテンやブラインドなどが設置されているおうちは多いのではないでしょうか。
 地震や台風などで窓ガラスが割れたとき、破片が室内に飛び散らないように、できるだけ窓の室内側にはカーテンやブラインドなどをしめておいたほうが安心です。
 採光が気になるようなら、レースカーテンやブラインドの波根の角度の調整などをとり、ガラス単体で居住空間に面することがないようにしておいてください。
 もちろん、窓に飛散防止フィルムも貼ることも重要です。

窓にフィルムを貼る。外側の場合と内側の場合があるので説明書をよく読んでおくこと

 断熱フィルムや遮光フィルムでは、ガラスの飛散防止に充分な効果は得られませんので、貼るときには注意が必要です。
 予算が無かったり、採光がどうしても欲しいという方は、大きめのビニールハウス用シートなどを窓ガラスの室内側に天井から一枚垂らしておくとよいとも思います。
 地震や台風などで起きる怪我のうち、ガラスによる怪我というのは割とよく発生するようです。
 怪我をすると動きが取れなくなることもありますので、窓ガラスの飛散防止対策については気をつけておいて欲しいです。

凍らせたペットボトルを準備する

 飲み終わったペットボトルに水道水を入れて冷凍庫で凍らせておくといろいろと便利です。
 保冷剤に比べると経費がかかりません。使用済みのペットボトルと水道水なので、割といくらでも手に入る材料です。
 そして、溶けたらそのまま飲料水に使うことができます。
 特に夏場などだと、クーラーボックスに入れておいて全体を冷やし、それが終わったら冷たい水として飲む。
 そうすると帰りは荷物が軽くなってご機嫌です。
 我が家では夏場は数を増やして用意しておき、涼しくなってきたら本数を減らしていますが、増減が簡単なので非常に助かっています。
 また、停電時に冷蔵庫の上部に入れておくと、しばらくの間冷気を維持してくれます。冷凍食品などを使うことはよくありますが、凍らせたペットボトルは、溶けた後も飲料水や生活用水にそのまま転用できるのが便利です。
 他にも発熱時にタオルを巻いて大きな血管を冷やしたり、暑い日の停電では、蓄電式の扇風機と組み合わせることで簡易冷風扇が作れたり、およそ冷やすことが必要なものには使うことができます。
 500mlのものを一本作っておくといざというときに重宝しますので、冷凍庫に余裕があるときにはやってみると便利だと思います。

紙コップで授乳する

 個人装備の中では普通のコップが入っていればいいと思いますが、ミルクを飲む子どもさんや衛生面で気を遣わないといけないような場合には、紙コップを準備しておくといいと思います。
 この紙コップと使い捨てスプーンがあれば、ほ乳瓶がない場合でもミルクを飲ませることが可能になります。
 ほ乳瓶は利用後に、「洗浄」→「消毒」→「乾燥」という手順を踏んでまた使うわけですが、災害後に水が不足する場合には、洗浄するための水が確保できないとほ乳瓶の衛生環境が保てないという問題が発生します。
 使い捨てタイプのほ乳瓶もありますが、一つの単価が高いことと、数日分の使い捨てほ乳瓶を持ち歩くのは、他のものを持って移動することを考えると現実的ではありません。
 そこで、紙コップに入れたミルクをスプーンで飲ませるという代替案が登場してきます。
 紙コップも使い捨てスプーンもさほど場所はとりませんし、衛生的にも管理がしやすいものです。
 ただ、これはあげる親ももらう子も練習しないとうまく行きませんので、普段の授乳の中で取り入れてやってみてください。
 母乳の方も同様で、災害後には心労やストレスから母乳がでなくなることもありますので、ミルクを飲んでくれるのかもあわせてやってみて欲しいと思います。
 紙コップでの授乳はあくまでも非常手段です。
 ただ、このテクニックを知ってできるかどうか試しておくことで、その後準備するものがいろいろと変わってきますので、できる範囲で試してみてくださいね。

アルコール消毒とストーブ

 ストーブに限りませんが、火を扱っているときにアルコール消毒をするときは、火の周りには吹かない、かけない、拭かないを気をつけてください。
 当たり前だと思われることも多いと思いますが、火がついていることを意識せずにアルコール消毒を行って引火するということが起きないとも限らないからです。
 言うまでもありませんが、アルコールは可燃物です。アウトドアで直火を使う人なら、助燃剤や着火剤にアルコールが使われることをご存じなのではないでしょうか。
 アウトドアの現場でよく起きる事故の一つに、燃焼中の着火剤追加による引火というのがあります。
 アルコールは気化が早くて燃焼温度も低いことからとても着火しやすいものなのですが、火がうまくつかなかったり急いで火を大きくしようとして容器のまま着火剤を投入しようとして引火事故になっています。
 このコロナ禍でアルコール消毒はどこででも見るようになりましたが、使われる際にはくれぐれも火元に注意してください。

バケツのフタはありますか

 バケツの無いおうちもあるとは思いますが、できれば最低一つ、バケツは準備しておいてください。
 災害後、断水になったときにはこのバケツで水やお湯を運んだり、トイレが使えなければ汚物を入れたり簡易トイレに使ったり、洗濯や床下などの泥の運搬に使うこともできます。また、小さな子どもであれば、バケツにお湯を張って簡易浴をすることもできますので、小さなお子さんがいるおうちでは、優先度は結構高いと思います。
 バケツの大きさはいろいろとありますので、あなたが水を一杯に張って運べる程度の大きさのものであれば良いと思いますが、用意するバケツには、できればフタもつけるようにしてください。
 バケツにフタがついていると、吸水された水を運ぶときもこぼさなくて済みますし、汚物を入れるときにも臭いを封じ込めることができます。
 基本的にフタはばら売りになっていることが多いので、バケツを買うときにサイズを合わせて一緒に買うとサイズを間違えなくて済みます。
 単品では使い道がないバケツのフタですが、バケツとセットになると非常に使い勝手のよい道具になりますので、もしこれから備えるのであれば、一緒に購入しておくことをお勧めします。

雪対策を考える

 各地で雪が降ったようですが、あなたのお住まいの地域ではどうだったでしょうか。
 今回は過去にこのブログでご案内した雪対策の記事をまとめてみましたので、気になったものがあれば見てみてください。

絆創膏で滑り止め

雪道の歩き方

除雪スコップあれこれ

南岸低気圧

ご飯を炊く道具

 お米を炊くというと、どんな道具を想像しますか。
 炊飯器やお鍋、飯ごうや羽釜といったものが浮かぶのかなと思いますが、変わったところでは空き缶でもご飯を炊くことができます
 そして、ご飯を炊くというのは、干したお米を水に浸けて加熱するという作業なので、実はビニール袋にお米と適量の水を入れて湯煎してもご飯になったりします。
 また、研がなくてもおいしいお米が炊けるという袋も売っています。
 実際のところ、使うのには慣れが必要ですが、慣れてくるとおいしいお米が湯煎でもできるようになります。
 もちろん、普段の生活では普通に炊飯器を使えばおいしいお米が炊けるのですが、湯煎でご飯を作るメリットは、お米が出来上がってから食べるまで、一切お米そのものに触らなくても済むことです。
 つまり、災害後で充分な水が手に入らない場合に汚れた手でも安心して食べることができるのがメリットとなります。
 防災グッズとしても写真のように専用のアイテムが売っていますが、分量さえマスターすれば、普通の耐熱ビニール袋でもきちんとご飯が作れます。
 ビニール袋に耐熱が必要である理由は、お米と水をビニール袋に入れ、お湯の中に入れてひたすら煮るとき、お湯を沸かしている容器の側面などにビニール袋が触れると溶けてしまうことがあるからです。
 食品用のビニール袋には耐熱温度が必ず書いてありますので、100度を超える表示のものを選ぶようにしてください。

書く道具を用意する

 油性ペンや鉛筆、ボールペン、クレヨン、万年筆、黒墨など、一口に書く道具といってもいろいろとあります。
 災害時、書き付けるためのものは、紙が無くても何とかなりますが、書く道具がないと相当苦労します。メモ帳や付箋、ノートは忘れても、書く道具だけは絶対に忘れず持ち歩くようにしてください。
 では、非常用持ち出し袋や防災ポーチに入れるとしたらどのようなものがいいのでしょうか。
 災害後、いろいろな出来事が起きますが、何にでも書くことができるということが前提になりますので、万年筆やボールペンは必須にはなりません。
 油性ペンで太い芯と細い芯がセットになっているようなものがよさそうですが、カバンなどに入れてそのままにしておくと、いざというときに乾いていて使えないということが起きるかもしれませんので、管理はきちんとしておきましょう。
 鉛筆は、つるつるとした面以外は結構さまざまなものに書くことができるので重宝します。芯が折れたら使えなくなるので、そこだけは気をつけておく必要があります。
 意外ですが、クレヨンやダーマトグラフは大抵のものに書くことができ、落ちにくく、落とそうと思うとすぐにきれいに落とせるという魅力があります。

ダーマトグラフ。結構何にでも書けて便利。

 これも鉛筆と同じく、芯が折れてしまうと使えなくなるので、保管の方法には気をつけておきましょう。
 どのような書く道具も一長一短がありますので、結局は使いやすいものになっていくのだと思いますが、手に入りやすさで油性ペン、ずぼらな人はダーマトグラフを用意しておくといざというときにもいろいろ掛けて便利ですよ。

子ども用マスクを準備しておく

 ここ最近では新型コロナウイルス感染症対策で小さな子もマスクをつけていることが多いですが、この騒動が収まった後も、災害後は歩ける子どもはできるだけマスクを着用するようにしてください。
 というのも、災害後には非常に細かな粉じんが舞っており、地表から1mくらいは常に粉じんがある状態だと考えて間違いありません。
 呼吸器系に吸い込むと健康には良くないですので、マスクで防除するようにします。
また、できるならば目の粘膜を守るためのゴーグルもかけておいてください。水泳用のもので充分機能すると思います。
 それから、可能であれば雨合羽などの粉が落ちやすい表面のつるんとした上着を着用させるようにしておくと安心です。
 ここまで読んで気がついた方もいらっしゃると思いますが、災害後の粉じん対策は花粉症対策と同じ方法です。
 花粉症対策を粉じんが収まるまでやると考えて行動していただければと思います。
 また、もっと小さい子どもの場合には、家の中でも少しだけ高い場所にいるようにしておくと安心です。

災害対策はまず自分のことから

市販品の非常用持ち出し袋セット

 災害対策の講習会というと、よくあるのが地域を対象とした救助訓練や炊き出し訓練、避難訓練などです。
 これはきちんとやれば効果が出るものですが、訓練のための訓練をしていてはあまり意味を成しません。
 元々の災害対策は、まずは自分が生き残るために行うものですから、まずは自分の備えをきちんとしておく必要があります。
 あなたが必要なものと近所の人が必要なものはかなり異なるのが当たり前ですので、まずあなたに何が必要なのかをしっかりと考えて準備して下さい。
 例えば、入れ歯、眼鏡、杖、補聴器、持病の薬などは、もし無くなったとしたら、あなた以外の人のものを転用するわけにはいかないものが殆どです。
 食物アレルギーを持っている人なら、自分が食べられる非常食の用意も必要ですし、抗アレルギー薬も準備しておく必要があります。
 そういったものを優先的に予備を準備していくことで、自分に対する備えができてくるのです。
 共助も公助も、たくさんの避難者をとりあえず助けるために準備されているものですから、個人として必要とされるようなものはまず配給されないと思って下さい。
 防災の専門家や書籍に書いてあることはあくまでも参考例です。
 あなたは、まずあなたに必要とされる対策をあなたのために準備するところから始めてほしいと思います。